「Evernote」のトップページ。2010年春に日本語化され、日本語環境との親和性も年々高くなっている。Evernoteの全ユーザーに占める日本のユーザーの比率もかなり高いとのこと |
オンラインストレージとはまた異なる性格を持つ、外部記憶脳とでも言うべきクラウドサービス「Evernote」が人気だ。アイデアメモから身の回りの書類、画像、音声ファイルなどさまざまなデータをアップロードしておき、強力な検索機能を使ってPCやスマートフォンからいつでも参照できるというサービスである。実際に利用したことはなくとも名前だけは知っている、ロゴは見たことがある、という人も多いことだろう。
このEvernote、カテゴリとしてはオンラインノートとストレージサービスの両方に属する独特のポジションに位置するわけだが、自由な使い方ができることが災いして、自分なりの使い方を見つけるまでに時間がかかるのもまた事実だ。「便利だ」「手放せない」といった周囲の声を聞いてアカウントを取得してはみたものの、うまく使いこなせずに放置状態にある人も、かなりの割合を占めるのではないだろうか。
本稿では、Evernoteのブームにやや乗り遅れた人、登録してはみたものの放置状態になっている人を対象に、「名刺管理」と「文書管理」の2つの使い方を紹介する。Evernoteでは「なるほど、こう使えばよいのか」という「ある1点」にさえ到達すれば、あとは自分で使い方を研究するなりして、能動的に使えるようになることが多い。その「ある1点」に到達するための道筋を提供するのが、本稿の狙いだ。
●「NASによるデータ管理」から「Evernote」へ
筆者がEvernoteのアカウントを取得したのは4年前だが、きちんと使い方が定まり、日常的に利用するようになったのはかなり最近のことだ。冒頭に述べた「うまく使いこなせずに放置状態に」あったというのは、実は筆者自身のことでもある。
最近までEvernoteを本格的に使うに至らなかった理由は主に2つ。1つは、今回紹介する名刺や文書を管理する仕組みを、すでにローカルのNASベースで構築済だったこと。ドキュメントスキャナ「ScanSnap」でデータ化した名刺や文書をカテゴリ別に分類してNASに入れ、自宅内のどのPCからでもアクセスできるのはもちろん、NASのリモートアクセス機能を使って出先からも参照できるという仕組みだ。
ScanSnapでデジタル化したデータを収めているNAS。RAIDで冗長化し、さらに週1回ペースで外付HDDへのバックアップも行なっている | NAS内のデータは、NASのリモートアクセス機能を使うことで外出先からのアクセスも行えるようになっている |
これに加えて、頻繁に更新されるデータについてはオンラインストレージ「Dropbox」を利用し、クラウド経由で各PCで同期されるようにしており、シームレスに参照および更新が行なえる。正直、この「NAS+Dropbox」の組み合わせで、これまで不都合は感じていなかった。NASに放り込んであるファイル名がScanSnapで読み取った日時そのままなので、フォルダ分けとサムネイルだけでは探しにくかったくらいだ。
この考え方がすこし変わったきっかけは、昨年(2011年)の東日本大震災だ。もし自宅のネット回線が障害などで不通になったり、また災害などで自宅から離れなくてはいけなくなった場合、データへのアクセスができなくなってしまう。NASのデータは定期的にUSBの外付けドライブにバックアップしているものの、所詮は同じ自宅内であり、「共倒れ」になる危険性は高い。
NASについては、リモートで遠隔地にバックアップするソリューションもなくはないが、個人レベルではいささか費用がかかりすぎる。それなら優先順位が高いデータから順にEvernoteにアップロードしてクラウドで参照できるようにした方が、コスト的に有利なのはもちろん、DR(災害対策)としても有効だと考えたわけだ。実際に使い始めてみると、検索性の高さがなにより利点だったわけだが、これについては詳しく後述する。
EvernoteにはiPhone/Android端末などのスマートフォンからもアクセスできる。スマホで撮影した写真や音声ファイルをすばやくアップロードすることも可能 | iPadなどタブレットからのアクセスにも対応する。PDFデータを全画面で参照できるのでノマドワークにも役立つ |
