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エプソン、モノクロ印刷注力モデルなどインクジェット複合機4機種
~カラリオで“プロセレクション並の印刷品質”を実現
(2015/9/1 21:16)
エプソン販売株式会社は、「カラリオ」シリーズ、「プロセレクション」シリーズより、家庭用インクジェット複合機計5製品を発表した。価格は全てオープンプライス。
都内で開催された製品発表会では、エプソン販売株式会社 代表取締役社長の佐伯直幸氏、同社取締役 販売推進本部長の鈴村文徳氏、セイコーエプソン株式会社常務取締役 プリンター事業部長の久保田孝一氏が登壇。挨拶および新製品の解説、販売戦略などについて語った。
【お詫びと訂正】初出時に久保田孝一氏が所属する社名を誤っておりました。お詫びして訂正させていただきます。
カラリオの2015年モデルとして発表されたのは「EP-10VA」、「EP-978A3」、「EP-808」、「PF-81」の4製品。
アップデートにより、彩度調整だけでなく、暗部の明度補正にも対応し、黒つぶれの補正が可能となった自動色補正機能「オートフォトファイン!EX」に全機種で対応するほか、全機種でWi-Fi Direct対応無線LANを搭載し、手持ちのデバイスで撮影した写真をプリントできるモバイルアプリ「Epson iPrint」にも対応する。
またPF-81を除く3製品は、光学メディアのレーベルデザインなどができるモバイルアプリ「Epson Creative Print」や「Epson 3Dフレーム Print」にも対応するほか、搭載のNFCにより、対応スマートフォンをタップするだけで「Epson iPrint」を起動させ、すぐに写真を印刷できるという。また10月29日提供開始予定のモバイルアプリ「スマホでカラリオ年賀2016」では、宛名面の作成にも対応し、年賀状の作成にも対応するとした。
スキャナについては、紙地の色を検出し消去する「背景除去機能」や、「細線強調モード」、文字だけを強調する「文字くっきりモード」を搭載し、テキスト印刷の品質向上もアピールした。
EP-10VA
EP-10VAはA3対応のインクジェット複合機で、カラリオと上位シリーズ「プロセレクション」の間を繋ぐ製品という位置付けの製品。10月22日発売予定で、税別直販価格は45,980円の見込み。
カラリオシリーズのフラッグシップモデルとして、従来の「シアン/マゼンタ/イエロー/ブラック/ライトシアン/ライトマゼンタ」の6色ではなく、ライト系の2色をレッドとグレーに置き換えた新6色染料インク「ClearChrome K2インク」を採用。グレーインクによりモノクロ印刷時のグレースケールの階調性と色精度が大幅に向上し、レッドインクで赤の色域だけでなく緑の色域も拡大し、全体では既存機種より10%色域が拡大したという。さらに、カラリオとして初めて、プロセレクションで採用されている色生成テクノロジー「LCCS(論理的色変換システム)」を搭載。高い階調性と色再現性で安定した画質を実現し、“プロセレクション並の印刷品質”を謳う。
これについて久保田氏は、粒状感の低減に役立つライト系インクを廃しグレーとレッドのインクを採用したが、中支えを複数にすることで用紙のたわみを低減し着弾精度を向上し、粒状感を低減したと述べた。
また本製品は特にモノクロ印刷にフォーカスしており、明るさ/コントラストと色調の調整や、サンプル印刷などが可能な「モノクロ作品印刷機能」を搭載。PCでの作業に必須となるモニタのキャリブレーションなどの作業が不要で思い通りの印刷が可能だという。
本体サイズもA3に対応しながらプロセレクションシリーズよりコンパクトで、鈴村氏は「モノクロ印刷専用機は大型かつ高価だが、見る人の想像力を掻き立てるモノクロ写真の世界を気軽に試して貰いたいという想いから本製品の投入に至った」と述べ、プロセレクションのようにプロやハイアマチュア向けではなく、写真にこだわりのある層や一般家庭までカバーする製品とした。
プリンタ部の主な仕様は、解像度が5,760×1,440dpi、インクが6色染料(独立)、インク滴が1.5pl、対応用紙がA3~A6、L判/2L判、KG、ハイビジョン、四切/六切、はがき、封筒など。トレイは背面で10枚、前面でA4最大100枚、はがき最大60枚を給紙できる。自動両面印刷対応。
スキャン解像度は最大4,800dpi×4,800dpiで、入力階調16bit、出力階調8bit。
