イベントレポート

Antec、8万円超えの高級PCケース「S10」を発表

〜キューブタイプやスリムタイプケースも用意

AntecのDirector of Product DevelopmentであるHan Liu氏が新製品の説明を行なった。写真は「Signature S10」

 米Antecは11日(日本時間)、PCケース3台と電源ユニットの新製品発表会を開催した。COMPUTEX TAIPEI 2015の取材記事にて掲載した「Signature S10」を含む新製品の発表で、一部製品の日本での発売時期および価格が決定した。

 発表会では、Antec Director of Product DevelopmentのHan Liu(ハン・リュウ)氏が登壇し、Antecのこれまでの取り組みを振り返りつつ、新製品について説明。同氏はスピーチの中で2014年にリリースしたATXケース「P100」が好調であることを述べ、ここ数年勢いが落ちていたAntecのブランド力とシェアを取り戻しつつあり、今回の新製品投入で、さらなるシェア拡大に尽力したいと語った。

 以下、Signature S10を始めとする発表会でお披露目されたPCケースを紹介する。

Signature S10

「Signature S10」

 S10は、SSI-CEB対応の大型PCケースで、同社の最新フラグシップモデルとなる。税別店頭予想価格は何と79,800円。同社は「価格は高いが品質も高い」と自信を見せていたが、かなり高額。Antec製ケースの中でも最高クラスの価格となるケースではないだろうか。発売日は6月20日。

 本製品の特徴として目を引くのが、観音開き構造のサイドパネルだ。片方の扉を開けるとPCケース前面のベイエリアに、もう一方を開けるとマザーボードエリアにアクセスできるといった具合である。パネルはマグネットによる固定のため、ドライバーなどのツールを使うことなく、PCケース内部にアクセスできる。

 また、左側面および右側面の両方のサイドパネルが観音開き対応なので、マザーボードだけでなく、マザーボードの裏側に位置するCPUのマウントホールにも即座にアクセス可能。メンテナンス性はかなり高そうである。

サイドパネルはマザーボードエリアとベイエリアで分かれており、観音開きできるようになっている。マグネットによる固定なのでツールを使う必要がない
反対側のサイドパネルも観音開き構造。CPUの換装やケーブルの取り回しに便利だ
ケースのリア部分に設けられたサイドパネルの回転機構。観音開きを実現するための仕掛けだ

 天板には2基の120mm角ファンを標準搭載しているが、140mm角ファン2基に変えることも可能。ここにも水冷用ラジエータを搭載でき、120/240mmサイズのラジエータに対応する。そのほか、リアに1基とオプションでベイの最下部に1基の120mm角ファンを搭載可能だ。

ベイの後ろに3基の120mm角ファンを搭載。マザーボードやビデオカードにダイレクトに風を送れるため、冷却効果は高そうだ
ベイの最下部にも120mm角ファンが搭載されている。ストレージは縦配置になるため、下からの風を受けやすい構造

 吸気機構にも力が入れられており、ベイのエリアとマザーボードエリアの間に設けられたスリットが吸気口になっているだけでなく、ダストフィルタも装備。ケース内へのホコリの侵入を極力防ぐ構造になっている。

観音開きの扉の間にはスリットがあり、フロント3基のファンの吸気口になっている
この吸気口部分にはメッシュのダストフィルタが設置されている。簡単に取り外せるので掃除もラクだ
フロント側のインターフェイスは上面に配置されている
フロント下部の吸気口。ここからベイエリアへ風を送る
リア下部の吸気口。電源ユニットの吸気口となる。着脱式のダストフィルタも設置されている

 主な仕様は、搭載ベイ数が3.5インチシャドウベイ×6、2.5インチシャドウベイ×8。搭載可能ファンは、前面に140mm角ファン×3、背面に120mm角ファン×1、天板に140mm角ファン×2、底面に120mm角ファン×1。

 前面インターフェイスは、USB 3.0×4、音声入出力。本体サイズは230×590×602mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約17.7kg。対応拡張カードの長さは最大317.5mm、CPUクーラーの高さは165mmまで対応できる。

 なお、S10にはガラスのサイドパネルを採用したモデルも用意される予定で、発売日未定。販売価格はアルミモデルのS10よりも下がる可能性があると言う。

ガラスのサイドパネルを採用したS10。ガラスはスモークがかかっており、内部がうっすらと透けて見える
観音扉を開けた状態。PCパーツが組み込まれており、実際の使用感をイメージしやすい
背面側。両側面ともガラスを採用しているのが分かる