もう1つ、Evernoteはディスク容量の制限がないことも魅力だ。月間の転送量にこそ制限があるものの、ディスク容量が上限何GBまでとが決められているオンラインストレージのようにある日突然「ディスク容量がいっぱいでこれ以上使えません」と言われることもない。なかにはAmazon S3のように転送量課金のストレージサービスもあるが、インターフェイス的にハードルがやや高い。
その点Evernoteであれば、あらゆる面でハードルが低く、手元のデータを預けるにはぴったりだ。すでに存在する大量のデータを一度にクラウドに持っていけなかったり、あまりに詰め込みすぎるとローカルのデータベースが巨大になりすぎるデメリットはあるが、たとえ転送量制限がかかったとしても、1カ月待てばまたアップロードできるようになるのは大きな魅力だ。
●「ノートブック/ノート」の関係を理解する
もう1つ、筆者がEvernoteにいまいち馴染めなかった理由として、Evernote特有の「ノートブック」と「ノート」という概念が、よく理解できなかったことが挙げられる。
「ノートブック/ノート」の関係は、要するにPC内の「フォルダ/ファイル」に相当するわけだが、1つのノートに複数のファイルを貼り付けることが可能なのでややこしい。手元にある複数のファイルをEvernoteにアップロードしようとまとめてドラッグ&ドロップしたところ、1つのノートに合体してしまって頭の中がこんがらがった経験があるのは、おそらく筆者だけではないだろう。
「ノートブック/ノート」と「フォルダ/ファイル」の概念をまとめたのが以下の図だ。Evernoteをこれから初めて使う人、いちど挫折した経験がある人は、この図のあるなしでずいぶんと理解度が違ってくるのではないだろうか。
PC上ではテキストやPDF、音声、画像ファイルはそのままフォルダに格納するが、Evernote上ではノートに貼りつけたうえで格納される。画像を貼り付けたノートにテキストでメモを記入したり、1つのノートに複数の画像を貼り付けるといったこともできる |
では、前フリが長くなったが、次章からEvernoteの使い方の例として、まずは名刺管理の方法について紹介していく。準備段階として、(1)Evernoteのアカウントを取得する (2)Evernoteのクライアントソフトをインストールする、の2つの作業は済ませておいてほしい。またiPhoneやAndroid端末で参照する場合は、それらのアプリも適宜インストールしてほしい。
Evernoteのサイトでアカウントの新規作成を行なっておく | 利用環境(Win/Mac)に合ったクライアントソフトをダウンロードし、インストールする。完了したら作成済みアカウントでログインする | アカウント作成後、初めてログインした状態 |
●Evernoteで名刺を管理する
最近は仕事はもちろん、プライベートなオフ会などでも名刺交換を行なう機会は増えている。これらをすべてスキャンしてデジタルデータ化し、Evernoteにアップロードすれば、PCはもちろんiPhoneやAndroid端末を用いて外出先からも検索できるようになるので、これまで机の中に死蔵されていた名刺が活用できるようになるというわけだ。
名刺管理については専用のソフトやアプリなどさまざまなソリューションが存在している(もちろんデジタル化せずにアナログのまま管理する方法もある)が、Evernoteで管理する最大のメリットは、画像のままアップロードするだけでOCRによるテキスト検索が可能になることだ。とにかくスキャンして放り込んでいけばよいので、ズボラな人にぴったりである。
○手順その1:スキャンというわけで、まずは名刺のスキャンを行なおう。スマートフォンを簡易スキャナとして使える「CamScanner」などのアプリを用いて撮影する方法もあるが、100枚あれば100回撮影をしなくてはならず、また台形補正やホワイトバランス調整も1枚ずつ行なわなくてはならないため、枚数が多いとかなりの手間になる。ScanSnapのようなドキュメントスキャナがあれば、一度セットするだけで表裏同時に10枚単位で一気にスキャンでき、補正する必要もまずない。後述する文書管理も含めて作業を効率的に行なうのであれば、スキャナを用意することをおすすめする。
