ニュース
「Surface 3」発表会レポート
~「ARM搭載Windows RTの後継は予定していない」
(2015/5/20 06:00)
日本マイクロソフト株式会社は19日、10.8型2-in-1「Surface 3」の発表会を開催した。
既報の通り、個人向けはLTEモデルのみという大胆な製品構成で、ソフトバンクモバイルのY!mobileとの協業により販売される。上位モデルは、Atom x7-Z8700(1.6GHzクアッドコア)、メモリ4GB、ストレージ128GB、1,920×1,280ドット表示対応10.8型液晶、Windows 8.1 Update(64bit)、Office Home & BusinessプラスOffice 365サービスを搭載し、税別参考価格は91,800円。下位モデルはメモリ2GB、ストレージ64GBへ変更し、81,800円。月額プランの料金は、7GB/月までの通信で3,696円。
インターフェイスは、LTE、IEEE 802.11ac/a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、USB 3.0、Micro USB(データ通信/充電両対応)、Mini DisplayPort、microSDカードスロット、Nano SIMカードスロット、音声出力、800万画素背面カメラ、350万画素前面カメラなどを装備。センサー類は、光センサー、近接センサー、加速度計、ジャイロスコープ、磁気センサー、電子コンパス、GPS、Assisted GPS、GLONASSを装備する。
本体サイズは約267×187×8.7mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約641g。
5月20日より予約を開始し、発売は6月19日。
なお、Type CoverとSurfaceペンは別売で、税別参考価格はそれぞれ15,680円、5,980円。ドッキングステーションも23,680円で用意される。
自社の発表会に先立って開催されたY!mobileでの発表会にも登場し、Surface 3を初披露した日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏は発表会の場で、両社の戦略的パートナーシップの下、この製品を展開していくと挨拶。また、Surface 3は、iOSであれAndroidであれ、他社のエコシステムすらテコにして独自のエコシステムを築き、個人から企業まで、ユーザーに利便性を届けるという、Microsoft全体の方針変更を象徴する製品でもあると述べた。
Microsoft米国本社でSurface事業を統括するブライアン・ホール氏は、新製品の特徴を紹介。Surface 3は、Surfaceシリーズとして、最薄/最軽量を実現。Atomを採用することなどで、低価格化を図りつつも、フルWindowsを搭載し、従来のデスクトップソフトウェアも動作する。
個人向けがLTEモデルのみとなった理由についてホール氏は、日本はLTEのカバー率が非常に高いため、モビリティの高いSurface 3をモバイルブロードバンド環境でより良く利用できるためと話した。実際、LTEモデルが発売されるのは日本が世界初となるほか、今後展開予定の欧州は法人向けモデルのみで、これだけ大規模にLTEモデルを展開するのは、当初は日本のみとなる。
一方、これまでSurfaceシリーズの下位モデルの位置付けは、ARMプロセッサとWindows RTを搭載するSurface RTシリーズが受け持っていたが、今回のSurface 3で、フルWindows+IAアーキテクチャで良好な製品が作れることが分かり、Surface RTシリーズの後継機種は今後投入しない予定であることが明らかにされた。なお、現行のWindows RTはWindows 10へのアップグレードも予定されていない。