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Samsung、ストリーミング/3D対応の全方位カメラ「Beyond」

~ヘッドマウントディスプレイでその場の様子を眼前に再現

「Project Beyond」

 米Samsung Research Americaの先端研究チームであるThink Tank Teamは12日(現地時間)、360度の全方位を3Dで撮影/ストリーミング送信できるカメラシステム「Project Beyond」を公開した。

 Beyondは、円盤形の本体に17基のフルHDカメラを内蔵。この内16基は全方位撮影用となっており、1対ずつ45度の間隔で配置され、天板に上空用のものを1基備える。全方位用のカメラは、ちょうど人間の目の間隔と同じくらいの幅で並べられており、1つの方位に対して右目用と左目用の映像を撮影することで、立体視する際に自然な視野が得られるという。

 フルHDのカメラが17基で、1フレームあたりの総画素数は3,500万、1秒あたりだと1ギガピクセルを超えるが、新たに開発されたキャプチャエンジンは、3D処理を行ないつつ、8+1方向の映像の継ぎ目をなくし、角度を滑らかにするといった処理をリアルタイムで行なう。

 Beyondはまだプロトタイプの段階であり、製品化の目処などは一切立っていないが、データについては、Oculus VRと共同開発したヘッドマウントディスプレイシステムである「Gear VR」向けのフォーマットとなっており、同製品を使って視聴できる体制が整っている。同社では、世界の絶景や、注目のイベントなどにBeyondを持ち込み、その場の状況をリアルタイム/録画配信する予定で、これにより、Gear VRのユーザーは、自宅に居ながらにしてその場にいる疑似体験ができるようになるとしている。

円盤形の特徴的なデザイン
正面から
上から
内部構造

(若杉 紀彦)