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サイバーリンク、マルチカメラ編集などの新機能を搭載した「PowerDirector 12」

~64bitの写真編集ソフト「PhotoDirector 5」なども

PowerDirector Suite 2
9月6日より順次発売

価格:26,980円(PowerDirector Suite 2)

 サイバーリンク株式会社は6日、ビデオ編集ソフト「PowerDirector」シリーズの最新版「PowerDirector 12」と、写真編集ソフト「PhotoDirector 5」を発表した。ダウンロード版は同日より販売開始し、パッケージ版は10月4日に発売する。

 PowerDirector 12はSKUにもよるが、主に4つのアプリケーションから構成され、それぞれシームレスに連携することを特徴としている。

PowerDirector 12の概要

 メインとなる動画編集ツールの「PowerDirector 12」は、新たに「マルチカム編集」、「テーマデザイナー」、「モーションブラー」などの新機能を追加。なお、Deluxe版ではテーマデザイナーのみ使用可能で、そのほかの新機能は利用できない。

 「マルチカム編集」は、最大4台のビデオカメラの映像をソースとして、スイッチ/シーン切り替えを行なえる機能で、音声のつなぎ目などを解析して自動的に同期を取ることができる。4台のマルチカメラ編集機能は、1万円台のビデオ編集ソフトウェアとしては世界唯一としている。

 「テーマデザイナー」は、用意された30種類以上のテンプレートに、任意の画像、動画をはめ込んでいくだけで、フォトムービーを簡単に作成できる機能。オープニング、クロージング、メインの動画部分などに分けて個別にテーマを指定することもできるほか、テンプレートを一部を拡大して効果的な演出を施す、といったことも可能だ。

 「モーションブラー」機能は、動画にピクチャー・イン・ピクチャーで動きのある写真などをオーバーレイさせたときなどに発生する不自然さを解消するため、ブラー(ブレ)の効果を付与するもの。これはテキストにも適用できる。

マルチカム編集は最大4台のストリームをソースとして動画編集が可能。音声解析などによる同期機能も備える
30種類以上用意されたテンプレートに、画像や動画をドラック&ドロップするだけでフォトムービーを作成できる「テーマデザイナー」
動きのあるピクチャー・イン・ピクチャー素材にブレの効果を追加する「モーションブラー」機能

 また、動画の一部分を拡大して埋め込む「拡大鏡」、逆光時の効果を出す「レンズフレア」、画面の下半分に水面が反射した効果を出す「ウォーターリフレクション」、被写界深度を浅くしてミニチュア効果を出す「ティルトシフト」の各エフェクトを追加している。

 ポストプロセスでは、64bit Windowsにネイティブ対応(Deluxe除く)。ビデオ処理エンジンのTrueVelocityエンジンがアップデートされ、OpenCLなどのGPUを用いたエンコード処理が行なえるほか、IntelのAVX 2にも対応。最大で従来比3倍のエンコード速度を発揮するという。

 デュアルディスプレイにも最適化しており、1枚目のディスプレイにタイムライン、2枚目のディスプレイにフル画面でプレビューを出しておく、といった作業が可能になった。

 このほか、上位のSKUでは、個別に購入すると400ドル以上になるコンテンツパックをバンドルしている。

新しく追加されたエフェクト
Intel AVX 2への対応などエンコード処理も大幅に高速化した
タイムライン編集画面とプレビュー画面を分けるなどデュアルディスプレイ機能を強化
総額400ドル以上の価格となるコンテンツパックをバンドル(上位SKUのみ)

 カラー調整ソフトの「ColorDirector 2」は、新たに64bit Windowsにネイティブ対応。特徴である、指定したエリアのエッジを検出して動画内の特定範囲に色補正を加える「モーショントラッキング」機能は従来バージョンを継承する。

 新バージョンでは主に色補正機能を強化。1つの動画からHDRの効果を出せる「ドラマチックHDRエフェクト」や、色温度の高い朝の雰囲気へ変更できるプリセットなど、シンプルな操作で大胆なカラー変更を行なえるようになった。