名刺が連続して読み込まれる。1枚ずつ読み取る方法と異なり、大量の名刺がストックされていても手間がかからない。裏面も同時にスキャンできる | スキャンが完了するとJPGデータ化された名刺がローカルPC内のフォルダに保存される |
ScanSnapで「JPEG形式」「スーパーファイン」「カラー」「両面読み取り」などのパラメータを設定してスキャンを実行すると、名刺がJPGデータ化され、ハードディスクの中に保存される。ファイル名は日時のままだが気にしない。とにかくどんどん取り込んで、JPGデータ化された名刺をフォルダに保存していく。
◯手順その2:Evernoteにインポート&同期
ある程度の枚数をスキャンしたらEvernoteへのインポートを行なうが、名刺以外の文書と混じってしまうとあとで整理が面倒なので、名刺データをまとめて格納するための専用ノートブックを作っておこう。Evernoteのユーティリティを起動すると3列にわかれた画面が表示されるので、左列にある「ノートブック」を右クリックして「ノートブックを作成」を選択。「001名刺」と名前を入力してOKをクリックすれば、名刺データをまとめておくための専用ノートブックができあがる。
Evernoteのユーティリティで、左列の「ノートブック」を右クリックし「ノートブックを作成」を選択する | 名前に「001名刺」と入力してOKを押す。ちなみに「001」という数字は分類用につけているだけなのであまり気にしなくてよい(省略しても構わない) | 左列のノートブックの下に「001名刺」というノートブックが生成された。現時点で中身は空なので、中央列にはなにも表示されない |
ではいよいよ名刺をインポートしよう。フォルダに保存された名刺JPG画像を選択し、右クリック→送る→「Evernote」を選択する。これにより、名刺画像がEvernoteにインポートされる。あまり多すぎると失敗することがあるので、多くても20~30枚程度にしておいたほうがよい。インポートが正常に完了すれば、画面の中央列に、名刺のファイル名とサムネイル画像がずらりと並ぶはず。これでインポート作業は終了だ。
なお、上記の作業はあくまでもローカルのEvernoteにインポートしただけで、まだクラウドとは同期されていない。つまり、まだPC上にしかデータがない状態だ。同期タイミングは初期設定では30分間隔なので、しばらく待ってからiPhoneやAndroidでアクセスすると、これら名刺データが参照できる。
クラウドとは自動的に同期される。デフォルトでは30分間隔となっている | 同期完了後にスマートフォンやタブレットからアクセスすると、名刺データが参照できるようになっているはずだ |
○手順その3:検索してみる
名刺に含まれている文字列(この例では「家電」)で検索が行なえる。なおテキスト検索が可能になるまでは、アップロードからおおむね1時間程度あれば大丈夫だが、もっと時間がかかる場合もある。気長に待とう |
さて、クラウドと同期してからしばらく経つと、名刺画像に含まれる名前や住所などのテキストがサーバ側でOCR処理され、検索が可能になる。つまり「東京都」と検索すれば、名刺画像内に「東京都」という文字列のある名刺が抽出できるようになるのだ。
特殊なフォントや配置だとまれに漏れや誤認識もあるが、スキャン時にScanSnap側でOCR処理を行なっていないにもかかわらずテキストで検索できてしまうのは、初めて使うとカルチャーショックを受ける。Evernoteで名刺管理をするキモは、まさにここにあると言っていいだろう。
○手順その4:さらに検索しやすくする
以上のように、Evernote標準の検索機能があれば、かなりの精度で目的の名刺が探せるようになるのだが、社名などの同じ条件で毎回検索するのは効率もよくないし(検索条件を保存することはできるが、数が増えるとわずらわしい)、また名刺に書かれていない情報で絞り込みたい場合もあるだろう。こうした場合に検索しやすくする代表的な方法としては、ノートにメモを記入する方法と、タグで分類する方法が挙げられる。
Evernoteに取り込まれた名刺画像は「ノート」に貼りつけられた状態で格納されているわけだが、この「ノート」にはメモを書き込むことができる(そもそも名前からしてEvernoteは元来ノートの延長線上にあるわけで、メモが書きこまれている状態のほうが普通といえば普通である)。このメモも画像同様に検索対象になるので、名刺交換した日付や相手の特徴などをメモしておけば、それらの条件でまとめて呼び出せるようになるというわけだ。
