イベントレポート

GIGABYTE、GeForce GTX 950搭載のゲーミング向けBRIX

~フルサイズビデオカードを搭載可能なプロトタイプも

 GIGABYTEは、COMPUTEX TAIPEI 2016開催に合わせて新製品を発表した。本稿では、小型PC「BRIX」シリーズの新モデルを紹介する。

GB-BNi7HG4-950

BRIX Gamingシリーズ新モデル「GB-BNi7HG4-950」

 「GB-BNi7HG4-950」は、BRIXシリーズのゲーミング向け「BRIX Gaming」シリーズの最新モデル。従来のBRIX Gamingシリーズでは、デスクトップ向けGPUを搭載しながら手の平サイズの小型筐体を特徴としていたが、放熱性能が弱かったり、高負荷時の空冷ファンの動作音がかなり大きくうるさいという問題があった。それに対し、GB-BNi7HG4-950では、放熱を重視したケースを採用することで、その問題を改善している。

 従来モデルでは、マザーボードとGPU搭載カードを上下に並べて水平にケース内に搭載していたのに対し、GB-BNi7HG4-950ではそれぞれを縦に搭載するとともに、ケース底面から給気して上部から排出するという空気の流れを実現。

 また、ケース自体も無理にコンパクトさを追求せず、高さは220mmとかなり高くなっている。それでもフットプリントは110×110mm(幅×奥行き)と、従来のBRIXよりもわずかにコンパクトになっており、設置の自由度は大きく低下していない。こういった変更によって冷却性が高められるとともに、動作音も低減。展示機でも空冷ファンの動作音はほとんど気にならないレベルだった。

 搭載スペックは、現時点ではまだ確定していないそうだが、展示ではCPUは第6世代Coreプロセッサ、外付けGPUにはGeForce GTX 950を採用すると記されていた。CPUに関しては、型番を見る限り第6世代Core i7を搭載すると思われる。内部の拡張性は、メモリスロットはSO-DIMM×2(DDR4-2133対応)、M.2スロット×2、2.5インチシャドウベイ×2などとなっている。そのほか、IEEE 802.11ac準拠無線LANやBluetooth 4.2なども搭載される。

 映像出力はMini DisplayPortを3系統とHDMI 2.0を1系統備え、4Kディスプレイ×4の出力に対応。展示機でも、実際に4K液晶ディスプレイを4枚接続してデモが行なわれていた。そのほかの外部ポートは、USB 3.1 type-C×1、USB 3.1×1、USB 3.0×3、Gigabit Ethernetなどを備える。

 発売時期は2016年夏以降で、日本でも発売を計画しているという。価格は未定。

本体正面。横のアンテナは内蔵無線LAN用
側面
後方側面
上部。メッシュ部分から内部の熱を放出。下から上に空気の流れを作り、効率良く熱を放出。高負荷時でも静音性に優れる
通常のBRIXとの比較。高さが220mmあるため、かなり大きく感じるが、設置面積はわずかに小さくなっている
DisplayPort×3、HDMI 2.0×1と4系統の映像出力を備える
4Kディスプレイ×4出力にも対応している
USB 3.1 Type-Cなど、ポート類も豊富
スペック詳細

GB-XD7B0

GIGABYTE PCブランドのゲーミングPCベアボーン、GB-XD7B0。デスクトップPC向けCPUやフルサイズビデオカードを搭載できる

 「GB-XD7B0」は、「GIGABYTE PC」という新たなブランドのゲーミングPCベアボーン。ブランドや型番は付けられているものの、展示機はプロトタイプとのことで、今回サプライズ的に急遽展示が決まったという。内部の仕様はBRIXシリーズと共通な部分も多いため、今回はBRIXシリーズの新たなモデルとして展示を行なっている。

 最大の特徴は、128×384×276mm(同)という容量10リットルほどの小型筐体に、デスクトップ向けの第6世代Coreプロセッサを搭載するとともに、PCI Express x16スロットを備え、フルサイズのビデオカードを搭載できるという点にある。展示機では、CPUにCore i7-6700K、ビデオカードにGeForce GTX 970搭載の「GV-N970WF3OC-4GD」をそれぞれ搭載していた。また、GB-XD7B0は基本的にはベアボーンという位置付けで、ビデオカードは自由に搭載可能だそうで、メーカーを問わず任意のビデオカードを選択できるという。

 ケースは楕円形の筒状で、上部に鮮やかなイルミネーションを施すなど、かなり奇抜なものとなっている。そして、こちらも底面から給気して上部から排気する空気の流れが作られており、効率的な排熱が可能になっているとのこと。ケース上部はトビラが開くような構造となっており、内部の温度が70度を超えると自動的にトビラが開いて放熱能力が高められるという。

 プロトタイプではあるが、比較的細かな仕様も公開されている。内部の拡張性は、メモリスロットはDDR4-2133対応SO-DIMMスロット×2、M.2スロット×1などとなっており、ゲーミングPCということで、Gigabit EthernetにはQualcomm Atheros Killer E2400を採用するという。このほか、IEEE 802.11ac準拠無線LANやBluetooth 4.2なども搭載されるとのこと。コンパクトなゲーミングPCベアボーンとして、注目の存在となりそうだ。現時点では、発売時期および価格とも未定だ。

本体サイズは128×384×276mm(同)。BRIXシリーズのようなコンパクトさはないが、ハイエンドゲーミングPC相当のパーツを詰め込めると考えると、かなりコンパクトだ
背面。全体的にメッシュ構造を多く採用し、効率良く放熱できるように考慮されているようだ
正面下部に電源ボタンやUSB 3.0ポートなどを備えている
底面には、搭載ビデオカードのコネクタ部分が見える。こちらから外気を吸気
内部の熱は上部から外に放出。鮮やかなイルミネーションも施されている
内部温度が70度を超えると、上部のフタが自動的に開くという
スペック詳細

GB-BPCE-3350C

次世代Pentium/Celeronを搭載するという「GB-BPCE-3350C」

 通常のBRIXシリーズ新モデルとして展示されていたのが、「GB-BPCE-3350C」だ。本体サイズは107.6×114.4×56.1mm(幅×奥行き×高さ)と、通常のBRIXとほぼ同等サイズのケースを採用。見た目もお馴染みのBRIXシリーズそのものとなっている。

 特徴は、搭載CPUとしてIntelの次世代PetiumまたはCeleronを採用という部分だが、現時点で未発表のCPUということもあり、細かな情報は伏せられていた。ただ、ある程度の仕様は公表されており、メモリスロットはDDR3L-1866対応SO-DIMMスロット×1、2.5インチシャドウベイ×1、IEEE 802.11ac準拠無線LANやBluetooth 4.2対応といった特徴は公表されていた。おそらく、現在販売されているCeleron搭載BRIXシリーズの後継モデルとして位置付けられるものと考えられる。現時点では発売時期および価格とも未定。

本体上部。フットプリントは107.6×114.4mm(幅×奥行き)
正面。高さは56.1mm。内部に2.5インチシャドウベイを備える
左側面
後部側面。USB 3.0×2やGigabit Ethernetポート、HDMI出力などがある
右側面。こちらにはオーディオジャックやUSB 3.0×2、アナログRGB出力などがある
スペック詳細