イベントレポート

Motorola、同社製スマートフォンへAmazonのAI「Alexa」を実装

~Moto G5/Moto G5 PlusのMWC現地実機写真も掲載

Motorola Mobilityが発表したMoto G5(左)とMoto G5 Plus(右)

 Motorola Mobilityは27日(現地時間)からスペイン王国バルセロナ市で開催中のMWC 2017に先だって、同市市内のホテルで記者会見を開催し、メインストリーム市場向け最新スマートフォンとなる「Moto G5」、「Moto G5 Plus」の2製品を発表した(両製品のスペックなどに関しては別記事[Motorola、廉価なSIMフリー機として人気シリーズの新製品「Moto G5/G5 Plus」]参照)。

 この発表会では、Motorolaが2016年6月に発表したハイエンドスマートフォン「Moto Z」用の新しい拡張モジュール「Mods」と、2017年にMotorolaがリリースする予定のスマートフォンで、Amazonが展開するAIサービス「Alexa」に対応することも明らかにされた。

今年末までにリリースされるMoto ZのModsとスマートフォン製品でAmazon Alexaを実装

 記者会見では、Motorola Mobility CEOのエイマール・デ・ラクンザン氏が登壇し、この1年でMotorolaがグローバルに成長してきたことをアピール。

 ラクンザン氏は「我々はインド市場やブラジル市場で市場シェアで第2位になりつつある。Lenovoの傘下で再び成長しており、さらにグローバルで成功を目指していきたい」と述べ、今後もMotorolaのブランドを活用しながら、魅力的な製品を追加して成長を目指していくと説明した。

 Lenovoのスマートフォンは、以前のような世界市場全体で第3位という勢いはなくなりつつあり、特にお膝元である中国市場の落ち込みは大きいとされている。Lenovoによれば、この中国市場を除くとシェア4位で、中国以外の市場では伸びており、特にMotorolaブランドの貢献が大きいとされている。

Motorola Mobility CEOのエイマール・デ・ラクンザン氏

 そのMotorolaが2016年6月にLenovo TechWorldで発表したのが、ハイエンドスマートフォンとなるMoto Zシリーズ。その最大の特徴は、Mods(モッズ)と呼ばれる本体と同サイズの周辺機器をボゴピン端子で接続できるという仕組みで、JBLスピーカー、ハッセルブランドのカメラなどの周辺機器が既に販売されている。

 今回の発表会では、そのModsの新しい製品として、本体を50%まで充電可能なMoto Power Packが49ユーロ(1ユーロ=120円で、5、880円)で3月から出荷開始されることが発表された。

 このほかにも、開発中のModsとして、無線充電機能、急速充電機、ゲームパッドになるMods、モバイルプリンタになるModsなどがコンセプトとして紹介されたが、こちらは展示などはなかった。

ModsがMoto Zを購入する1番の動機になっているという
Moto Power Pack Mods
チャージングアダプターMods
ワイヤレスチャージングアダプタMods
ターボチャージャーMods
ゲーミングパッドMods
モバイルプリンターMods
キッズ用オモチャMods
マルチSIMカードアダプターMods
Yogaタブレットにドッキングする(?)Mods

 また、発表会では、Amazon Alexa Voice Service/Alexa Skills部長のジョン・カーク氏が壇上に招かれ、MotorolaがAmazonのAIサービスであるAlexaを採用したMoto Z用のModsと、Alexaに標準対応したスマートフォンを2017年中にリリースする予定であることが明らかにされた。

 元々Motorolaは、以前までGoogleが所有しており、それをLenovoに売却したという経緯があるため、やや奇異な印象を受ける発表だが、Motorolaの親会社であるLenovoは、1月のCESではAlexa対応のスピーカーをリリースしており、Amazonとの良好な関係をその時もアピールしていた。その意味では、今回のMotorolaとAmazon Alexaの連携もその文脈の中で捉えておくべきだろう。

Amazon Alexa Voice Service/Alexa Skills部長のジョン・カーク氏

背面にメタルボディを採用したことでより高級感が増しているMoto G5とMoto G5 Plus

 また、発表会の会場では、今回発表されたMoto G5およびMoto G5 Plusが展示されていた。以下、フォトレポートの形で、お届けしていきたい。

Moto G5(左)とMoto G5 Plus(右)
その背面
iPhone7(左)とMoto G5(中央)とMoto G5 Plus(右)
本体の右側面、上がMoto G5、下がMoto G5 Plus
本体の底面、上がMoto G5 Plus、下がMoto G5
OSはどちらもAndroid 7.0

Moto G5

 Moto G5はQualcomm Snapdragon 430を搭載したメインストリーム向けのスマートフォン。従来のMoto G4でプラスチック素材だった背面カバーが、メタル素材に変更されており、より高級感が増しているのが特徴になる。Moto Gシリーズのようなミドルレンジクラスでは、プラスチックであるのが一般的だが、Moto Gの位置付けはハイエンドとミドルクラスを隙間を埋めるという製品になるので、より高級感のあるメタル素材に変更したとのこと。

 Moto G5 Plusの方は完全にはめ殺しのバッテリになっているが、Moto G5の方は背面カバーが外せるタイプになっており、バッテリを交換することができる。SIMカードスロットやmicroSDカードスロットも、背面カバーを開けたところにある。

本体ディスプレイ下部のボタン
本体の蓋を開けたところ

Moto G5 Plus

 Moto G5 PlusはQualcomm Snapdragon 625を搭載したミッドハイの位置付けになる。こちらも背面はMoto G4 Plusまでのプラスチック素材からメタルに変更されており、より高級感が増している。

 バッテリは前述のとおり、取り外しができないタイプになっており、SIMカードは上部に用意されているトレイで装着する。ユニークなのはその形状で、表と裏にそれぞれカードを装着するようになっており、表側がmicroSDカードを、裏側にNano-SIMカードを2枚装着する形になっている。

Moto G5 Plusのボタン部
本体の上部にSIMカードスロットがある
カードスロットの表面、microSDカードスロットがある
裏面にはSIMカードスロット、デュアルスロットはこうなっている