名刺の下に打ち合わせをした日とその内容をメモしておく | 検索すると名刺がヒットする。相手の人相を「芸能人の誰々似」といった具合にメモしておいて、それらで呼び出すといったワザも可能だ。名刺の文字間隔が開いているなどの理由で検索にヒットしづらい場合も、ここに入力し直しておけばヒットするようになる |
もう1つ、名刺を貼りつけたノートに「タグ」をつける方法もある。その人と会ったイベントの名称、出身地や趣味など、さまざまな属性をタグとして付与しておけば、タグをクリックするだけで該当する名刺がまとめて呼び出せるようになる。1つのノートには複数のタグをつけられるので、思いつく限りのタグをつけられる。例えば、年賀状をやりとりした相手に「年賀状2012」といったタグを付けて呼び出せるようにしておけば、年末に年賀状を出す際に過去の履歴が分かって便利だろう。
タグを右クリックして「タグを作成」を選択する。今回は「Impress Watch」というタグを作る | 「Impress Watch」というタグをつけたいノートを選択して、タグの上にドラッグ&ドロップすることでまとめてタグをつけられる | タグを階層化することも可能。Evernote内にアップロードされている名刺以外の文書と共通のタグを設定し、まとめて呼び出すこともできる |
このほか、ノートブックをサブフォルダよろしくスタックしたり、さらにノートそのものにキーワードを含む名前をつけたりと、分類・整頓にはさまざまな方法がある。もっとも、あまり細かく分類しすぎるとデータ管理が破綻しかねない。せっかく強力なテキスト検索機能があるのだから、最小限の分類にとどめておいたほうがいいというのが、筆者の考えだ。
ScanSnapから直接インポートすることもできる。ただしこの設定では、JPGではなくPDF形式に限定される |
なお、ScanSnapではスキャンと同時にEvernoteにデータをインポートする方法も用意されている。この場合、さきほどの手順で紹介したような、ファイルをいったん保存してからインポートする手順が省略できる。これから新規にデータを取り込む場合、こちらの方法もおすすめだ。
○その他、名刺管理にまつわるTips
その他名刺管理にまつわる、細かいTipsをいくつか紹介しよう。
名刺は表裏が対になっている場合が多い。デザイン上は裏面が白紙でも、日付などのデータを自分で書き込んでいる場合もあるだろう。JPGデータのままインポートすると表裏が別のノートに分かれてしまうので、「ノートのマージ」という機能を使い、表裏を1つのノートにまとめてしまうと見やすくなる。
表面と裏面、2つに分かれたノートを選択して「ノートをマージ」を選択 | 日本語表記の表面と、英語表記の裏面が1つのノートにまとまった。こうしておけば検索した際に表面と裏面がまとめてヒットするようになる。ちなみにこのテクニックは、名刺と同様に表裏がセットになっているケースが多い年賀状の管理などにも活用できる |
「ツール」→「インポート」を選択すると、ローカルのフォルダを特定のノートブックと同期させることができる。同期した後にローカルのファイルを削除する設定も可能だ |
もう1つ、「インポートフォルダ」という機能を使い、ローカルのフォルダをノートブックと同期させる方法もある。名刺がぞくぞく追加されていくと、どこまでインポートが完了したのか分からなくなることがある。こうした場合でも「インポートフォルダ」機能を使えば、名刺保存先のフォルダとEvernoteの特定のノートブックを自動的に同期されるので、取りこぼしがなくなる。
名刺に限らず、これからデータが新規に追加される可能性があるフォルダは、この「インポートフォルダ」機能を使い、データが追加されると自動的にEvernoteにインポートされる設定にしてしまうとよいだろう。またこれを応用し、一時的にインポートフォルダに設定してファイルを取り込み、完了後に設定を削除することで大量のファイルを効率的にインポートするという技もある。
●Evernoteであらゆる文書を管理する
