イベントレポート
Intel Security、家庭向けデバイスを脅威から守るMcAfee Secure Home Platform
2017年1月10日 06:00
McAfeeで知られるIntel Securityは、CES 2017において、家庭内におけるセキュリティ対策ソリューションの一環としてMcAfee Secure Home Platformを発表した。
あまりにも多くのデバイスが家庭内に存在し、それぞれがインターネットに接続するようになった。今後、IoTの時代になれば、その数はさらに増えていく。そんな中で、1台1台のデバイスを個々に守るのは難しい状況になりつつある。
かといって、家族は家族でそれぞれでセキュリティ対策を入れるのは無理だとIntel Securityは考える。それでどうするのか。
セキュアホームプラットフォームとして、ルーターレベルでの対策を全面的に打ち出す。ただし、サービスそのものはクラウドベースだ。これまで、クライアントごとに入れていたセキュリティ対策ソフトのビジネスモデルから、OEMベンダーを通じて統合的なプラットフォームとしての戦略への転換だ。
例えば家庭内に監視カメラが設置されていたとしよう。UIを持たず、セキュリティソフトを入れることもできない。だから何かあったらMcAfeeが管理者のスマートフォンにそのことを知らせる。そして、クラウドサービスとして提供されるシステムが接続先をリルートするわけだ。でも、そこでできることは、カメラをインターネットから切断することだけだ。
IoT時代のセキュリティは、家まるごとという考え方に基づく今回の戦略だが、当然のことながら、モバイルマネジメントアプリについても対策は考えられている。
例えばスマートフォンなどの守られていないデバイスで写真を開くような場合にも、ディスプレイやUIを持たないデバイスを使うような場合にも、それぞれの持ち主である家族ごとにパーソナルセキュリティポリシーを設定しておき、オプションでそれぞれのエンドポイントにもクライアントアプリとしてのMcAfeeを入れられるようになっている。
これらのポリシーによって、子どもが食事のときにスマートフォンをいじることを禁止したり、家族が揃っているときは、みんながインターネットに接続できないようにするといったこともできる。
子どもは子どもで家庭内においてもWANを使うなど、親の想像を超えた方法で、こうした管理をかいくぐる可能性はあり、さらにはいったん親に入れさせられたセキュリティ対策アプリを、なんらかの方法で回避する方法を思いつくかもしれない。そのあたりについては今後の課題だとされている。
既に書いたように、今回のソリューションはOEMにプラットフォームを提供することで実現される。具体的には、ISPやキャリアがホームゲートウェイとしてのルーターを貸し出すところなどに提供され、エンドユーザーはセキュリティソフトを入れるということを、あまり意識することなく高度な対策のソリューションを得ることができる。
CES会場のIntelブースには、これら各社が独自に設計開発したゲートウェイデバイスが展示されていた。各機器の仕様詳細は公開されていないが、Intel Insideでないデバイスである可能性も高い。Intelとしては異例のことだ。
なお、このソリューションは、アメリカではこの春から、日本でもそのあとに導入される予定で、各社との最終的な調整が進められているという。