イベントレポート

Samsung、Galaxyフラッグシップの「S6 Edge+」と「Note5」を発表

〜いずれもWQHDの5.7型パネルを搭載

「Galaxy S6 edge+」と「Galaxy Note5」を発表

 韓国Samusung Electronicsは8月13日(米国時間)、米ニューヨークで「Samsung Unpacked 2015」を開催し、同社スマートフォンのフラッグシップモデル「Galaxy S6 edge+」と「Galaxy Note5」の2製品を発表した。米国およびカナダの北米地域では、同日の15時より先行予約を受け付けており、8月21日から販売が開始される。

「Galaxy S6 edge+」と「Galaxy Note5」を手にするSamusung ElectronicsのPresident兼CEO、JK SHIN氏

 同社はこれまで、2月にバルセロナで開催されるMobile World CongressでGalaxy Sシリーズを、9月にベルリンで開催される家電ショーのIFAでGalaxy Noteシリーズを発表してきた。2015年はこれまでの慣例を破る形で、米国ニューヨークにおける8月中のUnpackedイベント開催となっている。

 客観的にも9月は年末商戦に向けた大事な時期ではあるが、IFA期間中はSamsungに限らず多くのメーカーからスマートフォンやデジタルガジェット、PCなどの新製品が多数登場することや、AppleがIFA開幕の翌週にiPhoneの新モデルを発表することが定着していることから、話題の分散や、製品への注目がiPhone関連に上書きされることを避けてのUnpackedイベント開催とも予測された。しかし、製品発表だけでなく製品出荷自体も前倒しされていることが明らかになった。前述の通り米国では8月21日から販売を開始して、その他の国々でも順次出荷を行なうとしているが、日本における展開については明らかにされていない。

前面のパネルがカーブしているGalaxy S6 edge+(左)と、背面パネルがカーブしているGalaxy Note5(右)
北米市場ではいずれも8月21日から販売を開始する。先行予約はイベント同日の15時より受付を開始した

iPhone 6 Plusを競合機種とするS6 edgeの大型モデル「S6 edge+」

 Galaxy S6 edge+は、いわゆるファブレットとしての位置付け。Galaxy S6 edge同様に左右両端がカーブしているカーブディスプレイを採用した5.7型パネルの製品だ。主要なスペックは下記の通り。

Galaxy S6 edge+の主な仕様
OS Android 5.1(Lollipop)
CPU Samsung Exynos 7420(64bit オクタコア)
メモリ LPDDR4 4GB
ストレージ 32GB/64GB
ディスプレイ 5.7型 WQHD(2,560×1,440ドット) ※518ppi
カメラ(背面) 1,600万画素
カメラ(前面) 500万画素
バッテリ容量 3,000mAh
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) 75.8×154.4×6.9mm
重量 153g

 5.5型の大型ディスプレイを採用するiPhone 6 Plusを意識した製品で、Unpackedイベントのプレゼンテーションにおいても、パネルサイズが対角0.2型大きいにもかかわらず、本体の横幅が狭くなっていること(カーブディスプレイに加えて狭額縁を採用)を強調したスライドが用意された。

 搭載するメモリはついに4GBに到達。ネットワーク関連ではLTE Cat.9に対応することも大きな特徴となる(市場によって異なる)。ソフトウェアベースの独自機能としては、Galaxy S6で採用されているエッジスクリーンを強化した。これまではスワイプで主要連絡先を呼び出すのみだったが、Galaxy S6 edge+では、さらにスワイプすることでアプリケーションランチャーもトグル式に呼び出せるようになっている。

 S6同様にバッテリは本体内蔵で、無接点充電(Qi/PMA)に対応する。純正アクセサリの充電台もリニューアルされてS6では3時間必要だった満充電までの時間が2時間に短縮されるとしている。

S6 edgeが大型化したGalaxy S6 edge+。サイズ的にもiPhone 6/6 Plusと同じような位置付けとなっている
iPhone 6 Plusを明確に競合機種とした上で、パネルサイズが対角0.2型大きいのに対して(iPhone 6 Plusは5.5型)、本体の横幅が2mm短い点をアピール
S6 edgeでは連絡先に特化してPeople Edgeとなっていた機能を拡張、アプリケーションランチャーとしてのApps Edgeを追加する
搭載メモリは4GBに到達。より多くのアプリケーションを快適に運用できるとしている
ネットワーク機能では、LTE Cat.9に特定の市場で対応する
同社製Androidタブレットで導入されていたGalaxy Sシリーズなどを子画面表示してコントロールする機能。新たにPCおよびMacをホスト側として利用できる。Macへの対応に会場は沸いた

Noteシリーズはオリジナルに回帰。物理キーボードも登場

 Galaxy Note5は、S-Penを利用するNoteシリーズの最新モデルに位置付けられる。2014年は従来製品の発展系である「Galaxy Note4(※日本未発売)」と、WQHDパネルのほか、更にエッジ部分のパネルを追加した「Galaxy Note Edge」を出荷したが、2015年は従来スタイルへと回帰してNote 5のみが発表された。イベントの中でもフラットパネルならではのペンの書き味といったコメントがあり、S-Penを使った入力スタイルとしてのEdgeはハシゴを外されたような格好になった。

 Galaxy Note5の主要スペックは下記の通りで、カーブディスプレイを採用しないことによる本体サイズや重量の違いと、S-Pen対応の有無を除いてはS6 edge+の兄弟機とも言える仕様になっている。