ColorDirector 2の概要
専用のメニューを用意し、簡単にHDR風の効果へ補正できる
カラー調整では多数のプリセットが用意されており、映像の雰囲気を簡単に変えられる

 オーディオ編集ソフトの「AudioDirector 4」は、サラウンドサウンドにおける音声の“パン”をビジュアル的な操作で設定できる「サラウンドサウンドパナー」機能や、音声を視覚化して修復が行なえる機能などを追加した。

 後者は、例えば映像のバックグラウンドに緊急車両のサイレンなどの“異音”が混じってしまった場合に、音声を解析してサイレンの音だけを視覚化。その音だけを削除することなどができる機能だ。

【17時記事修正】初出時、AudioDirector 4を64bitネイティブ対応と記載しておりましたが、メーカー発表の情報が修正されましたので記事中からも削除しました。AudioDirector 4はWOW64モードでの動作となります。

AudioDirector 4の概要
音声のパン方向などをGUIで設定できる「サラウンドサウンドパナー」機能
音声の周波数を解析して視覚化する機能。例としては結婚式の映像に入り込んだ救急車のサイレンだけを抽出(右画像の白い部分)して、取り除く作業をしている

 写真編集ソフトの「PhotoDirector 5」は、他ソフト同様に64bit OSにネイティブ対応したほか、「ブラケットHDR」機能や、「オートレンズコレクション」機能などを追加。また、4Kのフォトムービーを作成することもできるようになった。

 ブラケットHDR機能は、露出を変えた複数枚の画像を用いるものだが、映り込んだ人や、時間をおいて撮影した画像の影がHDR合成時に不自然に残ることがないよう、これらを削除できる「ゴーストアーチファクトの削除」機能を搭載している。

 オートレンズコレクション機能は、レンズごとに撮影画像を自動補正する機能で、レンズの湾曲収差だけでなく、色収差も補正できることを特徴として挙げている。また、レンズごとのプロファイルは同社のオンラインサービスから適宜入手できる。

PhotoDirector 5の概要
映り込んだ人や影のズレを合成後の画像から削除できる「ゴーストアーチファクトの削除」機能を備えるHDR合成機能
レンズの湾曲収差、色収差を補正できるオートレンズコレクション機能

 SKUと価格は下記の通り。Deluxeを除く各SKUでは、タッチ機能に最適化された「PowerDirector Mobile for Windows 8」をダウンロードして使えるほか、PhotoDirector 5には「PhotoDirector Mobile for Windows 8」を利用できる。

 単体製品については、ColorDirector 2とAudioDirector 4はダウンロード版のみ提供する。PhotoDirector 5は、2つのSKUが用意され、上位エディションにはColorDirector 2を同梱。下位SKUはパッケージ版も発売する。

 なお、各特別優待版およびアカデミック版はパッケージ版のみの提供となる。

各SKUの位置付け
PowerDirector Mobile for Windows 8の概要
PhotoDirector 5には「PhotoDirector Mobile for Windows 8
PowerDirector 12のSKU

PowerDirector Suite 2PowerDirector 12 Ultimate SuitePowerDirector 12 UltimatePowerDirector 12 UltraPowerDirector 12 Deluxe
価格26,980円19,980円
14,980円(特別優待版)
11,980円(アカデミック版)
15,980円14,980円
16,980円(ガイドブック付き)
9,980円(特別優待版)
7,980円(アカデミック版)
9,980円
提供方法ダウンロード、パッケージダウンロード、パッケージダウンロードのみダウンロード、パッケージダウンロードのみ
PowerDirector 12○(Ultimate相当)○(Ultimate相当)○(Ultimate相当)○(Ultra相当)○(Deluxe相当)
ColorDirector 2
AudioDirector 4
PhotoDirector 5
PowerDirector Mobile for Windows 8
コンテンツパック△(一部のみ)△(一部のみ)
単体製品

ColorDirector 2AudioDirector 4PhotoDirector 5 SuitePhotoDirector 5 Ultra
価格11,980円11,980円15,800円9,980円
6,980円(特別優待版)
5,980円(アカデミック版)
提供方法ダウンロードのみダウンロードのみダウンロードのみダウンロード、パッケージ

(多和田 新也)