東芝、シンガポールのPC用ディスプレイ生産拠点を台湾AUOに譲渡

3月31日 発表



 東芝モバイルディスプレイ株式会社は3月31日、シンガポールの100%子会社AFPDの全株式を台湾AU Optronics(AUO)に譲渡する基本合意書を締結したと発表した。4月末を目処に正式合意する予定。

 シンガポールのAFPDは、低温ポリシリコン液晶ディスプレイの生産技術を持ち、モバイルノートPCの上位機種向け液晶ディスプレイを中心に生産。しかし、需要の伸長、利益の確保が難しい状況だという。

 東芝モバイルディスプレイは、国内に拠点を集約し、携帯電話、スマートフォンをはじめとしたモバイル機器、カーナビなどの車載用途の液晶ディスプレイ事業に経営資源を集中させる。これにより、継続的に利益を出せる事業体制への改革を進めるとする。

 台湾AUOは、大型TFT液晶パネルで世界2位のメーカー。1.5型の小さな製品から、46型以上の幅広いパネルを製造できる。2006年には台湾のQuanta Displayと合併し、規模を拡大している。AUO側は、新たな設備投資が抑えられ、短期間で生産設備が確保できることから、今回の合意に至った。

(2010年 4月 1日)

[Reported by 山田 幸治]