イベントレポート

ASRock、ゲーミングブランドを用意しASUSのR.O.G.に宣戦布告

~Z170マザーボードなどを多数展示、Mini-ITXモデルも早速

カマキリの鎌をモチーフとしたASRock Gamingのロゴ

 ASRockはCOMPUTEX TAIPEI 2015に出展し、ブースの一部を新たに策定したゲーミングシリーズブランド「ASRock Gaimng」一色に染めた。

R.O.G.対抗を謳うGamingシリーズ

ASRockのブースにて

 「ASRock Gaming」シリーズは同社のゲーミング向けのブランドで、マザーボードに加え、マウスパッド、ルーター、今後はキーボードやマウスなどを用意する。つまり、ASUSの「R.O.G.」に真向いから対抗する製品群であり、マーケティング本部のChris Lee氏曰く「R.O.G.に宣戦布告する」という。

 ASRock Gamingシリーズのロゴはカマキリの鎌をイメージした盾のような形だが、「カマキリが獲物を捕らえる時の精確性や俊敏性をモチーフにした」という。

 トップバッターはIntel未発表のZ170チップセットを搭載した「Fatal1ty Z70 Gaming K6」。LGA1151ソケットを備え、DDR4メモリに対応する。Skylake世代からはCPUの電圧レギュレータが再度外付け化されたため、13フェーズという変則的な電源回路となっている。メモリはDDR4だ。

 展示品ではヒートシンクが備え付けられていなかったが、公開されたイメージのヒートシンクはロゴが立体的に浮いたものとなっており、なかなか高級感がありそうだ。

Z170チップセット。USB 3.1は内蔵されていない

 サウンド機能に関しては新たに「Purity Sound 3」に対応した。2からは電源入力のフィルタを強化し、音質を向上させたという。同社の測定によると、RightMarkによる音質測定は全ての項目でExcellentを達成したという。旧モデルは一部Very Goodになるものがあった。

 また、USB 3.1のType-Cを備えており、リバーシブルなコネクタに加え10Gbps転送に対応する。なお、この世代もUSB 3.1は外付けチップによる対応であり、IntelチップセットのネイティブUSB 3.1対応は次々世代(つまりSkylake以降)になるとのことだった。

 Gamingシリーズでは「Z170 Gaming K4」という下位モデル、「H170 Performance」という廉価モデルに加え、Mini-ITXモデルも用意する。

 なお、製品会場では別記事で取り上げたG10に加え、ゲーミング向けのマウスパッドも展示していた。現時点では高速性重視と精確性重視の2枚を用意し、サイズも展示されたもの以外はないのだが、今後はバリエーションを増やしていくとのことだった。

Z170 Gaming K6
Z170 Gaming K4
H170 Performance
Mini-ITXモデル
Gamingシリーズのマウスパッド

メインストリーム向け

 メインストリーム向けの「Extreme」シリーズは、カラーを一新し、黒をベースに銅色をラインのアクセントにした高級感があるるデザインとなった。

 最上位の「Z170 Extreme7」は前述のPurity Sound 3に加え、PCI ExpressのHubチップを搭載することで、M.2のスロットを3基用意したのが特徴。これによりM.2対応SSDを多数搭載できるようにした。

 このほか、「Z170 Extreme6」、「Z170 Extreme4」、「Z170 Pro4」と言った下位モデルが用意される。

 「B150M-HDS/D3」はB85チップセットの後継となるB150チップセットを搭載した製品。Skylake世代の製品から、型番末尾に/D3が付くモデルはDDR3対応モデルとなる。というのも、Skylake自体はDDR3/DDR4両対応であり、マザーボードメーカーがどちらのスロットを装着するか選べるからだ。

 最下位の「H110M-HDS/D3」はH81チップセットの後継となるH110チップセットを搭載したモデル。同じくDDR3メモリに対応し、低価格をウリとする。

最上位のZ170 Extreme7
上位モデルはUSB 3.1に対応するが、Type-CとType-Aコネクタを両方備える
Z170 Extreme6
Z170 Extreme4
Z170 Pro4
B150M-HDS/D3。メモリはDDR3となる
H110M-HDS/D3

M.2をSFF-8639に変換するアダプタ

 Intelの高性能SSD「SSD 750」シリーズは、PCI Expressに直結するタイプに加え、SSF-8639という特殊なコネクタを採用した2.5インチタイプも用意されていることが知られている。SSF-8639はPCI Express x4の信号が流れており、高速な転送を実現するのだが、現時点ではこのSSF-8639に直接対応したマザーボードが用意されていない。

 そこでASRockは、M.2からこのSSF-8639に変換するアダプタを制作して対応することにし、COMPUTEXではそのデモを行なった。なおこのアダプタは発売の予定があり、M.2を備えた他社のマザーボードでも利用できるという。

 このデモはX99でありながらMini-ITXフォームファクタを実現した「X99E-ITX/AC」をベースにされており、小型フォームファクタで高性能をアピールするものだ。X99E-ITX/ACのDDR4スロットは2基のため、Haswell-Eが持つメモリ性能がスポイルされるが、Xeonシリーズを利用することで最大18コア/36スレッド環境を構築できることがアピールされた。

X99E-ITX/ACによるSSF-8639 SSDのデモ
M.2スロットから変換し、ケーブルでSSD接続する
18コア/36スレッドのXeonにより高い性能を実現
X99E-ITX/AC。日本でも好調な売れ行きを見せる

(劉 尭)