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エプソン、“2年分のインク”が付属するインクタンク式A4プリンタ3機種

~交換インクは黒1,800円/カラー各色900円、1ボトルで約6,000枚印刷可能

EW-M660FT

 エプソンは、「エコタンク搭載プリンタ」シリーズ3モデルを発表した。

 エコタンク搭載プリンタは、従来のインクカートリッジではなく、充填式のインクタンクを搭載したインクジェットのラインナップで、A4カラー複合機「EW-M660FT」、A4モノクロ複合機「PX-M160T」、A4モノクロプリンタ「PX-S160T」の3モデルを2月4日より発売する。価格はオープンプライスで、税別直販価格はそれぞれ54,980円、29,980円、19,980円。

 交換用のインクも、内容量140mlの黒インクボトル「KSU-BK-L」が税別直販価格1,800円、内容量70mlの「HSM-C(シアン)/M(マゼンタ)/Y(イエロー)」各色ボトルが同900円で同日より発売される。ボトル1本でタンクが満充填され、A4カラーでは6,500ページ、A4モノクロで6,000ページの印刷が可能。

 SOHOや中小企業、教育などをターゲットとした製品。タンク式を採用したことで、A4カラー印刷で1枚あたり0.8円、A4モノクロ印刷で1枚あたり0.3円の、同社従来インクジェットプリンタ比で10分の1以下となる、大幅な印刷コスト低減を実現した。

 この低ランニングコストにより、同社のレーザープリンタと比較しても、5年間で69%のコスト節減が可能としている。

ターゲットユーザー
低ランニングコスト
コストを69%節減

 EW-M660FTの主な仕様は、解像度が4,800×1,200dpi、4色インク(染料、黒のみ顔料)、対応用紙がA4~A6、L判/2L判、KG、はがき、封筒など。トレイはA4最大150枚を給紙できる。自動両面印刷対応。スキャン解像度は最大600×600dpi。

 操作部には2.2型のカラータッチ液晶を搭載。インターフェイスはIEEE 802.11b/g/n無線LAN、Ethernet、USB 2.0を備える。

 本体サイズは515×360×241mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約7.3kg。

 PX-M160Tの主な仕様は、解像度が1,440×720dpi、単色インク(黒/顔料)、対応用紙がA4~A6、リーガル、はがき、封筒など。トレイはA4最大100枚を給紙できる。自動両面印刷対応。スキャン解像度は最大300×600dpi。

 インターフェイスはIEEE 802.11b/g/n無線LAN、Ethernet、USB 2.0を備える。

 本体サイズは435×377×226mm(同)、重量は約6.0kg。

 PX-S160Tの主な仕様は、解像度が1,440×720dpi、単色インク(黒/顔料)、対応用紙がA4~A6、リーガル、はがき、封筒など。トレイはA4最大30枚を給紙できる。自動両面印刷対応。

 インターフェイスはIEEE 802.11b/g/n無線LAN、Ethernet、USB 2.0を備える。

 本体サイズは435×267×148mm(同)、重量は約3.4kg。

PX-M160T
PX-S160T
EW-M660FTの製品概要
PX-M160T/S160Tの製品概要

 都内で開催された記者発表会には、エプソン販売株式会社代表取締役社長の佐伯直幸氏、セイコーエプソン株式会社常務取締役プリンター事業部長の久保田孝一氏、エプソン販売株式会社取締役販売推進本部長の鈴村文徳氏らが登壇。上記製品などの発表を行なった。

左からエプソン販売株式会社代表取締役社長佐伯直幸氏、セイコーエプソン株式会社常務取締役久保田孝一氏
エプソン販売株式会社取締役販売推進本部長鈴村文徳氏

【お詫びと訂正】初出時に一部の登壇者のお名前・肩書きなどに誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。

 エプソンではユーザー調査を行なった結果、「なくなって困る時に消耗品(インク)が無くなる」という消耗品切れに対する不安、「(インクの)交換が面倒で印刷を控えるようになった」といった消耗品の交換に対する手間への不満、「ランニングコストが高すぎる」といった印刷コストへの不満という、3つの不満点が明らかになったという。

 そこで従来のカートリッジ式ではなく、インクを補充するタンク式を採用することで、A4カラーで6,500ページ、A4モノクロで6,000ページ印刷可能という大容量タンクによるインク切れの心配の解消、同タンクによりA4カラー印刷を11,000ページ行なった場合で交換8回で済む手間からの解放、インクジェットプリンタ比で10分の1以下の低ランニングコストを実現したという。

 さらに、製品に交換用インクを2本付属することで、インクの追加購入なしで1万枚以上のA4印刷が可能。これは月300枚印刷した場合で、2年分に相当するという。

プリンタに対するユーザーの不満点
それら不満点を解消するエコタンク搭載プリンタ
6,000枚以上印刷可能な大容量タンクを搭載
11,000ページ印刷でも8回交換で済む
EW-M660FTのエコタンク
交換用インク
2年分のインクが付属

 なお同シリーズは、2010年よりアジアの新興国に投入されており、日本市場への投入は、西欧、北米に続いた形となる。日本や欧米への投入が後となった理由については、アジア圏の新興国では印刷コストに対し非常に強い需要があったためとした。実際、東南アジアなどではインクカートリッジ式の製品をタンク式に改造し使用しているユーザーもいたほどだという。

アジア、欧米に続く投入。販売台数は順調に増加
2014年後半に販売開始した西欧でも好調

 発表会では、「カラリオ」シリーズのインクジェットプリンタ「EP-708A」、「PX-048A」、「PF-71」の3機種も発表。

 こちらはインクカートリッジ式のプリンタで、それぞれ「EP-707A」、「PX-047A」、「PF-70」の後継にあたる。全てハードウェアの仕様は前モデルから変更はなく、新たに「オートフォトファイン!EX」、背景除去、文字くっきりモード、細線強調モードなどに対応したモデルとなる。

EP-708A
製品概要
PX-048A
製品概要
PF-71
変更点

 さらに、「Colorio V-Edition」として新たなシリーズを展開するとして、発売済みのインクジェットプリンタ「EP-10VA」の交換用インクの価格を改定し、1セット8,780円から4,740円へ値下げすると発表した。これにより、L判写真1枚あたり19.9円から12.7円へ印刷コストが低下したという。ただし、EP-10VAの本体価格は45,980円から59,980円へと値上げされる。

 なお今回は既存製品の一部価格改定という形でのラインナップ追加だが、今後はシリーズコンセプトの「低コストな大量の写真印刷需要」に応える新製品を投入していくという。

Colorio V-Edition
新たな選択肢に

 為替の影響などを受け、インクカートリッジ188製品を対象に、平均約6%の値上げを3月1日より行なうことも発表された。

インクカートリッジの価格改定

(佐藤 岳大)