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大日本印刷、ピラミッドなどの内部を透視できる3D映像システム

~「エジプトと古代文明展」で実証実験

9月13日 発表

 大日本印刷株式会社は13日、立体物の内部を透視しているような体験ができる3D映像システムを開発し、9月14日より実証実験を行なうことを発表した。

 これは、3Dプロジェクタと3Dメガネ、Kinectのような距離画像センサーを組み合わせたもの。プロジェクションマッピングを用いて立体物の表面に内部の映像を投影し、3Dメガネをかけた人はリアリティのある映像を見ることができる。また、距離深度センサーにより、指で指し示した箇所のみに投影する。

 近年、博物館や美術館などで、AR(拡張現実)やMR(複合現実)を用いて、展示物の理解を深めるシステムの導入が進んでおり、例えば、ダイオウイカの標本が展示された国立科学博物館の特別展「深海」で、スマートフォン向けのARアプリが提供されたことが話題になった。

 しかし、大日本印刷は2次元表現では内部構造が特徴的な展示物には不十分であるとし、立体的に表現して、文字や付加情報の一体感を高められるシステムとして開発を進めたとしている。

 このシステムは、9月14日~11月24日に青森市の青森県立美術館で開催される「吉村作治のエジプトと古代文明展~太陽の船と七大文明~」で実証実験を行なう。100分の1サイズのピラミッド模型が置かれ、大回廊や通路、王の間や重力軽減の間など、各部屋の大きさ、配置などを把握できるという。

 大日本印刷では、こうした実証実験を通して有用性や課題を見極め、2014年に実用化したいとしている。

実証実験されるピラミッド透視体験システムの仕組み

(多和田 新也)