イベントレポート

ECS、Core M搭載のファンレス小型PC「LIVA Core」

~透明天板仕様。Braswell搭載モデルも

 台湾ECSは6月1日(現地時間)、COMPUTEX TAIPEI 2015の開催に先立って記者発表会を開催し、SoCにCore Mを採用した高性能ファンレス小型PC「LIVA Core」を発表した。

 3月に開発を予告したモデル。LIVAはこれまでSilvermont CPUコアをベースとしたCeleron N2807(1.58GHz、ビデオ機能内蔵)を搭載してきたが、新型ではCore M-5Y10C(800MHz、ビデオ機能内蔵)を搭載し、性能が上昇した。

 またフレームが金属製となり、質感も向上。天板はクリア仕様となり、ヒートシンクが見えるほか、動作中はヒートシンクの隣のLIVAのロゴが光るようになっているなど、日本で販売されているLIVA/LIVA Xとは異なる高級志向となっている。

LIVA Core

 主な仕様は、SoCにCore M-5Y10C、メモリ4GB(DDR3L)を搭載。ストレージはM.2 SSD×1、対応OSはWindows 7/8.1/10となっている。

 インターフェイスは、USB 3.0×4、Gigabit Ethernet、microSDカードスロット、IEEE 802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.0、HDMI出力×2、音声入出力などを備える。

 本体サイズは136×84×38mm(幅×奥行き×高さ)。ACアダプタは19V/3.43A。

 発売時期は6月末を予定しており、価格は調整中だが、概ね600ドル台からを想定しているという。

手のひらサイズとなっている
天板は透明仕様となり、ヒートシンクと光るロゴが見えるようになっている
パッケージも高級志向となっている
LIVA Core主な仕様

Braswell搭載の「LIVA X2」も

 加えて、LIVA/LIVA Xの後継でSoCにBraswellを採用した「LIVA X2」も発表した。

 搭載SoCの型番は明らかにされていないが、メモリは2GBまたは4GBのDDR3L、ストレージは32GBまたは64GBのeMMCとなっている。加えてM.2のSSDをサポートする。対応OSはWindows 7/8.1/10(Windows 7はM.2 SSD利用時のみ)。

 インターフェイスは、USB 3.0×3、Gigabit Ethernet、IEEE 802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.0HDMI出力、ミニD-Sub15ピン、音声入出力を備える。

 本体サイズは156×83×51mm(同)。ACアダプタは12V/3A。

 こちらは6月中の発売を予定しており、価格は調整中だが、概ね220ドル前後になるとしている。

LIVA X2
LIVA X2の主な仕様
宝石箱のような外観が特徴

ネイティブのM.2への対応が明らかに

 発表会では、同社Product & Marketing Project ManagerのBill Chen氏が、新世代LIVAの機能などについて紹介。「LIVA Coreはコカ・コーラの缶と同じ大きさのミニデスクトップPCとしては、世界で初めてCore Mプロセッサを採用し、ファンレス駆動を実現した」とアピールした。

 そのLIVA Coreだが、発表会の中ではIntelの無線ディスプレイ技術「WiDi」への対応に加え、ネイティブM.2に対応したSSD 53xシリーズを採用することを明らかにした。これまでIntel製のM.2対応SSD(Intel SSD 530)はSATA 6Gbps接続であり、M.2の性能をフルに発揮できなかった。LIVA Coreに採用されるものに関しては、500MB/secを超える転送速度を実現できるとしている。

 また、Brasswell搭載のLIVA X2も含めて、デュアルマイク入力に対応することが明らかとなった。これはWindows 10のボイスアシスタント「Cortana」に対応するためであり、Cortana音声認識で活用されるという。先述の通り両製品ともに6月発売のため、標準搭載のOSはWindows 8.1となりそうだが、Windows 10への無償でアップグレードが保証されている。

 さらに、VESAマウンタを使い、液晶ディスプレイの後部に装着できることや、ACアダプタへの変更や新設計により、電源オフ時でも2.2AのUSBバスパワーを提供し、スマートフォンなどへ充電できることが明らかとなった。

Bill Chen氏
コカ・コーラ缶の大きさのLIVAシリーズ
LIVA Coreの特徴。ネイティブM.2対応のIntel 53x SSDを搭載する
LIVA X2もM.2 SSDに対応する
ファンレス動作、電源オフ時の2.2A USB給電、VESAマウンタへの対応が謳われている
デュアルマイクへ対応し、Windows 10のCortanaをサポートする

Bay Trail搭載のWindows/Android両対応2-in-1も

 新SoCではないため発表会では説明がなかったが、Atom Z3735(1.33GHz、ビデオ機能内蔵)を搭載した10型着脱式2-in-1「TP10RA」も展示された。

 こちらはキーボードを装着してクラムシェルノートPCとして扱えるタブレットである。主な仕様は、メモリ1GB、16GB eMMC、1,280×800ドット表示対応10型TN液晶ディスプレイ、OSにWindows 8.1またはAndroid 4.4を搭載する。

 インターフェイスは、Micro USB、microSDカードスロット、Micro HDMI出力、30万画素前面/200万画素背面カメラ、Gセンサーなどを搭載する。オプションでGPSも搭載可能。

 50cmからの落下耐衝撃、IP41準拠の防滴構造となっているのも特徴。本体サイズは272×183.5×12.8mm(幅×奥行き×高さ)、重量は761g(本体のみ)。

10型着脱式2-in-1「TP10RA」
セットとなるキーボード
防滴構造のため、端子にはキャップが付いている
着脱式で、タブレットとして利用できる
発表会の冒頭は派手なダンスパフォーマンスが披露された
発表会にはIntelでアジア・パシフィック/台湾地域のカントリーマネージャーを務めるJanson LS Chen氏もゲストとして招かれた(写真右)。写真左はECS

(劉 尭)