2010年のクライアントPC市場は17.9%増の1,578万台、IDC調べ
~第4四半期は富士通が奪首、HPが44.5%増

2月15日 発表



 IDC Japan株式会社は15日、2010年の第4四半期と通期の国内クライアントPC市場実績値を発表した。これによると、2010年の出荷台数は前年比17.9%増の1,578万台で過去最高となった。

 市場別では、個人向けが前年比10.8%増の738万台、企業向けが24.9%増の840万台。スクールニューディール政策による特需で、NEC、富士通、東芝が大きく出荷を伸ばした。

 2010年のシェアは、1位がNEC、2位が富士通、3位は東芝、4位はデル、5位は日本ヒューレット・パッカード。東芝がデルを逆転した。以下、6位レノボ・ジャパン、7位ソニー、8位日本エイサー、9位アップル、10位パナソニックと続く。特にレノボは、販売戦略の強化で前年比62.3%増という高い成長率を記録した。

2010年 国内PC市場ベンダー別出荷台数(単位:千台)
Source: IDC Japan, 2/2011

 第4四半期(10月~12月期)の出荷台数は前年同期比11.7%増の387万台。個人向けが188万台(4.2%増)、企業向けが199万台(19.9%増)だった。

 メーカーシェアは富士通がNECを逆転して1位。個人向けの秋冬モデル、企業向けだけでなく、官公庁向けの出荷も好調だったという。2位は大企業向けが好調だったNEC、3位は液晶一体型を強化して個人向けを大幅に伸ばした東芝が入った。4位の日本HPは中小企業のWindows XP駆け込み需要に加え、大企業の需要も獲得。前年同期比44.5%増を達成した。

2010年第4四半期 国内クライアントPC出荷台数トップ5ベンダーシェア、対前年成長率(実績値)
Source: IDC Japan, 2/2011

 IDC Japanの2011年の見通しは、後半に企業のPC買い換えが一巡して低迷期に入ると予測。個人向けはPC関連の大きなイベントがなく低迷する可能性があるため、2011年7月のアナログ停波に向けて、デジタルTV内蔵PCをいかに訴求できるかが鍵になるとしている。2011年第1四半期については、Intelのチップセット不具合で大きな影響が及ぶことを懸念し、下方修正を行なう予定。

(2011年 2月 16日)

[Reported by 山田 幸治]