富士通と日本マイクロソフト、シニアのPC活用拡大を目指したセミナーを開催
~Skype、Amazonなどに興味津々、実践している活用法も

らくらくパソコン、らくらくホン

4月16日 開催



 富士通株式会社と日本マイクロソフト株式会社は16日、「らくらくパソコン」の利用者を集めたシニア向けPC活用セミナーを開催した。

 両社は2011年5月のらくらくパソコン発表時、シニア層のICT活用を推進するために、共同でマーケティング活動をすることを発表しており、今回のセミナーもその一環となる。

富士通株式会社 ユビキタスビジネス戦略本部 プロモーション統括部 パーソナルプロモーション部長 秋山岳久 氏日本マイクロソフト株式会社 技術統括室 アクティブシニアプログラム担当 大島友子 氏

 富士通では今回のセミナーの狙いを、「らくらくパソコン利用者の皆さんの使い方を発表してもらうことで、アンケートではわからない生の声を聞く機会を設けたかった。ダイレクトな声を聞くことで、今後の製品開発やサポートなどのサービスに生かしたい」(富士通株式会社 ユビキタスビジネス戦略本部 プロモーション統括部 パーソナルプロモーション部長・秋山岳久氏)と話す。

 日本マイクロソフトでも、「複数のユーザーの皆さんに集まってもらってどんな使い方をしているのかを発表してもらう機会を設けることで、他の人はこんな使い方をしているのか? と知る機会ともなる。さらに、こちら側からも情報を提供することで、自分では使っていなかったサービスや機能を知ってもらう機会になれば」(日本マイクロソフト株式会社 技術統括室 アクティブシニアプログラム担当・大島友子氏)とシニアユーザーとの接点とすることを目的としている。

 セミナー前半はSkypeを活用したコミュニケーション、Amazonを利用したインターネットショッピングの利用方法、キヤノンのフォトブックサービス「PHOTOPRESSO」の活用法を紹介。後半はセミナー参加者自身の自分のらくらくパソコンの利活用法が紹介された。

 Skypeについては、参加者の中にはすでに使いこなしている人も居たが、「全く使ったことがない」という人も多い中、紹介がスタート。現在はMicrosoftのサービスになっていることや、国際電話の総通話割合の25%をSkypeが占めるまでになっていることなどが説明されると参加者は興味津々となった。さらに、Skypeユーザー同士のコミュニケーションは無料であることが説明されると「おお!」といった声もあがった。

 しかし、日本マイクロソフト株式会社 スカイプディビジョン プロダクトマーケティングマネージャーの川北篤史氏が、「それでは参加者の皆さんの中で数人の方に、試してもらいましょう」と話すと、該当する参加者は途端に不安そう。「日頃はメールやインターネットを見ること程度にしか利用していないので……」ということだったが、スタッフのサポートのもと、無事にログインすると嬉しそうな表情に変わった。

 女性からは、「自分の顔を見ながら話をするのは、ちょっとイヤ」という声もあがったが、無事にログインが済んで画面に搭載のWebカメラで捉えた自分の顔が映し出されると「出た!」という喜びの声もあがった。

日本マイクロソフト株式会社 スカイプディビジョン プロダクトマーケティングマネージャー 川北篤史 氏Skypeで利用できる無料サービス有料サービスの代表的なものの1つグループビデオ通話
有料サービスの1つの固定・携帯電話に発信するSkype OutSkypeの月額プランを使った場合の料金比較Skypeクレジットの購入方法
マルチプラットフォームで組み合わせも自由ログインは見事に成功画面の共有も体験

 インターネットショッピングについては、Amazonを使って、欲しい商品を見つけ出す方法や決済方法として、クレジットカード利用が怖い場合は代金引換やコンビニエンスストアも支払いができることが説明された。

 さらに、「水やお米、ペットのトイレ砂のように買って持ち帰るのは重い商品の購入には便利では?」といった使い方が提案されると、興味を持った参加者が多いようだった。

 手に取らずに商品を購入する際の注意点として、Amazonの場合は先行する利用者による評価を参考にすると良いことも紹介された。

Amazon利用の流れ欲しい商品「水」を検索欲しい商品の評価を確認
商品購入のために本人確認支払い方法の確認注文の確定
注文後の確認メールが届く模擬的にではあるが、セミナー中にAmazonで商品を検索し、注文してみる

キヤノンマーケティングジャパン株式会社 PPS企画本部 プロダクションシステム商品企画部 プロダクションシステム企画第三課 上野一郎 氏

 キヤノンマーケティングジャパンからは、「デジタルカメラで撮影する機会は増えているものの、それをそのままプリントしないで持っているケースも多くないですか? そういう方にこういうサービスがあることを知って欲しい」(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 PPS企画本部 プロダクションシステム商品企画部 プロダクションシステム企画第三課・上野一郎氏)と、フォトブック作成サービス「PHOTOPRESSO」が紹介された。

 説明を行なった上野氏自身が、子供が誕生した際にPHOTOPRESSOを使ってフォトブックを作成。「テキストも書き込めるので、子供誕生までを写真とテキストで紹介する内容にしたところ、親からは非常に評判が良い」と実体験を交えた説明が行なわれた。

 参加者自身がPHOTOPRESSOのサイトに行くと、らくらくパソコンはタッチパネルになっているので、指で画面を操作してページをめくることができるなどを体験。「これまでこういうサービスがあることは知らなかったが、これまではプリントして配布していた写真をこの方式で提供するのも良いかも」と、参加者からは試してみたいという声もあった。

上野氏が実際にPHOTOPRESSOを使って作成したフォトブック参加者もPHOTOPRESSOを体験らくらくパソコンのタッチパネルを使ってフォトブックのページをめくる


 後半は参加者自身のらくらくパソコンの使い方が紹介された。内容はバラエティに富んでいて、オークションを利用し、安価に趣味のちぎり絵関連の書籍を購入している人や、インターネットショッピングを積極的に活用している人、音楽ダウンロード販売サイトでデモで曲を聞き比べるのに活用している人、Skypeを利用して子供とのコミュニケーションをしている人、ペットの写真をデジタルカメラで撮影してプリントアウトして楽しんでいる人、Excelを利用してボウリングのスコアをつけている人など千差万別。

 使い方にまつわるエピソードもバラエティに富んでいて、インターネットオークションで持っていた服を販売し、その際に手紙をつけて送付したところ、購入者との間にコミュニケーションが始まったというケースや、海外赴任中の息子とのコミュニケーションにSkypeを利用したところ、その便利さを聞いた息子の嫁の実家でもSkype導入が決まったという体験談も登場した。

後半は参加者が自らのパソコン体験を発表

 富士通の秋山部長は、「パソコンの使い方が、本当に多岐にわたっているのがシニアユーザーの特徴。20代、30代の方が、使い方が意外に決まり切ったものとなっているケースが多い。パソコンを楽しく使うという点で、シニア層の声は大変参考になる」と話した。

(2012年 4月 17日)

[Reported by 三浦 優子]