【CES 2012レポート】東芝編
~7.7型有機ELタブレットや14型Ultrabookを発表

新しいタブレットを見せる大角常務

会期:2012年1月10日~13日(現地時間)
開催地:米国ネバダ州ラスベガス ラスベガスコンベンションセンター



 東芝は、「2012 International CES」の開催に先立ち、米国ラスベガスにおいて発表会を開催した。2012年に発売を予定しているAndroidタブレットやノートPCの新モデルなどが発表された。

●3機種の新Androidタブレットを発表

 登壇した、東芝執行役上席常務 デジタルプロダクツ&サービス社社長の大角正明氏は、「TVやPC、タブレットは、スマートコミュニティのディスプレイデバイスでありインターフェイスであり、コマンダーであると考えています。そのため、今後はエンターテインメント機器から、それ以上の機能を出せる商品やサービスを提供していきたいと考えています。」と語りつつ、そのうえでタブレットがより重要性を帯びてくるとした。

 また、「タブレットは今回のCES 2012での最大のプロダクト」(大角氏)であり、2012年にAndroidタブレットのシェア10%の獲得を目標としていると語り東芝がタブレットに対して今後一層注力していくことをアピールした。そのうえで、特に成長が著しい北米市場でのシェア拡大に向けてタブレットの多層ラインアップ展開を加速するとし、日本で12月に発売された、10.1型液晶搭載タブレット「REGZA Tablet AT700」に加え、3機種の新型Androidタブレットを披露した。

今後、タブレットがスマートホームにおける重要な役割を果たす考え、タブレットに注力していくとした成長著しい北米市場でのシェアを拡大するため、タブレットの多層ラインアップ展開を加速する日本で発表済みのモデルも含め、Androidタブレット4機種を披露した

 披露された新型タブレットは、7.7型の有機ELディスプレイを搭載する製品、5.1型ワイド液晶を搭載する製品、13.3型液晶を搭載する製品の3機種。このうち、最も注目されるのが、タブレットとして業界初となる、7.7型有機ELディスプレイを搭載する製品だ。表示解像度は未公開だが、実際に展示されていた製品を見ると、高精細かつ高コントラストの映像が確認できた。また、詳細なスペックも公表されなかったが、本体重量は350g前後、8mmを切る厚さの実現を目標にしているとした。

7.7型有機ELディスプレイを搭載するAndroidタブレット。製品名は不明。高精細かつ高コントラストの映像が表示され、表示品質はかなり優れる。発売時期は2012年半ばを予定重量は350g前後で、8mmを切る厚さが目標。実際に手にしても非常に軽く感じた
底面には、専用ケーブルの接続コネクタに加え、スピーカーと思われる穴が見える右側面には、microSDカードスロットやUSBポート、ヘッドフォン端子などが存在した

 次に13.3型液晶を搭載するモデル。こちらも詳細なスペックは公表されなかったが、液晶パネルはハイレゾとしていたため、かなり高解像度の液晶パネルが搭載されるものと思われる。また、画面サイズが大きいため、TVチューナの搭載も検討しているとのこと。重量は990g前後で、1cmを切る厚さが目標。

13.3型と大型の液晶ディスプレイ搭載するAndroidタブレット。表示解像度は非公開だが、”ハイレゾ”としている。重量は990g前後、1cmを切る厚さが目標。発売時期は2012年半ばを予定底面にはステレオスピーカーと思われる穴が見える。また、右側面には専用ACアダプタを接続するコネクタがある

 それに対し、5.1型液晶搭載モデルは、どちらかというとコンセプトモデルといった位置付けでの披露であった。搭載される5.1型液晶は、アスペクト比が20:9と非常に横長で、インターネット等のブラウジングに有効的とする。ただし、商品の位置付け自体はまだ検討中であるとし、スペックは一切公表されなかった。展示されていた製品を見ると、液晶の表示解像度はかなり高精細に感じた。また、液晶画面左側には、スマートフォンのようなスピーカーが配置されており、スマートフォンのような利用形態が考慮されている可能性もある。

5.1型ワイド液晶を搭載するAndroidタブレット。アスペクト比は20:9と、非常に横長な点が特徴。詳細スペックは非公開で、発売時期も検討中厚さは1cmを切っているように見える。右側面にはUSBコネクタや用途不明の端子が配置されていた
下部側面には、物理ボタンとヘッドフォン端子が見える液晶左には、スマートフォン用に似たスピーカーらしきものが見える

 また、北米で発売されるタブレットには、「メディアガイドApp」と「リモートApp」という専用アプリも搭載される。これらは、TVやAVアンプなどと連携して活用できるアプリだ。

 メディアガイドAppは、同時に展示されていた北米向け新REGZAに搭載される、TV番組とVODの番組を横断検索できる機能“メディアガイド”を、タブレット側で操作できるアプリで、タブレット側で番組検索や番組の詳細を表示させながら、TVのチャンネルもタブレット側で切り替えられる。また、リモートAppは、CATVやSTB、AVアンプ、BD/DVDプレーヤーなどを総合的に操作するためのアプリだ。これらオリジナルアプリの搭載により、TVとの親和性を高めることも、東芝のタブレットに対する重要な戦略であるとした。

北米向けタブレットには、「メディアガイドApp」と「リモートApp」の独自アプリが搭載されるメディアガイドAppでは、TVやVODの番組検索、TVのチャンネル切り替えなどが行なえる
リモートAppでは、CATVやSTB、AVアンプなどの操作が行えるメディアガイドAppは、北米で発売が予定されている新REGZAに搭載される新機能「メディアガイド」と連携し、TVとVODの番組の横断検索や、タブレット側からTVの番組切り替えが行なえる

 ところで、今回披露された新型タブレットは、無線LANに加えて3G機能の搭載が予定されている。これら新型タブレットは全てグローバル向けの製品であり、そのためには3Gの搭載は不可欠と判断しているためだそうだ。

 これら新型タブレットの発売時期は、7.7型タブレットと13.3型タブレットは2012年半ばを目途、5.1型タブレットは発売自体を検討している。さらに、今回披露された製品以外にも、廉価モデルなどの投入も計画している。

●第3世代Coreプロセッサシリーズ搭載Ultrabookの発売を検討中

 ノートPCとしては、昨年(2011年)11月に日本で発売されたUltrabook「dynabook R631」に相当する北米モデル「Portege Z835」に加え、14型液晶を搭載するUltrabook新モデルが披露された。

 搭載CPUは、第3世代Coreプロセッサシリーズの搭載を検討している。ストレージデバイスは、dynabook R631同様のSSDに加え、廉価版としてHDDを搭載するモデルが用意される。液晶の表示解像度は1,366×768ドットで、dynabook R631同様のバックライト付きキーボードが搭載される。

 また、展示されていた製品では、タッチパッドのクリックボタンがパッド部と一体構造となっていた。1.7~1.8kgを下回る重量と、2cmを切る厚さの実現を目標としている。発売時期については、2011年度中の発表を検討しており、早けれは4月までの発売も可能性があるとした。また、dynabook R631についても、第3世代Coreプロセッサシリーズを搭載するモデルの投入を検討しているそうだ。

14型液晶を搭載するUltrabook新モデル。第3世代Coreプロセッサシリーズを搭載予定。SSDモデルに加え、HDD搭載の廉価版も投入される。早ければ4月頃までに発売を予定dynabook R631同様、バックライト搭載キーボードを採用。タッチパッドは、クリックボタンとパッドが一体構造となっている

(2012年 1月 10日)

[Reported by 平澤 寿康]