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東芝、ワコムの新しいペン技術を搭載したWindowsタブレット
~静電容量方式ながらペン側にもコントローラを内蔵
(2014/11/19 12:00)
株式会社東芝は19日、ワコムによる新たなペン技術「アクティブ静電結合方式」を採用するWindows 8.1タブレット「dynabook Tab S」シリーズの新モデルを発表した。発売日は12月下旬。価格はオープンプライス。
10月に開催されたCEATEC JAPAN 2014で参考展示された製品で、ワコムと共同開発した「アクティブ静電結合方式」と呼ばれるペン技術を採用するのが特徴。タッチとペンの検出を静電容量による同じコントローラで制御するが、ペン側にも位置検知や筆圧情報送信のためのコントローラを装備。これにより、電磁誘導方式に近い精度や、2,048段階の筆圧検知に対応する。ワコムによれば、筆圧検知や、それを再現するアルゴリズムについては電磁誘導方式と同じものを使っているという。ペン側には単6形電池を使用する。
この技術をベースに東芝は、ペン先の認識に影響を与える電気的ノイズを除去し、省スペースに実装。手書き文字の直線性の改良や、位置精度の向上、筆圧応答精度の向上、筆跡追従性の高速化、紙とペンに近い書き心地となる摩擦の最適化を施した。摩擦の最適化のために、表面には薄さ1mmのフィルムが用いられている。
このペンを活用するためのアプリとして「TruNote」をプリインストイール。最大1,000冊/1,000ページを利用できるノートアプリで、手書き文字をOCRすることで検索などが可能。さらに手書き中にも次の文字を提案するサジェスト機能や、手書きした文字を後から修飾する機能を備える。図形などを自動整形してのOffice形式への変換も可能。
このほか、ホワイトボードや黒板を撮影してテキスト変換できる「TruCapture」や、音声解析を行なうことで話者ごとに音声を分類表示できる音声録音アプリ「TruRecorder」など、メモツールとしてタブレットを活用するアプリがプリインストールされる。
製品ラインナップは、1,280×800ドット表示/タッチ対応10.1型液晶搭載でキーボード付属の「dynabook Tab S90」(S90/NG)、同じく1,280×800ドット/タッチ対応10.1型でキーボードが付属しない「dynabook Tab S80」(S80/NG)、1,280×800ドット/タッチ対応8型液晶搭載の「dynabook Tab S68」(S68/NG)の3モデル。税別店頭予想価格はそれぞれ7万円台前半、6万円台半ば、5万円台前半。
そのほかの仕様はほぼ共通で、プロセッサにAtom Z3735F(1.33GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ2GB、ストレージ64GB、Windows 8.1 with Bing(32bit)、Office Home and Business 2013を搭載。
インターフェイスやセンサーは、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、前面120万画素/背面800万画素カメラ、microSDカードスロット、Micro USB 2.0、GPS、電子コンパス、加速度センサー、ジャイロセンサーを装備。10.1型の2モデルはMicro HDMI出力も備える。
dynabook Tab S90に付属するキーボードは87キー日本語配列で、キーピッチ17.5mm、キーストローク1.5mm。タッチパッドも備える。インターフェイスはBluetooth。重量は約440g。
10.1型モデルのバッテリ駆動時間はJEITA測定法2.0で約7時間、同1.0で約9.5時間。本体サイズは約258.8×175×9.1mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約565g。
8型モデルのバッテリ駆動時間はJEITA測定法2.0で約7.5時間、同1.0で約10.5時間。本体サイズは約132×210.7×9.6mm(同)、重量は約395g。