【COMPUTEX 2012】ケース、クーラー、電源編
~蒸気機関車ケースや冷蔵庫内蔵ケースなど変わり種が登場

Level 10 Limited Edition

会期:6月5日~6月9日(現地時間)
会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
   Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
   Taipei International Convention Center



 COMPUTEXでは、ケースやクーラーなど、自作用パーツも多数展示されている。本稿では、会場で見かけた自作用パーツ類の中で、特徴的なものを中心にまとめて紹介する。

●Thermaltake

・Level 10 Limited Edition

 2009年のCOMPUTEXで発表され、BMW Group Designworks USAがデザインした特徴的な形状が特徴のフルタワーケース「Level 10」が、300台限定のLimited Editionとして帰ってきた。デザイン、形状に変更はないが、前面USBポートがUSB 3.0×4に強化されている。また、台座部分にはシリアルナンバーが刻まれる。全世界で300台限定だが、日本には100台ぐらい持ち込みたいそうだ。発売は8月を予定しており、価格は99,900円を予定。


・ARMOR REVO

 Armor Plusシリーズの後継モデル。サイド、トップ、フロントに200mmファン、リアに140mmファンを備える、ゲーミングPC向けのフルタワーケース。トップ部のHDDクレードルも継承。また、側面ファンはパネルに電源接続用ターミナルが備えられ、ケーブルの有無を気にせずサイドパネルの開閉が可能。ブラックとホワイト(スノー)の2色を用意。6月下旬に17,900円で発売予定。


・New Soprano

 Thermaltakeとしては珍しい静音ケース。フロントにはフタが用意され、左右パネルには吸音材が取り付けられている。ファンはフロントが200mm、リアが140mm。8月に11,900円で発売予定。


・SD101

 Mini-ITX仕様のケース。比較的コンパクトながら、5インチベイや2スロット分の拡張スロットが確保され、2スロット占有グラフィックカードを搭載可能。サイドの8cmファン、トップの6cmファン以外に、HDD冷却用の4cmファンも搭載。180Wの電源を内蔵。発売時期及び価格は未定だ。


・Big Typ Revo

 今はサイドフロータイプのCPUクーラーが全盛だが、これはトップフロータイプのCPUクーラー新モデル。サイドフロータイプで問題となる、CPU周辺の電源部やチップセットなども効果的に冷却できるとしている。TDP 160WのCPUまで対応。6月下旬から7月頃に4,000円で発売予定。


・Tough Power Grand Platinum/XT Platinum

 80PLUS Platinum対応電源。600W、700W、850Wが「Tough Power Grand Platinum」、1,275Wが「Tough Power XT Platinum」。Grandでは、空冷ファンに“さくらファン”を利用。また、全製品7年保証と長期間の保証が付属する。600Wが18,000円、700Wが19,000円、850Wが22,000円、1275Wが34,000円で、850Wのみ第3四半期、その他は8月以降に発売予定。


●In Win

・H-Frame

 アルミニウムのフレーム10枚を組み合わせた、独創的な仕様のケース。フレームを組み合わせているだけなので、フレームの間は完全に開放されており、ハイエンドのビデオカードを搭載しても、ケースはファンレスで利用可能としている。価格は3~4万円を予定。


・GR-One

 フロント×2、リア×1、トップ×3、ボトム×2、サイド×1、HDD用×1と合計10個の140mmファンと、ケース上部に360mm、下部に240mmの水冷用ラジエータを同時搭載可能なフルタワーケース。ケース前面上部にはHDDクレードルやファンコントローラなども搭載。7月頃発売予定で価格は未定。


・EG

 ケース前面に、ペルチェ素子を利用した飲み物用冷蔵庫が付いたケース。140mmファンをトップ×3、リア×1、サイド×3、ボトム×2、HDD用×1と10個搭載可能。発売は7月頃を予定し、価格は未定。


・Commander III

 80PLUS GOLD対応電源。130mmファンを採用し、冷却性を高めている。600W、700W、800Wの3製品を用意。7月末頃発売予定で、価格は未定。


●Antec

・Antec Reverse

 Extended ATX対応のフルタワータイプのケース。電源を上下に2個取り付けられるとともに、上下を反転させての利用も可能なケース。搭載するパーツの状況によりケースの向きを変えることで、放熱性を高められる。ファンは、フロント×3、トップ×1、ボトム×1、リア×1で140mmサイズに対応。発売時期や価格は未定。


・ISK Series

 フロントに2.5インチサイズのリムーバブルベイを4個備える、Mini-ITX仕様の小型ケース。サーバー用途での利用を想定。リムーバブルベイは側面の80mmファンにダクトでつながり、ドライブの冷却性に優れる。150W電源を内蔵。発売時期や価格は未定。


・Mini P280

 静音ケースP280の流れを汲む、microATX仕様のミニタワーケース。電源は底面に搭載し、冷却性を高めている。また、ドライブベイ中央部は外せるため、大型ビデオカードの搭載も可能。発売時期は未定。


・P280 Special Version

 P280をベースに機能性を高めたスペシャルモデル。トップに140mmファンを2個取り付けられるようになっている。また、ここには水冷用ラジエータの搭載も可能。サイドパネルにアクリルが取り付けられ、内部が見えるようになっている点も異なる部分だ。発売時期は未定。

