ニュース
スリーディー・システムズ、Kinectを使った3Dプリンタ用データ制作などをデモ
~新オフィスとショールームを披露
(2013/8/9 00:00)
3Dプリンタを手がける株式会社スリーディー・システムズ・ジャパンは、国内の本社を東京・恵比寿へ移転し、ショールームを開設。8月8日に報道機関、代理店などの関係者へお披露目した。
米3D Systemsバイスプレジデント プロダクションシステムジェネラルマネージャー兼スリーディー・システムズ・ジャパン代表取締役のケビン・マカレー氏は「工業用製品だけを展開していた5年前と異なり、ホームプリンタからソフトウェアまで広範な製品を扱うようになり、ソフトウェアソリューションなども手がけている」と述べ、同社が持つ技術や近年の取り組みについて説明した。
現在1,200の特許に基づいた7種類のプリントエンジンを用い、家庭用のものから工業用のものまで幅広く製品を展開。扱える素材は100種類以上。3Dプリンタのハードウェアだけでなく、3Dコンテンツを制作するツール、制作したものの検証ツール、eコマースでの3Dプリンティングサービスなども展開しているという。
導入例も増加しており、「世界の製造業のほとんどは顧客になっていると思う」とマカレー氏が述べるほど。自動車、航空/防衛、ヘルスケア、CAD/建築、教育、アート/エンターテインメント、コンシューマと幅広い業界で活用されている。
また、7月には金属の3Dプリンティングに対応した「Phoenix Systems」を発表。スチール、チタン、アルミニウム、ニッケルなどを利用できる3Dプリンタで、飛行機の翼のキャスティングコア(溶解した金属を流し込んで製造する際の型)の製造、歯の詰め物、自動車用タイヤのトレッドパターンの設計などで活用されるという。
今回の内覧会ではゲストとして、芝浦工業大学 デザイン工学部 デザイン工学科 生産システムデザイン分野の安齋正博教授、東京大学生産技術研究所 機械・生体系部門の新野俊樹教授もスピーチ。
安齋氏は「3Dプリンタには良いところ、悪いところがある。良いところはどんな形でも具現化できるのが一番のメリット。例えばタイヤは削り出しだと5軸の加工が必要だが3Dプリンタなら簡単にできる。問題は材料だが、100種類以上となってきて、かなり良くなってきたと思っている」と述べる。また3Dプリンタは大量生産とは棲み分けられ、オーダーメイドのように個人に合わせたもの作りなどで日本独自のアイデアを生み出すツールとして使えるとし、「多くの人が取り組めば世界での売れ筋を作れる可能性が高まる。まずます3Dプリンタには期待している」と、独自のアイデアによるビジネス創出に期待を寄せた。
新野氏は「3Dプリンタが流行っている理由は2つ。1つはオバマ大統領のスピーチに関するホワイトハウスからの発表に3Dプリンタという言葉があったこと。もう1つは3Dプリンタができはじめたのが20数年前で、ちょうど基本特許が切れ始めたことから低価格な製品が出てきたこと」と説明。また、「何ができるの?とよく質問されるが、今まで作れなかったものが作れると答える。どんなものが作れるの?と聞かれたら、今まで作ったことのないものを作れば良いと答える。大事なのはどう応用するかで、誰も思いつかなかったもの作ってビジネスを作るという方向で進んでほしい」と、安齋氏と同様に、新しいアイデアによるビジネスに期待を寄せている。
3Dコンテンツ制作に関するソリューション
このほか、3Dコンテンツの制作に関する同社のソリューション「Geomagic」についての説明も行なわれた。Geomagicは、同社が買収などにより取得したテクノロジ、アプリケーションを1つに集約してブランディングしたもので、CADソフトや検証ツール、リバースエンジニアリングのツールなどが用意される。これにより、製造現場における物作りの環境を改善、革新していくことを狙っている。
Geomagic Solutions事業部長の並木隆生氏は、「7つのプリントエンジン、100の素材があっても、ソフトウェアがなければただの箱。コンテンツを作って3Dプリンタに繋げていく」と述べており、3D CADという難しいものを、もっと簡単で身近なものにしようと、ソフトウェア面にも力を入れていることを強調している。
内覧会では、3Dスキャナを使って実際のマテリアルを取り込む例のほか、MicrosoftのKinectを使って顔をスキャンし、「Craytools」と呼ばれる3次元操作が可能なポインティングデバイスで編集し、家庭用3Dプリンタで出力する例も示された。
Craytoolsは“触感型”デバイスとなっており、3D CAD上でポインタがオブジェクトに触ったことをフィードバックするので、例えば顔の凹凸に合わせてペンを動かすことなどができる。