イベントレポート

ASUSのブースで「ROG Zephyrus」をじっくり観察する

ROG Zephyrus

 COMPUTEX TAIPEI 2017のASUSのブースでは、17.9mmの薄型筐体でGeForce GTX 1080の搭載を実現したゲーミングノート「ROG Zephyrus」が展示されており、実物をじっくり観察することができる。ROGの発表会は会場の光量が十分ではなかったため、製品の魅力を伝える写真が不足していたが、今回は多数の写真や動画を使ってお伝えしたい。

 Zephyrusでは薄型筐体を実現するために、液晶を開いて使うときに底面がせり上がり、吸気量を20%増やす「Active Aerodynamic System(AAS)」を採用している。せり上がる量はもっとも高い部分で6mm。じつは、この機構は数年前より特許を取得したもので、すでに十分なノウハウが蓄積されているという。そのため、ヒンジ部を含む開閉の耐久性は相当なものだとしている。

 ほかのゲーミングノートは比較的スポーティなデザインだが、ROG Zephyrusはどちらかと言えば落ち着いたエレガントなデザイン。ちょっとかっこいいビジネスノートを使っているような感覚だ。液晶下部に印字された「REPUBLIC OF GAMERS」のロゴも、さり気なくクラシカルな印象を与える。

 薄型筐体を実現するために、本製品はパームレストを完全に廃して、基板を奥のスペースに押し込み、キーボードを手前に配置したレイアウトを採用。このデザインは古き「バイオノート505エクストリーム」を彷彿とさせるものだが、それと同じ薄型化のアプローチを採用したとも言える。

 吸気は底側面、およびキーボード奥の部分から行ない、排気は背面に対して行なう。ここにもキーボードを手前に配置させた意義があるわけだ。ファンは2基で、羽根の枚数はなんと71枚にもおよぶという。競合他社は一般的に30数枚程度なので、枚数で風量を稼いで静音化を図っているとのことだ。

 本機はパームレストはないが、それでもデスクトップのキーボードと同様であり、操作感にさほど影響はない。それでも気になるユーザーのために、本体のキーボードと高さを揃えたパームレストも付属するので、問題はないだろう。

 ちなみに本機に搭載されているGeForce GTX 1080は、先日NVIDIAから発表があったMax-Q技術が投入されているものだ。開発にさいしてNVIDIAの協力をもらい、低電力化に向けた最適化、そして冷却機構の設計を行なったという。

 スピーカーはキーボード左右に配置されており、サイズこそ小さいが独自の音響技術で十分な音量を確保しているという。天板のROGのロゴは、電源オフ時は銀色に輝き、オン時は赤色に光るというギミックも用意されている。キーボードに関しては、Q/W/E/R/A/S/Dキーのライティングがカスタマイズできるようになっており、エッジが光る仕様となっている。

 本体底面にはすでに技適マークが印刷されており(取得者はIntelであり、そのモジュールが内蔵されているだけとも取れる)、日本で今すぐ販売しても良さそうなぐらいだが、担当者によると、本機はワールドワイドでは第3四半期、日本では第4四半期の投入を予定しているという。他社の薄型製品も含め、年末はゲーミングノート市場が面白くなりそうだ。

ブースで展示されたROG Zephyrus
液晶を開くと自動でせり上がる底面。高さが6mm増す
パームレストを廃してキーボードを手前にした配置
空いたキーボード奥の部分に吸気口を配置している
排気口はすべて背面に集中している
後部は一部だけがオレンジになっているなど、デザインへのこだわりが見える
液晶下部の「REPUBLIC OF GAMERS」の印字
天板は2つの異なる方向のヘアラインを組み合わせた
ROGのロゴは電源オン時のみ赤く光る
ROGロゴは電源オフ時は光らず、銀色に輝く
液晶は1,920×1,080ドットのノングレア
広視野角でコントラスト比も高く、視認性は良い
タッチパッドはキーボードの横に用意されている
切り替えてテンキーとして利用できる
キーボード配列。大きいだけあって余裕があり、いびつな配列もない
Q/W/E/R/A/S/Dキーのみエッジが光るようになっている
手前にASUSのロゴを配置
エッジはいわゆるダイヤモンドカットで、高級感がある
液晶の手前にインジケータを装備する
液晶を閉じてもこのインジケータは見えるようになっている
本体左はThunderbolt 3とUSB 3.0を備える
本体右はDC入力、HDMI出力、USB 3.0×2、音声入出力などを搭載する
本体底面にもREPUBLIC OF GAMERSの印字が
すでに技適マークのシールも貼られている