イベントレポート

Cerevo、話しかけると変形して点灯するロボット・デスクライト

~触感センサー搭載のVRシューズ&グローブも出展

「Lumigent(ルミジェント)」

 コネクテッド・ハードウェアを企画・開発する株式会社Cerevoは、CES 2017オープンの前々日となる2017年1月3日夕方(米国時間)に、メディア向けの内覧会CES Unveiledで、今回のCESで発表する新製品2点を参考出典した。

 今回発表されたのは、話しかける言葉を理解して自動的に変形して点灯するロボット・デスクライト「Lumigent(ルミジェント)」と、世界初の触感センサー搭載V シューズ&グローブ「Taclim(タクリム)」。前者はCES Innovation Awardsを受賞している。同社は3年連続で受賞しているが、これは日本のスタートアップとしては画期的だ。

 Lumigentは、一言で言うとロボットデスクライト。意外なことに、一般に流通しているデスクライトで今風の機能を実装したものはなく、変わったのは光源がLEDになったくらいで、昔から何も変わらないところに着目した。

 4軸の可動軸を備え、使用しない時は折りたたまれた省スペースで待機する。そして、音声認識で自動変形。「ライトを点けて」、「ちょっと右」、「ちょっと暗く」といった言葉に反応して、その通りに点灯したり変形したりする。ただし展示機は英語のみ理解するものだった。

 また800万画素のカメラを実装し、ビデオカメラ、スチルカメラとしても使え、タイムラプスにも対応する。もちろん撮影もボイスコマンド対応だ。机の上の書類を撮影し、Wi-Fiでクラウドにアップロードといったことができる。両手を使って被写体を保持したり、手やペンで指し示しているシーンなど、1人で撮影するのが難しいようなカットを撮れるなど、フィギュアなどの撮影にももってこいだと同社。秋には発売を予定、4万から7万円程度が想定されている。

 一方、Taclimは、世界初の触感フィードバック型VRシューズ&グローブで、フィジカルな体とVRを繋ぐ入出力デバイスとしてVRを楽しむ際の体験拡張のサポートを実現する。蹴りや歩きといった人間のリアル行動をVRの世界に入力するとともに、VRの世界で手や足が感じた触感を現実世界にフィードバックする。つまり、インプットとアウトプットの両方ができるデバイスだ。実機を見たイメージとしては、本当にただのスリッパ風のクツと手袋だ。

「Taclim(タクリム)」

 日本電産セイミツと協業し、最新鋭のタクタイル・デバイスをクツ左右で6個、グローブ左右に1個ずつ、合計8つ搭載する。タクタイル・デバイスは振動の種類を自在に変更することで、砂漠、草原、水辺といった地面を踏みしめた時の感触や、キャラクターが履いているクツの種類による感覚を再現し、それを装着している人間の足や手に触感として伝える。

 ビジネスモデル的にはB2Bも想定し、Bluetoothとは別に920MHz接続バージョンも用意するという。また、開発環境としてはUnity用プラグインとして提供する。10~15万円程度で秋に発売の予定だ。

 Taclim のプロトタイプが初公開されるCES 2017 では、ゲームメーカーのジェムドロップ株式会社が1月末にリリース予定のPlayStation VR向けソフト「ヘディング工場(英題:Headbutt Factory)」をもとにTaclim 向けに新規開発したVRゲーム「Taclim demonstration with Headbutt Factory」をデモ環境として披露、同タイトルはTaclim発売時に無償で提供予定だという。

 同社のCESへの出展は2013年からスタートし、今年で5回目となる。最初は1小間だったが今年は8小間のブースにまで拡張し、あくまでもニッチを攻めることをモットーに積極的に製品を展開している。最初は3製品だけだった製品も、今年は17製品を展示するまでになった。