イベントレポート
Lenovo、WUXGA対応8型Windowsタブレット「ThinkPad 8」発表
(2014/1/6 09:00)
Lenovoは、ラスベガスで1月7日より開催される2014 International CESで公開予定の新製品を発表した。多数の新製品が発表されたが、中でも注目は、日本で大人気となりつつある8型Windowsタブレットの新ラインナップとなる「ThinkPad 8」だ。
Lenovoは、Atom Z2740(開発コードネーム:Clover Trail)世代でも10型液晶を搭載した「ThinkPad Tablet 2」を発売していた。今回発表されたThinkPad 8はAtom Z3770(開発コードネーム:Bay Trail)を搭載しており、従来の8型Windowsタブレットに比べて高精細なWUXGA(1,920×1,200ドット)液晶を搭載するなど、8型Windowsタブレットの液晶の解像度に物足りなさを感じていたユーザーには要注目の製品となっている。
8型Windowsタブレットとして初のフルHD超となるWUXGA液晶を搭載
今回Lenovoが発表したThinkPad 8は、その“8”という数字が端的に示すように、8型(厳密には8.3型)のタッチ液晶ディスプレイを採用したWindowsタブレットになる。8型液晶とAtom Z3000シリーズ(Bay Trail)を搭載したWindowsタブレットは、東芝の「dynabook Tab」、Acerの「Iconia W4」、Dellの「Venue 8 Pro」、Lenovoの「Miix 2 8」という4製品が日本でも発表され、1月中旬に出荷予定のVenue 8 Proを除けば既に日本市場で販売されている。いずれの製品も量販店では売り切れになるなど人気を博しており、2013年末のちょっとしたヒット商品になっている。
ThinkPad 8はそうした8型Windowsタブレットの新製品ということになるが、Lenovo自身のMiix 2 8を含めたほかの8型Windowsタブレットとの最大の違いは液晶の解像度だ。一般製品がWXGA(1,280×800ドット)解像度の液晶を搭載しているのに対して、このThinkPad 8はWUXGA(1,920×1,200ドット)の解像度になっているのだ。実際の製品を見ると、ほかのWindowsタブレットに比べて高精細であることがすぐに分かる。もちろん、液晶パネルの物理的サイズが8型と決して大きくないので、文字を見るためというよりは、電子書籍や写真などコンテンツを閲覧するときに大きな効果があると言える。
SoCには、クアッドコアのAtom Z3770を搭載している。Atom Z3770はクロック周波数は最大時で2.4GHzにも達する、Atom Z3000シリーズの最上位製品となる。他の8型WindowsタブレットがAtom Z3740やAtom Z3740D(最大1.8GHz)を搭載しているのに比べると、ピーク時の性能上限が高いのが大きな特徴となる。また、DのつかないZ3770を搭載しているので、メモリはLPDDR3-1066となり、D付きのDDR3L-RSに比べてスリープ時の待機電力が低くなるというのも特徴と言える。メモリは2GBが搭載されており、OSは32bitのWindows 8.1となっている。ストレージに関しては、最大で128GBのeMMCになっている。32GB、64GBのラインナップも用意されており、どの容量のストレージが搭載されるかは、SKUや各国のLenovoオンラインストアのCTOメニューによって異なっているということだ。
グローバルモデルにはワイヤレスWAN入りが用意される、重量は約430~439g
インターフェイスはMicro USB 3.0(充電兼用)、Micro HDMI、microSD(SDXC対応)が用意されており、特定地域向けにはワイヤレスWAN用のMicro SIMスロットも搭載し、LTE/3Gに対応したワイヤレスWANモジュールを搭載したSKUも用意される。このほか、無線としてはBluetooth、Wi-Fiが内蔵されている。
カメラは前面が200万画素、背面が800万画素になっており、純正オプションとして用意されるカバーケースと連動するユニークな仕様になっている。カバーは背面カメラの部分だけ折れ曲がるようになっており、カバーを外さなくても撮影ができるようになっている。かつ、カバーに付いているマグネットを本体が認識するようになっており、レンズ部分を覆っている部分を折り曲げると自動でカメラアプリが起動する。使い勝手に優れているだけでなく、撮影する必要がある時だけレンズを露出できるのは、周りの人にも安心感を与えるという意味で、使う側にもメリットがある。
本体のサイズは132×224.3×8.8mm(幅×奥行き×高さ)となっており、一般的な8型Windowsタブレットに比べると縦方向がやや大きなサイズとなっている(参考までにMiix 2 8は131.6×215.6×8.35mm)。これは8.3型でWUXGAというやや大きめのサイズのパネルを利用しているためだと考えることができる。なお、重量についても同様で、430g(ワイヤレスWANなし)/439g(ワイヤレスWANあり)と350gのMiix 2 8に比べて重い。ただ、CPUが最上位のAtom Z3770である点や、ディスプレイが8.3型/WUXGAである点などを考慮すればトレードオフと言っていいだろう。バッテリは20.5Whの容量を内蔵しており、公称で最大8時間の駆動が可能になっている。
価格はCTOモデルが399ドルからで、米国でトップセラーモデルと呼ばれる店頭向けのモデルは429ドルからと、他の8型Windowsタブレットが299ドル~となっているのに比べるとやや高めの価格設定だ。ただ、CPUや液晶などでスペック面では上回っているため、8型Windowsタブレットのハイエンドモデルとして認知されることになるだろう。米国では1月末から出荷開始される予定だ。
気になる日本での発売だが、現時点ではLenovoの日本法人であるレノボ・ジャパンから正式な発表はなく、未定ということになる。しかし、日本ではMiix 2 8が非常に売れていることや、日本ではThinkPadブランドが非常に強力に受け入れられていることを考えれば、十二分に販売される可能性はある。そう遠くない将来に予想されるレノボ・ジャパンからの正式発表を待ちたいところだ。
ThinkPad 8 | |
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プロセッサ | Intel Atom Z3770 |
メモリ | 2GB(LPDDR3 1067) |
ストレージ | 最大128GB |
GPU | CPU内蔵(Intel HD Graphics Gen7) |
ディスプレイ | 8.3型 1,920×1,200ドット、10点マルチタッチ |
オーディオ | ステレオスピーカー/デュアルアレイマイク |
ポート | Micro USB(USB 3.0)、Micro HDMI、microSD(SDXC)、Micro SIM(WANモデルのみ) |
無線 | Wi-Fi、Bluetooth、ワイヤレスWAN(オプション) |
カメラ | 200万画素(前面)/800万画素(背面) |
バッテリ駆動時間(容量) | 8時間(20.5Wh) |
サイズ | 132×244.3×8.8mm(幅×奥行き×高さ) |
重量 | 430g(Wi-Fiモデル)、439g(WANモデル) |
OS | Windows 8.1(Office付き) |
価格 | 399ドル~ |