やじうまPC Watch

デルの高耐久PC「New Latitude 14 Rugged Extreme」に水2Lをぶっかけてみた

New Latitude 14 Rugged Extreme

 既報の通り、デル株式会社は、6月12日に高耐久PC「Latitude Rugged」シリーズより、CPUを第6世代Coreプロセッサへと刷新した新モデルを発売した。

 今回、デル株式会社より「New Latitude 14 Rugged Extreme」をお借りできたので紹介したい。

 製品名に“Rugged”と入っている通り、軍事利用も想定された高耐久が特徴の14型ノートPC。マグネシウム合金製の筐体に、衝撃吸収用のウルトラポリマーを組み合わせ高い耐衝撃性能を持つ。加えて、圧縮ガスケットによる密閉構造、デュアル・ナイフ・エッジ設計により、砂埃や液体の侵入も防ぐとする。

 本製品はべーシック/プレミアム/プラチナと基本構成別に3つのラインナップがあり、税別価格はそれぞれ278,980円、308,980円、360,980円となっている。

 今回借用したのはベーシックモデルで、主な仕様は、14型1,366×768ドット液晶、Core i3-6100U(2.3GHz)、DDR4-2133メモリ4GB、128GB M.2接続SSD(LiteOn CV3)、OSにWindows 10 Homeを搭載。

 なお、プレミアム構成はCore i5-6300U(2.4GHz)、8GBメモリ、256GB SSD(Samsung PM871)、プラチナ構成はCore i7-6600U(2.6GHz)、16GBメモリ、512GB SSD製品(Samsung PM871a)を搭載する。

 インターフェイスは共通で、USB 3.0×3、USB 2.0、Gigabit Ethernet×2、IEEE 802.11ac対応無線LAN+Bluetooth 4.2(Intel AC 8260)、HDMI出力、ミニD-Sub15ピン、シリアルポート×2、Express Card、スマートカードリーダ(接触式/非接触式)、音声入出力など。そのほか、オプションでExpressCard 54またはPCMCIA、メモリリーダ、モバイルWAN、指紋リーダ、GPSを搭載などを追加できる。

 バッテリは6セルまたは9セルリチウムイオン。本体サイズは311×229×39mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は最軽量構成時で2.72kg。3年間のプロサポートが付属する。

マグネシウム合金製の天面。四隅にあるのがウルトラポリマー。上部には運搬用のハンドルを備える。
左側面
右側面

 本製品は米国防総省の定める米軍調達基準「MIL-STD-810G」の認定を受けているが、「MILスペック」を謳う製品にありがちな落下テストのみの通過でなく、運送中の落下(高さ72/60/48インチ、ユニット単体、78回落下)、動作中の落下(高さ36インチ)、風雨、風塵、風砂、振動、稼働中の衝撃、湿度、塩水噴霧(オプション、ゴム製キーボード使用時)、高度、爆発性雰囲気、日射、極端温度、熱衝撃、凍結/解凍、本番稼働までの戦略的スタンバイ……と、さまざまテストを通過している。

 また、IEC 60529による侵入保護として、IP65の防塵および圧力防水、危険場所(ANSI/ISA.12.12.01認定場所 クラスI、ディビジョン2、グループA/B/C/D)で使用可能、MIL-STD-461F認定(電磁干渉耐性)も取得。

 非動作時温度範囲は-51°C~71°Cで、動作時温度範囲は-29°C~63°Cとなっている。

 ある一定の温度を超えると肉体を構成する蛋白質の変成が始まってしまうため、人間は45度付近(体温)が生存限界とされているが、Latitude 14 Rugged Extremeならそれを軽く上回っており、まさに生身の人間が生存できない極限環境でも使えるPCと言える。

 弊誌では、以前にも前モデルで「人間の精神力 vs. Latitude 14 Rugged Extremeの耐久性」や「超堅牢PC『Latitude 14 Rugged Extreme』を落としまくってみた」にて耐久性を検証しているが、その性能は本物だ。

 今回は以前の検証よりも少々過激な防水試験として、2Lペットボトルの水をぶっかけてみたのだが、ディスプレイを閉じた状態で試したところ、余裕でクリアしてしまった。

 より実用的な場面として、ディスプレイを開きキーボードにもジャバジャバと注いでみたが、正常に動作。びしょ濡れのままキーボードをしばらくタイプしてみたが、水が内部に侵入した様子も無く、まだまだ余裕がありそうだ。

ディスプレイの縁やキーボードにも直接2Lペットボトルの水をぶっかけてみた
あっさりとクリア

 本体性能については、「PC Mark 8(v2.7.613)」を利用してベンチマーク測定を行なってみた。

 結果は、Home(accelerated)で3,254、Creative(accelerated)で3,542、Work(accelerated)で4,287を記録。Core i3-6100U搭載機としては、高いスコアを記録している印象を受けた。

 しかし、特筆したいのはスコアではなく、ベンチマーク中の静音性だ。以前に編集部でHaswell搭載のモデルをテストした際は、ゲーミングPCほどではないものの、ファンが回っているのが分かる程度の音が発生していたが、今回はベンチマークの内容に関わらず、極めて静かだった。

 Skylake搭載に刷新された影響もあってか、筐体表面の発熱も「少しぬくい」程度で、(重量を無視すれば)膝の上に載せていても辛くない。高温環境下では空気への放熱効率が著しく悪化するため、そういった環境でも安定動作するよう、根本的な発熱量も抑えられているようだ。

PC Mark 8 Home(accelerated)の結果。スコアは3,254
PC Mark 8 Creative(accelerated)の結果。スコアは3,542
PC Mark 8 Work(accelerated)の結果。スコアは4,287

 圧倒的な耐久性を持つNew Latitude 14 Rugged Extremeだが、価格帯としてはハイエンドなゲーミングノートPCに近い程度で、個人では手が届かないという価格でもない。

 文字通り「最強のPC」を求めるユーザーなら、検討に値するノートPCだ。