NECパーソナルコンピュータ米沢事業場のPC生産ラインをみる
〜山形県主催の夏休み親子県産品工場見学会を実施

山形県米沢市のNECパーソナルコンピュータ米沢事業場

8月9日 開催



 NECパーソナルコンピュータ株式会社のPC生産拠点である、山形県米沢市のNECパーソナルコンピュータ米沢事業場において、「夏休み親子県産品工場見学会」が、2012年8月9日に開催された。

山形県商工観光部商業・まちづくり振興課の中野裕公主事

 これは、山形県商工観光部商業・まちづくり振興課 山形県産品愛用運動推進協議会事務局が企画したもので、「身近な県産品の製造工程を目にすることで、県産品に対する理解を深めるとともに愛着を抱いていただき、その愛用の啓発を図ること、製品の安全性をその目で確認し、県産品への安心感を得ていただくことを目的にしている」(山形県商工観光部商業・まちづくり振興課の中野裕公主事)という。

 山形県では、2010年度から山形県産品愛用運動を実施。県民が県産品に関する情報を広く発信し、県経済の活性化にもつなげることを狙っており、その活動の一環として、2011年度から、夏休み期間中に小学生の親子を対象にした県産品工場見学会を行なってきた。

 今回は、置賜地区を対象に初めて実施したもので、山形県置賜地区在住の15組34人の小学生1〜6年生親子が、NECパーソナルコンピュータ米沢事業場を訪れ、PCの生産ラインを見学。また、NECパーソナルコンピュータが生産しているPCを使ったり、スクラッチリペアなどの同社独自の技術を体験した。

 「PCはもはや我々の生活の中で身近なものになっている。身近な県産品の1つとして、NECのPCが山形県で作られているということを知ってもらい、より愛着を感じてもらたい。熱心に見学する姿がみられており、県産品により親しんでもらえるきっかけになることを願っている」(山形県の中野主事)とした。

 参加者は、NECパーソナルコンピュータ米沢事業場のほかにも、ジャムやドレッシングなどの製造を行なっている山形県高畠町のセゾンファクトリー、ふとんやカーテンの製造販売を行なっている正絹羽毛ふとんも見学した。

山形県では2010年度から山形県産品愛用運動を実施 子供たちは山形県ものづくり探検隊として各企業を訪問
子供たちは訪問した企業で気がついたことをメモ 聞いた話を熱心にメモを取っていた子供が多かった

 8月9日午後1時30分から行なわれたNECパーソナルコンピュータ米沢事業場の見学会では、約10分間に渡って米沢事業場の説明を行なった後、2班に分かれ、約1時間に渡り、工場見学とPC体験を行った。

 現在、米沢事業場では、近隣のパートナー企業を含めて1,400人が勤務。そのうち900人が事業場内で勤務する。約400人が社員であり、約500人が請負派遣の構成としていることなどを説明。工場見学では、ノートPCが3人のラインで生産されていることや、2万種類のPCが生産できること、組立から梱包まで約4時間で生産されることなどが説明され、熱心にメモを取る子供の姿が見られた。

米沢事業場で行なわれた夏休み親子県産品工場見学会の様子 まずはNECパーソナルコンピュータの概要を説明 「このキャラクターの名前は?」の質問に、全員が「かねたん」と即答。地元キャラクターならではの知名度。天板にこうした刻印ができる

 生産ラインの前方から数々の部品が供給され、必要に応じて棚が自動的に変化したり、ネジ締め後に本体底面から空気を吸着することで、隙間があるとそれを感知してアラームを発生するネジ確認機「Qちゃん」を紹介。また、自動箱折り機では、ダンボールの箱折り、梱包材折り、不要パレットの自動搬送などを同時に行なっていることを説明した。

 また、ノートPCの生産ラインを「YOZANライン」と呼び、41ラインが稼働していること、デスクトップPCの生産ラインを「KENSHINライン」と呼び、17ラインで生産していることを紹介。いずれも、米沢市に縁がある上杉家にちなんだ名称としていることや、一直線のラインで構成しているのは、トラブルが発生しているところに人が滞留し、ひと目でそれが理解できるといったメリットがあることなどを説明した。

 一方、PC体験では最新のディスプレイ一体型PCを使った3D動画の体験や、WebカメラによるTV電話体験、発売前のLaVie Zの使用体験などが行なわれた。

 スクラッチリペアの実験では、ヤスリで削った傷がすぐに消える様子に、驚く声があがっていた。

ノートPCの生産ラインを見学する小学生 NECのPCを自由に触ってみる参加者たち PCでTV電話を体験してみる
3Dを体験。手前までくる映像に思わず手が出てしまう 傷が消えるスクラッチリペアを体験

 また、工場見学後に行なわれた質疑応答では、「PCを生産している際に、トイレに行きたくなったらどうするのか」といった質問が寄せられ、「NECパーソナルコンピュータのPC生産ラインでは、隣の人の作業を手伝えるような仕組みになっており、1人がトイレに行ってもそのまま稼働できる。またラインリーダーと呼ばれる、生産ラインで1番怖い人が、一時的に手伝うこともできる」などと回答。米沢事業場が採用しているリレー方式の生産手法を強調してみせた。

 では、写真で米沢事業場の最新のPC生産ラインの様子をみてみよう。

各種部品が入荷するゲート 米沢事業場に入荷する部品を乗せたカート
部品はRFIDで管理。通すだけで入荷した部品点数がわかる 通過した部品はRFIDゲートシステムで管理
PTO(ピック・トゥ・オーダー)ライン。2万種類におよぶ多品種に対応した部品をピックアップする HDDの在庫棚の様子 ランプが点いた棚にある部品をピックアップするデジタルピッキングシステムを採用
CPUやメモリなどの部品棚の前の床には静電気防止の工夫が施されている CPUやメモリの部品棚では湿度が低いと水蒸気を噴霧する
湿度も大きく表示されている デスクトップの部品搬送には、自動搬送機が利用されている
ノートPCの組立ライン。3人で梱包までを行なう 足下は静電気防止のマットが置かれている まず液晶ディスプレイの組立から行なう
液晶ディスプレイ組立工程は自動化を図っている 1人目がPCの組立を行なう 組立は1台ごとに異なる仕様でも生産できる。2種類のカスタマイズが可能
2人目の作業者によって検査工程に入る 奥の棚に入れて検査工程でエージングを行なう。約4時間の間にインストールも行なう 自動外観検査機でラベルの位置などを確認。手前ではネジ締めが確実に行なわれたことを瞬時に確認できる独自システム「Qちゃん」
ノートPCが完成 自動箱折り機で梱包用の箱が組み立てられる 梱包箱に完成したPCが入れられる工程
デスクトップPCの生産ラインの様子。 デスクトップPCの生産ラインでは後ろを部品の自動搬送車が通過する 人が緑の線を超えると、自動搬送車が停止する
デスクトップPCの本体に各種部品を組み込む ドライブなどを搭載さた状態。作業台の下には本体カバーも用意 主要な部品が組み込まれた様子
検査が終了し、梱包工程に入る ダンボールに梱包する様子
ノートPCの出荷工程の様子 出荷方面ごとに仕分けされている こちらはデスクトップPCの出荷工程の様子
この機械を使って、フィルムを巻いてパレット上の製品を固定する 出荷直前の様子。下に引いてある線はトラックの荷台と同じ大きさ NECパーソナルコンピュータ米沢事業場で生産されるPCの数々

(2012年 8月 10日)

[Reported by 大河原 克行]