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Wi-Fiは使えない? 他社のSIMは違法? Surface 3 LTEの疑問あれこれ

Surface 3(キーボードカバー、ペンは別売)

 日本マイクロソフト株式会社は1日、報道関係者を対象に、一般発売を間近に控えた「Surface 3」体験会を開催した。

 報道関係者にはすでに製品発表会が行なわれ、LTEを搭載する個人向けはY!mobile(ソフトバンクモバイル)から販売されることや、製品の詳細が開示されるとともに、実機の展示やデモも用意されていたが、今回の説明会では、特にLTE周りについて、発表会では説明が省かれたり、やや曖昧だった部分の詳細が補足された。

発表会後、よく寄せられた質問

 個人向けのSurface 3について最も話題となり、かつそれによってやや誤った憶測も広がってしまったのが「LTEがY!mobile(ソフトバンクモバイル)網に最適化」されているという点だ。

 既報の通り、Surface 3の個人向けモデルは全てLTEモデルとなり、LTE/3G通信はY!mobileに最適化され、Y!mobileショップを中心に販売を行なう(Microsoftストアや量販店でも取り扱う)。対応バンドについても、LTEは1(2.1GHz)/3(1.7GHz)/8(900MHz)、3Gは1(2.1GHz)/8(900MHz)と、Y!mobileでの利用に好適なハードウェア構成となっている。

 Y!mobileに好適というのは、いくつかの意味が含まれる。まず1つ目は、屋内にも電波の届きやすい、いわゆるプラチナバンドと呼ばれる700~900MHzの周波数について、NTTドコモのバンド19、KDDIのバンド18がサポートされていない点。これによって、NTTドコモ/KDDIの回線でもSurface 3のLTEは技術的観点からは利用可能だが、対応バンドがNTTドコモは1と3、KDDIは1のみに限られるため、接続性に影響が出る。

 ただし、国内で販売されるSurface 3は、ハードウェアとしてはグローバルモデルと共通であり、海外で利用する場合は、LTEバンド7(2.6GHz)/20(800MHz)、3Gバンド2(1.9GHz)/5(850MHz)も使えるので、これらをサポートするキャリアでローミングしたり、現地のSIMを利用することも可能となる。

Surface 3の対応バンド。ハードウェアとしては海外対応周波数の欄に記載されているものに対応。その内、国内で利用できるのはY!mobileが提供する上半分のものが該当する

 2つ目として、日本マイクロソフトとしても、LTEの接続テストはY!mobile網でしか行なっていないほか、全ての検証項目を満たすための細かな対応を含めたY!mobileの相互接続性試験を通過している。

 これらの意味でSurface 3はY!mobile網に最適化されているが、SIMロックはかかっておらず、バンドは限られ、かつ自己責任での利用となるが、NTTドコモ/KDDIの回線でも、技術的にも利用できるし、合法性(技適認証取得済み)の面でも問題はない。

 なお、ここで言うY!mobile回線(SIM)とは、基本的にソフトバンクモバイル回線と置き換えても差し支えないが、2011年に吸収した旧イー・モバイルのSIMは利用できない。

 一方、Surface 3は回線契約なしで、本体のみでも購入可能で、すでにY!mobileのスマホプランで契約したSIMを持っている場合は、そのSIMをSurface 3で利用することもできる。ただし、3年間、月額3,696円で月7GBまで利用できるプラン(要2年契約)は、Surface 3購入時に回線申し込みもした場合にのみ適用される。

 あるいは、すでにY!mobileのスマートフォンなどを利用しており、そのシェアプランを適用すると、月1GBのスマホプランSでは980円で、月7GBのスマホプランLでは追加利用料なしで、親回線の容量を共有しつつSurface 3のLTEを利用できる。

【お詫びと訂正】初出時に、「月1GBのスマホプランLでは980円」としておりましたが、この部分は正しくは「月1GBのスマホプランSでは980円」となります。お詫びして訂正させていただきます。

 なお、発表当初の記事にもある通り、3日間で1GBなど、月7GBまで以外の通信容量制限は課されていない。

シェアプラン(スマホプランLの場合)を利用すると、Surface 3側は端末代金のみでLTEの利用も可能

 もう1点、一部で誤解があったのが個人向けは「LTEモデル」のみで「Wi-Fiモデル」は法人向けとなるという点だが、LTEモデルもWi-Fiモデルと同じIEEE 802.11ac/a/b/g/n無線LANを搭載するので、Wi-Fi環境でも利用できる。

 ここでは余談となるが、日本マイクロソフトでは、受付のある2階に6月30日までの期間限定でSurface 3/Pro 3の特設展示コーナーを設けており、来訪者に公開している。この展示機には特別なアプリがインストールされており、導入を検討している法人ユーザーに対して、これまで同社は認定リセラーを紹介するのみだったが、このアプリから、導入台数や利用するリセラーなどを指定すると、日本マイクロソフトからその情報をリセラーに転送し、リセラーから数日でユーザーの元に見積もりが届くようになっている。

日本マイクロソフトの特設展示コーナー。オプション類も展示されている

(若杉 紀彦)