日本ギガバイト株式会社は、USB 3.0とSATA 3.0を備え、USBバスパワーを3倍に高めたIntel P55 Express搭載マザーボード「P55A」シリーズ5モデルを11月13日に発売する。価格はすべてオープンプライス。
最高5Gbpsの転送に対応したNEC製USB 3.0ホストコントローラ「μPD720200」、最高6Gbpsの転送に対応したMarvell製のSATAリビジョン3.0ホストコントローラ「88SE9128」をオンボードで搭載し、次世代高速ストレージへ対応した。
新製品の3つの特徴 | USB 3.0のサポート | SATA 3.0のサポート |
搭載されているUSB 3.0ホストコントローラ「μPD720200」 | 搭載されているSATA 3.0対応ポート |
また、USBには独自の電源回路を採用し、規格の3倍の電力出力を実現。USB 2.0では1,500mA、USB 3.0では2,700mAの電力供給ができ、バスパワー駆動デバイスの安定性を高めたという。
USB 2.0/3.0ともに規格の3倍の電力供給が可能 | 従来2ポート必要だった外付けストレージなども、1ポートで駆動できる |
同社ではUSB 3.0、SATA 3.0、そして3倍のUSBバスパワーという3つの「3」をとって、「333」シリーズと名付けている。
共通仕様として、対応ソケットはLGA1156、CPUはCore i7/i5、対応メモリはDDR3-2200(オーバークロック)/1333/1066/800、最大容量は16GB。また、独自の品質規格「Ultra Durable 3」、省電力技術「Dynamic Energy Saver 2」、2系統のBIOS「Smart DualBIOS」などに対応する。フォームファクタはATX。
最上位の「GA-P55A-UD6」の店頭予想価格は34,000円前後の見込み。拡張スロットは、PCI Express x16×3(4レーン~16レーン動作)、同x1×2、PCI×2。ストレージインターフェイスはSATA(3Gbps)×10、SATA(6Gbps)×2、PATA。バックパネルインターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0×8(うち4基はeSATA兼用)、IEEE 1394×2、Gigabit Ethernet×2、PS/2、音声入出力などを備える。
機能面の特徴は、24フェーズVRMや6基のメモリスロット(うち4基はシングルサイドのメモリであれば4枚装着可能、ダブルサイドでは2枚まで)の装備、ATI CrossFireX/NVIDIA SLIの対応、POST表示対応7セグメントLED、オンボード電源ボタン、セキュリティチップの搭載などが挙げられる。
GA-P55A-UD6 | UD6の主な特徴 | UD6のバックパネルI/O |
「GA-P55A-UD5」は、UD6からVRMを12フェーズ、メモリスロットを4基に減らし、7セグメントLEDを省略したモデル。店頭予想価格は31,000円前後の見込み。
「GA-P55A-UD4」は、UD5から拡張スロットのPCI Express x16(4レーン)をPCI Express x1、Gigabit Ethernetを1基に変更し、TPMセキュリティチップを省いたモデル。店頭予想価格は25,000円前後の見込み。
「GA-P55A-UD3R」は、UD4からIEEE 1394やNVIDIA SLIの対応を省き、PCI Express x1スロット1基をPCIに変更したモデル。店頭予想価格は21,000円前後の見込み。
最下位の「GA-P55A-UD3」は、UD3RからさらにVRMを6フェーズに減らし低価格化を図った。店頭予想価格は19,000円前後の見込み。
GA-P55A-UD5 | GA-P55A-UD3R | GA-P55A-UD3 |
●Windows 7の後押しとP55の普及で販売に拍車をかける
GIGABYTE 高瀚宇(ヘンリー・コウ)氏 |
11月4日に都内で開かれた発表会では、台湾GIGABYTE Technologyより来日した副総経理の高瀚宇(ヘンリー・コウ)氏が、新製品の特徴をアピール。同氏は、「我々は2008年に独自の品質規格Ultra Durable 3を策定し、2009年に2オンスの銅レイヤーを導入するなど、業界に先駆けてマザーボードに最先端技術を投入してきた。今回の製品についても同様にUSB 3.0、SATA 3.0、そして3倍のUSBバスパワーなどを業界に先駆けて投入した。今後も技術革新をいち早く採用し、エンドユーザーに喜んでもらえる製品づくりをしていき、DIY市場を盛り上げていきたい」と語った。
BCN 道越一郎氏 |
また、ゲストとして招かれたBCN シニアアナリスト兼コンテンツリーダー 道越一郎氏が、PCパーツ市場の動向について紹介。Intel P55が10月時点で23.2%のシェアを獲得していることや、Windows 7の発売によってDIY市場に活気が戻りつつあること、ユーザーが購入するストレージの容量が大容量化していることなどを紹介し、USB 3.0やSATA 3.0などを搭載した今回の製品が、年末商戦に向けて有力な商品となることを説明した。
自作系PCパーツの売上高と台数推移。Windows 7の発売で少し回復した | Windows 7の販売本数はVistaの2.1倍あり、それに伴うパーツの販売数量も前年比で増えている |
ユーザーが購入するストレージの容量。大容量化が進んでいることから、大容量データを取り扱う機会が増え、高速なインターフェイスへのニーズが高まっている | Intel P55マザーボードのシェアとGIGABYTEマザーボードのシェア |
(2009年 11月 4日)
[Reported by 劉 尭]