・HPC Platinum

 80PLUS GOLD対応電源。全て日本製コンデンサを採用し、高品質を実現。また、OC Linkケーブルで2台の電源ユニットを接続し、同時に動作させて利用できる。容量は850W、1,000W、1,300Wが用意され、1,000Wは6月末から7月、その他は夏に発売予定。価格は未定。


・True Quiet 120

 ダブルボールベアリングと独特のらせん形状のフィンを採用する静音性重視のファン。ステイ部はゴムで振動による騒音も低減。120mmモデルと140mmモデルを用意。7月に発売予定で価格は未定。


・True Quiet Pro 120

 フィンとフィン周囲のフレーム部が一体化となり、フレーム部ごと回転する独特な仕様のファン。この構造により、フィン先端で発生する乱気流が低減され、騒音を低減しているとする。こちらも7月頃に発売予定で価格は未定。


●Cooler Master

・Elite 120

 ATX電源を搭載可能なキューブタイプMini-ITXケース。拡張スロットは2本あり、最大32cmのグラフィックカードを搭載可能。5インチベイ×1、3.5インチベイ×3、2.5インチベイ×1と内部ベイも豊富。電源は非搭載。7月に発売を予定しており、価格は7,000円前後。


・Elite 344

 フロントカラーがブルー、シルバー、ピンクの3色を用意する、microATXミニタワーケース。ファンはフロント120mm、リア80mm。仕様はオーソドックス。8月から9月に発売を予定し、価格は5,000~6,000円前後。


・Silencio 650

 ATX仕様の静音タワーケース。ケース上部にスライドスイッチが用意され、起動ドライブの切り替えが可能。この切替スイッチは、PCの電源が切れている状態でのみ動作するため、起動時に誤って切り替えても問題ない。トップ後方にはフタがあり、フタをスライドさせると排気口が現れる。静音性を高める場合にはフタを閉じ、冷却性を高める場合にはフタを開けるといった運用が可能。側面パネルには吸音材が取り付けられている。8月から9月頃に発売を予定し、価格は16,000円前後。


・TPC812

 6本の6mmヒートパイプに加え2本のベイパーチャンバーを採用し、冷却性能を高めたCPUクーラー新モデル。CPUクーラーで縦にベイパーチャンバーを採用するのはこれが初としている。6月後半に発売を予定しており、価格は9,000円。ベイパーチャンバーの幅が狭く、ヒートパイプも少ないTCP612も用意される。


・Eisberg 240

 大型ラジエータを採用する、オールインワン水冷キットのプロトタイプ。CPUヘッド部が透明となり、内部のクーラントの状況を目視できるとともに、クーラントの補充にも対応。発売時期や価格は未定。


●LianLi

・PC-D8000

 HTPX対応の大型タワーケース。内部に20個の3.5インチベイ(うち6個はホットスワップベイ)と11本の拡張スロットを備え、サーバ0用途をはじめ、巨大ストレージを必要とする用途に対応。電源は2個搭載可能。マザーボード部は後方に引き出せ、メンテナンス性にも優れる。また、上部には2つの窓が用意され、冷却ファンを増設することも可能。1~2カ月以内に発売を予定。


・PC-B12

 静音性を高めたATXタワーケース。左右側面とフロントパネル内部には吸音材を装着。また、背面の排気ファンにはダクトが取り付けられ、音漏れを低減。内部ベイの数は、5インチ×2、3.5インチ×3、2.5インチ×1と標準的。1~2カ月以内に発売を予定。


・PC-U650

 ミニタワーサイズのATXタワーケース。電源を拡張スロット上部に配置することで高さを抑えている。3.5インチベイを7個(うち2個はホットスワップベイ)、2.5インチベイを2個備え、ホームサーバー用途に最適とする。1~2カ月以内に発売を予定。


・PC-Q02/PC-Q03

 Mini-ITX仕様の小型ケース。PC-Q02はSFX電源を搭載できるモデル、PC-Q03はATX電源を搭載できるモデルで、PC-Q02の方がサイズが小さい。ドライブベイは、PC-Q02がスリム光学ドライブ×1、3.5インチ×1、2.5インチ×1、PC-Q02がスリム光学ドライブ×1、3.5インチ×1、2.5インチ×2となる。また、PC-Q03は拡張スロットも備える。1~2カ月以内に発売を予定。


・PC-CK101

  蒸気機関車と客車をモチーフとした、非常にユニークなMini-ITXケース。車輪は実際に回転するようになっており、実際に動かすことも可能。ただし動力は搭載しておらず、実際に動作させるには改造が必要となる。台座のレール部分は製品に付属するが、設置用で走行用ではない。

 ケースの仕様は、先頭の蒸気機関車部分にはATX電源とスリム光学式ドライブ、3.5インチ×1、2.5インチ×1が用意され、後方の客車部分にMini-ITXマザーボードを装着する。また、機関車の右側面には、USB 3.0ポートが用意されている。

 ちなみにLianLiブースでは、COMPUTEX特別仕様として、実際に走行するモデルも展示していた。LianLiスタッフが独自に改造したもので、煙突から煙(たまに水を注入していたので、小型の超音波式加湿器のようなものを入れているのだろう)を吐きながら、レールの上を静かに走っていた。ただし、中にPCパーツは搭載しておらず、スタッフもPCパーツを搭載すると走行させるのは難しいと話していた。秋葉原ではすでに展示も始まっており、1~2カ月以内に発売を予定。

【動画】ケースが動く様子

(2012年 6月 11日)

[Reported by 平澤 寿康]