P50

「P50」

 「P50」はmicroATXフォームファクタに対応するキューブタイプのPCケースだ。6月20日発売で、税別店頭予想価格は9,980円前後の見込み。サイドパネルがアクリル窓になっており、内部を視認できるようになっている。

天板はメッシュ構造になっており、ファンを120mmファンを2基装着可能
天板のメッシュパネルを外したところ、ファンだけでなく240mmラジエータを装着することもできる
ケース内部。フロント部分には標準で120mm角ファンを2基搭載している
右上に3.5インチシャドウベイが2基あり、左下には2.5インチシャドウベイを2基用意している
左側面のサイドパネル。右下の吸気口は電源ユニット用に使われる
リアには合計3基の80mm角ファンを搭載可能。1基のみ標準装備している

 主な仕様は、搭載ベイ数が5インチベイ×1、3.5インチシャドウベイ×3、2.5インチシャドウベイ×2。搭載可能ファンは、前面は120mm角ファン×2に加え、80mm角ファン×1、背面に80mm角ファン×3、天板に120mm角ファン×2。

 前面インターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0×2、音声入出力。本体サイズは260×330×312mm(同)、重量は約4.4kg。対応拡張カードの長さは約300mm、CPUクーラーは130mmの高さまで対応可能。

VSK2000-U3

「VSK2000-U3」

 VSK2000-U3はスリムタイプのタワー型ケース。8月上旬に発売を予定しており、価格は未定とのこと。対応フォームファクタはmicroATXまでとなり、幅狭のケースであるため、拡張カードはLowProfileでなければ搭載できないようだ。

内部。ベイ部分のフレームは取り外さずに持ち上げられ、マザーボードへのアクセスやストレージの取り付けがしやすい
サイドパネルは手回しネジで止められているほか、写真のような固定用パーツがあり、表側から矢印の部分を押すことでパネルが外れる仕組み
リア部分。電源はTFX規格のものを搭載できる
本体を立てるためのスタンド。スタンドなしでケースを寝かせて使うこともできる

 主な仕様は、搭載ベイ数が5インチベイ×1、3.5インチシャドウベイ×1、2.5インチシャドウベイ×1。搭載可能ファンは、前面は90mm角ファン×1。

 前面インターフェイスは、USB 3.0×2、音声入出力。本体サイズは102×356×338mm(同)、重量は約2.5kg。対応拡張カードの長さは最大200mm、CPUクーラーは最大65mmの高さに対応する。

電源ユニットのほか、COMPUTEX未展示の新ケース「P9」をスライドでお披露目

 このほか、電源ユニットの新製品の「EA GOLD」シリーズを発表した。容量450/550/650Wの3モデルを用意しており、+12V出力は順に34/42/50A。また、80PLUS GOLD認証を取得している。発売日および価格は後日公開で、コストパフォーマンスの高い製品になるとのこと。

コストパフォーマンス重視という「EA GOLD」シリーズの電源ユニット

 さらに、今回の発表会には実機を用意できなかったという最新ケース「P9」がスライドで公開された。冒頭で述べた「P100」と同じPerformanceシリーズに属する製品のようで、年内の発売を予定しているという。

 外観はフラットでシンプルなデザインで、ATXフォームファクタに対応する。天板のファンカバーがラジエータのサイズに合わせて3分割されているのが特徴的で、240/280/360mmのタイプに合わせて、カバーを外して搭載できるようになっている。なお、天板の最上部にはメッシュカバーを乗せられるので、クーラー部分を隠すことも可能だ。

 主な仕様は、搭載ベイ数が5インチベイ×3、3.5インチシャドウベイ×8。搭載可能ファンは、前面に120mm角ファン×2、背面に120mm角ファン×1、天板に140mm角ファン×2または120mm角ファン×3。底面に120mm角ファン×1

 本体サイズは210×470×465mm(同)、重量は不明。対応拡張カードの長さは430mmまでとなっている。

Performanceシリーズの新モデルと思われる「P9」
P9のスペック
ケージが動かせるようになっており、パーツ配置の自由度を高めている
ファンはフロント、リア、トップ、ボトムに配置できる
ファンカバーはラジエータのサイズに合わせて3分割されており、360mmタイプを使用する際は全てのカバーを外して使う

(中村 真司)