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「この音は!……リンゴ食べてる音だぜ」。食べた音から食べたものを判定するネックレス

~消費カロリーではなく、摂取カロリーを計測可能に

 ニューショー区州立大学バッファロー校のコンピュータサイエンティストであるXenyao Xu氏によると、例えば人参とリンゴは、味だけでなく、咀嚼し、飲み込む時に発生する音が異なる。氏はさまざまな食物が発する独自の音のカタログを作成しており、これを「AutoDietary」と呼ばれるネックレス型デバイスと組み合わせることで、人が何を食べたかを自動的に判定し、食事療法やダイエットに役立てようとしている。

 AutoDietaryには、小型の高性能マイクが搭載されており、ものを食べた時の音を拾う。そのデータは、Bluetooth経由でスマートフォンに送信され、スマートフォン側でカタログを参照し、何を食べたかを検出する。ウェアラブルデバイスで、ランニングなどによる消費カロリーを計測するものは多くあるが、AutoDietaryは摂取カロリーを計測できる。

 これまでの実験で、リンゴ、人参、ポテトチップス、クッキー、ピーナッツ、クルミ、そして水を摂取し、85%の確率で判定できたという。

AutoDietary
このように何を食べたかを含む、食事の状況をスマートフォンで確認できる

 ただし、容易に想像できるように、この装置では、例えば、砂糖の付いたコーンフレークと、付いていないコーンフレークの区別は付かないし、スープなどいろいろなものが混ざった食品の判定もできないし、水とコーヒーの違いも分からないだろう。

 この点についてXu氏は、血糖値などを測定する別のデバイスとAutoDietaryを組み合わせることで、健康的な食事をサポートするデバイスの開発に取り組んでいる。

(若杉 紀彦)