操作部には4.3型のカラータッチ液晶を搭載。インターフェイスはIEEE 802.11b/g/n無線LAN、Ethernet、NFC、赤外線、USB 2.0、USBホスト、カードリーダ。
本体サイズは479×743×453mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約9.5kg。
EP-978A3/EP-808
EP-978A3はコンパクトな筐体が特徴のA3対応インクジェット複合機。2014年発売の「EP-977A3」の後継機種で、新たにNFCを搭載した。9月10日発売予定で、税別直販価格は35,980円の見込み。
プリンタ部の主な仕様は、解像度が5,760×1,440dpi、インクが6色染料(独立)、インク滴が1.5pl、対応用紙がA3~A6、L判/2L判、KG、ハイビジョン、四切/六切、はがき、封筒など。トレイはA4最大100枚、はがき最大60枚を給紙可能。自動両面印刷、背面からの手差し印刷(1枚、A3は手差しのみ)に対応。
スキャン解像度は最大4,800dpi×4,800dpiで、入力階調16bit、出力階調8bit。
操作部には4.3型のカラータッチ液晶を搭載。インターフェイスはIEEE 802.11b/g/n無線LAN、Ethernet、NFC、赤外線、USB 2.0、USBホスト、カードリーダ。
本体サイズは479×668×295mm(同)、重量は約8.7kg。
EP-808AはA4対応のインクジェット複合機。9月10日発売予定で、税別直販価格は30,980円の見込み。「EP-977A3」に搭載されていた「作品印刷機能」、NFCを新たに搭載したほか、前モデルからL板印刷速度が14秒から13秒に高速化された。
プリンタ部の主な仕様は、解像度が5,760×1,440dpi、インクが6色染料(独立)、インク滴が1.5pl、対応用紙がA4~A6、L判/2L判、KG、ハイビジョン、四切/六切、はがき、封筒など。トレイはA4最大100枚、はがき最大60枚を給紙可能。自動両面印刷、背面からの手差し印刷(1枚、A4は手差しのみ)に対応。
スキャン解像度は最大2,400dpi×4,800dpiで、入力階調16bit、出力階調8bit。
操作部には4.3型のカラータッチ液晶を搭載。インターフェイスはIEEE 802.11b/g/n無線LAN、Ethernet、NFC、赤外線、USB 2.0、USBホスト、カードリーダ。
本体サイズは390×598×196mm(同)、重量は約6.9kg。
PF-81
PF-81はキーボード付属の年賀状プリンタ。9月10日発売予定で、税別直販価格は54,980円の見込み。
「E-850」以来の6年ぶりとなる新製品で、9型タッチ対応液晶を搭載し、ハガキの原寸大表示が可能。仕上がりをイメージしながら簡単に年賀状を作成可能で、表示されるボタンや文字も大きめで視認性を重視。E-850のユーザーの声を反映し、年賀状をより簡単に作りたいというシニア層や、主婦層に向けた製品としている。
本体に1,000種類、付属のSDカード保存の500種類のテンプレートのほか、宛名面印刷用の日本語フォント15種類が同梱される。なお今後も別冊デザイン集としてSDカード保存のテンプレートを販売していく予定とのことで、新たな干支のほか季節の手紙などの作成にも対応できるという。
プリンタ部の主な仕様は、解像度が5,760×1,440dpi、インクが4色染料(一体)、インク滴が1.5pl、対応用紙がA5~A6、L判/2L判、KG、ハイビジョン、はがきなど。トレイはA5最大50枚、はがき最大20枚を給紙可能。
インターフェイスはIEEE 802.11b/g/n無線LAN、赤外線、USB 2.0、USBホスト、カードリーダ。
本体サイズは352×296×338mm(同、本体のみ)、重量は約2.6kg(本体のみ)。
SC-PX7VII
プロセレクションシリーズからは「SC-PX7V」の後継モデルとして、オートフォトファイン!EXに対応し、筐体を上位モデルと同じくブラックとした「SC-PX7VII」が発表。10月8日発売予定で、税別直販価格は59,980円。
主な仕様は前モデルを踏襲しており、解像度が5,760×1,440dpi、インクが8色顔料(独立)、対応用紙がA3ノビ~A6、L判/2L判、KG、ハイビジョン、四切/六切、はがき、封筒など。トレイはA4最大120枚、はがき最大50枚を給紙可能。
インターフェイスはIEEE 802.11b/g/n無線LAN、Ethernet、USB 2.0。
本体サイズは622×797×418mm(同)、重量は約12.3kg。