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Cerevo、攻殻機動隊に登場する「1/8 タチコマ」を6月に発売
～情報をクラウドで“並列化”。税別予価157,400円
2017年3月23日 13:32
株式会社Cerevoは、2017年3月22日、アニメ「攻殻機動隊 S.A.C.」に登場する多脚戦車「タチコマ」を8分の1サイズで再現したスマート・トイ「うごく、しゃべる、並列化する。1/8タチコマ」を6月に発売すると発表し、DMM.make AKIBAにて会見を開いた。税別価格は157,400円。22日から同社ストア上で予約受付開始している。
【訂正】初出時に価格について「2年分の利用料込みで157,400円」としておりましたが、メーカーより訂正が入り、利用期間に関わらず追加費用は不要となりました。
また、主砲カバーや脚部先端など一部にアルミ削り出しパーツを使った限定生産バージョンを177,400円で発売する。ターゲットは攻殻機動隊のファンで、目標台数は数千台としている。
大きさは352×391×249mm(幅×奥行き×高さ)。重量1.5kg。IEEE 802.11b/g/nを搭載している。バッテリ駆動時間は6時間程度。対応OSはiOS 9.3以上とAndroid 4.4以上。対象年齢は15歳以上。
全身の自由度は22個。各関節に合計15個のサーボモーターと、車輪とカメラ用に合計6つのDCモーターを使っており、マニピュレータや脚部、先端の車輪のほか、お尻ポッド部分も左右に可動する。4本の脚部は各足に3自由度がある。脚部先端の車輪は走行用。超信地旋回(その場旋回)することもできる。スマートフォンからの操作も可能。
バッテリは各脚部の内部に収納されている。主砲カバーは取り外し可能。メインの基板はポッド、本体内部にはモータードライバーが入っている。なお歩行は今はできない。出荷版で歩行ができるかどうかはわからないという。
マイクとスピーカーを搭載し、音声で会話ができる。Googleカレンダーと連携して今日の予定を読み上げたり、天気予報を聞いたり、Wikipediaや今日のトレンド・キーワードを話したりすることもできる。タチコマの声はアニメーション同様、玉川砂記子さんの音声を採用し、録り下ろしで収録している。収録した音声パターン数は600で、音声合成エンジンと組み合わせて会話する。内容は原作の登場人物やキーワードのほか、日常会話での受け答えを行なう。
目に相当する正面アイボール部分にはカメラを搭載。クラウド上で画像処理することでユーザーの顔認識を行なう。カメラに向けて、「これはなに?」と示すと、その物体の名前を答える。レモンやリンゴを見せると、「レモンでしょ」と答えるという。画像認識処理にはMicrosoftのコグニティブエンジンを使っている。
音声認識はGoogle、Jetrunテクノロジ株式会社の拡張型自然言語処理API「TrueText」などを組み合わせて使っている。GoogleのAPIを使って音声をテキスト化したあとに、TrueTextで言語のゆれの吸収・正表記に集約する。そのあとにCerevo側のサーバーで、タチコマらしい振る舞いや音声出力を決定する。音声合成にはエー・アイのエンジンを使っている。なおマイクとスピーカーはポッド部にある。
複数のタチコマを繋いだ「並列化」の再現としては、物体別に追加情報を学習させることができる。タチコマにユーザーが話しかけることで、その内容を他の人が持つタチコマが共有して話すようになるという。レモンを見せたことがなくても、ほかのユーザーがレモンを見せて教えていたら、その情報を会話で伝える。
「おもちゃ」ではなく「ロボタイズド・キャラクター」
Cerevo代表取締役の岩佐琢磨氏は同社の活動について「インターネットと家電を繋げた便利あるいはちょっと楽しい製品を作り続けてきた」とプレゼンした。1/8 タチコマは、アニメやゲーム、映画などの作品中に登場するアイテムを、家電のテクノロジーを用いて現実世界で可能な限り再現することを目指す、Cerevoのプロジェクト「S2R(From screen to the real world)」の第2弾となる製品。第1弾は2016年2月に発売された「PSYCHO-PASS サイコパス」に登場するドミネーターだ。劇中のように完全変形し、10カ国以上で愛される製品になっており、「日本のコンテンツの強みを知った」と語った。
タチコマのスケールモデルやトイはほかにもあるが、1/8タチコマは一味違うという。同社では価格も性能も「おもちゃ」ではなく「ロボタイズド・キャラクター」だとしている。売り上げ台数はわからないとしながらも自信を見せた。
