イベントレポート
展示会場でみかけた各種ガジェットとスマートフォンアクセサリ
~なんちゃって「Surface Pro」も中国メーカーが展示
(2013/3/8 13:00)
ドイツで開かれているCeBITで、中国のHKCグループはWindows 8タブレットを出展した。一見しただけではMicrosoftの「Surface Pro」に非常によく似ている。製品の型番は「HR116」で、OEM向けの製品。11.6型で1,366×768ドットの液晶ディズプレイを搭載する。本家のSurface Proは、10.6型で1,920×1,080ドットなので、ディスプレイとしては一回り大きいが解像度は低い。外観は見ての通りそっくりで、やや剛性に不安がありそうな感じだがキックスタンドなど本家と同じ仕様も備える。
OEM向けということで搭載するCPU、メモリ、SSD容量などは柔軟に対応するようだ。展示サンプルのシルクスクリーンには32GBの表記があるが、手書きのスペック表によると最大128GB。そのほか、本家にはない3G通信のオプションもあるようで、本体の上部にはmicroSDスロットと並んで、標準サイズのSIMカードスロットらしきものも見える。底面にはSurface Proと同様の電気的な接点も見えるが、用途についてはブースにいた説明員も分からないとの答え。モックアップではないようだが、起動を確認することはできなかった。
イタリア企業のM31グループが出展していた“Android Watch”の「WEAR IT」。Mobile World Congressでは「i'm Watch」を出展していたが、それとは異なる製品。M31グループはベンチャーキャピタルのようで、同グループの組み込みソリューションを利用するガジェットを、「Si14」の名称で支援および紹介している。後述する「GlassUP」も同様。
WEAR ITは、OSにAndroid 4.0を搭載する腕時計型のデバイス。展示はプロトタイプということで本体部分とベルト部分が別構造だが、トレッキングやスポーツにフォーカスしているということで、製品化の際にはラバーによる一体構造になるらしい。ラインナップは「WiFi」、「GPS」、「Pro」の3モデル。トレッキングなどをターゲットにしたGPSモデルには、いわゆる通信機能がなく、WiFiモデルではGPS機能がない代わりにIEEE 802.11b/g/nとBluetooth 4.0LE、ANT+を搭載する。Proモデルは全部入り。
CPUはCortex-A8でメモリ領域は256MB、ストレージ部分は2GB。画面の解像度は240×240ドット。全モデルに電子コンパス、歩数計、USB 2.0を搭載する。開発者向けにはSDKも提供するほか、App Marketも用意される。出荷予定は2013年の5月で、価格は最上位のProモデルが299ユーロ。ワールドワイドで販売を行なう予定とのことだが、日本市場についてはディストリビュータを探している段階だという。
ドイツの光学機器メーカー、Carl Zeissが出展したヘッドマウントディスプレイ(HMD)「cinemizer OLED」は、有機ELディスプレイを使ったメガネタイプ。870×500ドットのディスプレイを左右両眼部分に搭載する。NVIDIAの3D Visionシステムと、NVIDIA 3DTV Playに対応しており、対応するゲームやコンテンツでは3D表示が可能。
ヘッドトラッキングのアタッチメントが付属しており、コンテンツによっては首を振ったり身体の向きを変えることで異なった視界が開ける。用途としては、HMDとして3Dゲームに利用したり、クアッドリコプター(4翼ヘリコプター)などに搭載したカメラの一人称視点の表示、あるいは3Dビデオ撮影時の同時モニタリングなどを想定している。
iOSデバイスに対応する30ピンコネクタのアダプタも付属。iPhone 5以降のLightningコネクタに対しては、Apple純正の「Lightning - Digital AVアダプタ」を使ったHDMI経由で入力が可能とのこと。製品はすでに出荷済み。価格は650ユーロ。
iOSデバイスとつながるアナログ腕時計「COOKOO」。BluetoothでiPhone 4S以降、iPad (第3世代以降、miniを含む)、iPod(第5世代)と接続する。iOSデバイスへの着信やSMS通知、カレンダー、アラームなどが文字盤に表示される仕組み。
腕時計側からも、GPS機能をもとにしたFacebook、Foursquareへのチェックイン、カメラのリモートレリーズなどを行なえる。やや本体が大きめだが、表示が何もないときの見かけは通常のアナログ時計と変わらないシンプルさだ。すでに129ドルで販売を開始しており、対応するアプリケーションはiTunes Storeからダウンロードが可能。ソフトウェアによってさらに機能追加が行なえるとしており、今後はAndroidスマートフォンにも対応を予定している。
韓国のDio Systemsが出展した「Sixth Sense」。Galaxy Note IIのジャケット型コントロールユニットで背面のみで各種操作を可能にする。本体とはMicro USBで接続。マウスやタッチパッドなどの機能はAndroid標準のHIDドライバを利用するため、専用アプリケーションなどをインストールすることなく利用できる。
背面には3つのボタンと、いわゆるカーソル機能となるタッチパッドがある。背面操作でできることは、内側カメラ撮影時のフォーカスエリアの選択、着信時のワンタッチ通話、メインスクリーンの切り替え、マウスカーソルのポインティング、ショートカットの選択、画面のスクロールなど。韓国内では1カ月ほど前に出荷済みで、CeBITを機にEU圏でも販売する意向。価格は約33ユーロ。現在はGalaxy Note II向けの製品のみだが、今後はGalaxy S4(と呼ばれるSumsungの次期製品)など単体で大規模な出荷が見込める端末へは対応製品を発売するとしている。
ドイツ国内の2大モバイル通信キャリアがNFCをデモ
日本市場においては、スマートフォンの新製品は基本的に通信キャリアの発表会で披露され、そのあとで端末メーカーによっては個別に製品説明会が行なわれるというスタイルがほぼ定着している。最近ではASUSによるPadfone、今後はGoogleのNexus 4など、いわゆるキャリアとの契約を伴わないグローバルモデルの販売も行なわれているが、世界市場ではこちらの方がすでにスタンダードだ。
CeBIT開催の前週にあたる2月25日から28日にかけて、スペインのバルセロナでMobile World Congressが開催され、本誌でも多くのレポートを掲載した。レポートの通り、多くのスマートフォン製造メーカーから数多くの新製品が発表されている。そしてCeBITとなるわけだが、ドイツ市場をターゲットとするドイツの大手通信キャリアであるTelekom(ドイツテレコム)とVodafoneは、いずれもCeBIT会場内に大きなブースを構えている。そのブースにはMWCなどで発表された新モデルが淡々と並んでいる。ユーザーはこうした新モデルをキャリアからコントラクト(任意契約期間)付きで購入することはもちろん、家電量販店では扱われている比較的安価なスマートフォンを購入して任意のキャリアと契約を結ぶこともできる。