Galaxy Note5の主な仕様
OS Android 5.1(Lollipop)
CPU Samsung Exynos 7420(64bit オクタコア)
メモリ LPDDR4 4GB
ストレージ 32GB/64GB
ディスプレイ 5.7型 WQHD(2,560×1,440ドット) ※518ppi
カメラ(背面) 1,600万画素
カメラ(前面) 500万画素
バッテリ容量 3,000mAh
本体サイズ(同) 76.1×153.2×7.6mm
重量 171g

 パネルサイズは5.7型で全域でフラット。S6 edge+同様に狭額縁を採用しているが、カーブしていない分だけ横幅が0.3mm広い。S-Penは収納式で、指先で押すことでグリップ部分がプッシュアップする。S-Penを取り出すこの動作で対応する各種アプリケーションが起動する。このランチャーはカスタマイズにより、よく利用するアプリケーションを登録しておくことが可能だ。

 ネットワーク機能もS6 edge+同様にLTE Cat.9に対応するなど、同等のスペックを備えている。バッテリは内蔵型となり、バッテリ容量も同様に3,000mAh。無接点充電(Qi/PMA)に対応する。

Galaxy S6シリーズに続いて無接点充電に対応。QiおよびPMAで充電が可能。純正アクセサリも新モデルとなり、満充電に要する時間は1時間早くなって約2時間
PMA(Power Matter Aliance)方式にも対応しているので、全米のスターバックス店舗で充電が行なえる
S-Penを本体から抜き取ることで、アプリケーションランチャーが起動する
指先で軽く押し込むことでプッシュアップするS-Pen
専用のミニキーボードも純正アクセサリとして登場する
カメラ機能では従来製品にも搭載されている光学式手ぶれ補正機能に加えて、ソフトウェアベースのデジタル手ぶれ補正も導入する

 本体色はいずれも4色。S6でも採用されたホワイトパール(white pearl)、ブラックサファイア(black sapphire)、ゴールドプラチナ(gold platinum)に加えて、新色のシルバーチタニウム(silver titanium)が導入される。ただし市場によっては投入されないカラーもあり、例えばシルバーチタニウムは米国市場向けではなく、当初は韓国市場向けの製品とのコメントが得られている。

本体色はGalaxy S6 edge+、Note5で共通の4色。ホワイトパール(white pearl)、ブラックサファイア(black sapphire)、ゴールドプラチナ(gold platinum)に加えて、新色のシルバーチタニウム(silver titanium)が導入される

Samsung Payでモバイルペイメントに参入

 講演の中でもう1つクローズアップされたのがモバイルペイメントの「Samsung Pay」のローンチだ。昨年(2014年)にLoop Payを買収して、Samsung Payを今秋にも導入することはMobile World Congressでも明らかにされており、機能自体は既発のGalaxy S6/S6 edgeにも搭載されている。これらに加えて、同日発表のS6 edge+およびNote 5を加えた4モデルでの発売日が発表された。

 Samsung Payは、韓国市場において8月20日付けでスタートを切る。追って米国市場において9月28日付けで導入される見通し。初期パートナーも発表されている。

 モバイルペイメントで約1年間先行した格好のApple Payとの現時点での大きな違いは、Apple Payが銀行発行のクレジット/デビットカードを対象としているのに対し、Samsung Payではストア発行のクレジットカードも対象とする点がある。また、詳細には触れられていないが各種ギフトカードも対象にしている点が挙げられる。

 ペイメントの仕組み自体は、いわゆるEMVに対応するクレジットチェーンのネットワークを利用するという点でApple Payと同等。ただし、Apple PayがNFC TypeA/Bに対応しているのに対して、Samsung Payは買収したLoop Payの最大の特徴でもある、MST(磁気ストライプ)方式のカードリーダにも対応するという部分がある。モバイルペイメントについては、別稿にてもう少し詳しく紹介する。

Apple Payに続いてモバイルペイメントに参入する「Samsung Pay」
買収したLoop Payの最大の特徴。カードリーダ側が従来のMST(磁気ストライプ)のみの対応でも、近接操作によりカード情報を送ることが可能
Samsung Pay導入時のパートナー企業。クレジットチェーンを始め、米国内の銀行、加えて韓国市場を中心にストア発行のクレジットカードにも対応する
本人認証は同社のセキュリティ技術Knoxに指紋認証機能を組み合わせる
韓国向けには8月20日から導入。既存のGalaxy S6シリーズ向けにはソフトウェアアップデートを提供して、まずはS6シリーズから対応が始まる
米国向けの発売日は9月28日と発表された

 最後のサプライズとしては、腕時計型のウェアラブルデバイス「Samsung Gear S2」のチラ見せが行なわれた。公開されたスライドから判断するに、Gear S2は真円のディスプレイパネルを採用した製品になると想像される。正式発表は、ドイツ・ベルリンで開催されるIFAにおける同社のプレスカンファレンスと予告された。プレスカンファレンスは、現地時間の9月3日午前に開催される予定。

時計型のウェアラブルデバイス「Samsung Gear S2」が予告された。正式発表はベルリンで開催されるIFAの同社プレスカンファレンス

 会場内におけるGalaxy S6 edge+およびNote5のハンズオンレポートも追って掲載する。

(矢作 晃)