検索および分類のコツがいったんつかめれば、名刺に限らず、その他のデータについてもすべてEvernoteで検索可能になることの便利さが分かるようになるだろう。例えば、インターネットプロバイダとの契約時に郵送されてきた接続IDおよびパスワードが記されたハガキをEvernote上で検索できるようにしておけば、引き出しの中を探し回ることもなくなり、必要な時に一発で取り出せて大変便利だ。
というわけで、名刺以外の文書をEvernoteで管理する方法も紹介しておこう。スキャンおよびアップロードの手順はさきほどの名刺の場合と変わらないが、注意しなくてはいけない箇所がいくつかある。
1つはノートブックの名前。名刺の場合は「001名刺」という名前をつけたが、ジャンル問わずあらゆる文書を「002文書」などとしてしまっては、さすがに大雑把すぎる感がある。「002プロバイダ」、「003銀行関連」、「004保険関連」などジャンル別に分けて、並べたい順番に数字をつけるとよい。このほか、サブフォルダに相当する「スタック」という機能を使って年次ごとに分類するといった方法もある。
筆者のノートブックの分類。NASで管理していた頃のフォルダ構造を踏襲している。基本的に3ケタ数字+名前という分け方で、スタックして階層化している場合もある | プロバイダから郵送されてきた書類をアップロードしておけば、接続IDやパスワードがわからなくなった際にスマートフォンなどからすばやく検索できて便利だ |
また、これら文書の多くはJPGではなくPDFでアップロードすることになるが、EvernoteでPDFを扱う場合、気を付けなくてはいけない点が2つある。1つはEvernoteには1ファイルあたりの容量制限(スタンダード25MB/プレミアム50MB)があり、スキャナで取り込んだPDFはページ数が多いと制限に引っかかりやすいこと。もう1つは、無料のスタンダードアカウントではテキスト検索に対応しないことだ。
ScanSnapでスキャンする際に「検索可能なPDFにする」にチェックを入れておけば、Evernoteがスタンダードアカウントのままでもテキスト検索が行なえる |
前者はPDFを複数に分割して解決できるとして、後者は2通りの解決策が考えられる。1つはEvernote側ではなく、スキャン時にScanSnap側でOCR処理を行ない、アップロードの時点ですでにテキスト検索が行なえる状態にしてしまうこと。こうすればスタンダードアカウントのままでも、テキスト検索が行なえるようになる。
もう1つは、スタンダードアカウントからプレミアムアカウントにアップデートすること。プレミアムアカウントであればスキャン時にOCR処理をしなくともPDFデータも検索対象になるほか(ただし1ノートあたりのデータサイズは25MB以下、ページ数は100ページ以下という制限がある)、60MBだった月間アップロード容量制限が一気に1GBまで増えるなど、さまざまなメリットがある。
【1月31日13時付記】PDFデータの検索制限について付記いたしました。この点についてご指摘頂きました読者の方に感謝します。Evernoteのサイトでは、プレミアムをお得に使えるさまざまなキャンペーンが案内されているので、チェックしてみるとよいだろう |
最近ではScanSnap購入者には1年間プレミアム無料のキャンペーンが行なわれていたり、NTTドコモがAndroidスマートフォン利用者にやはり1年間無料のキャンペーンを行なっていたりと、さまざまな事業者がプレミアムの利用を前提にしたキャンペーンを行なっているので、こちらを利用するのも吉だ。もっともEvernoteを使いこなすようになってくると、月額450円または年額4,000円というプレミアムの費用は、十分に投資する価値がある額と感じられるようになるだろう。
●まとめ
Evernoteはここまで紹介した以外にも、思いついたアイデアをテキストに書き留めてメモとしてアップロードしたり、撮影した写真や音声をアップロードしてライフログ的に活用したり、Webページをクリップしたりと、さまざまな使い方がある。サービス名が示すように本来はノートとしての用途が主であり、今回紹介した名刺や文書の管理は、あくまでその使い方の応用例に過ぎない。
いったんEvernoteが生活の中に存在するようになってしまえば、こんなことにも使える、あんなことにも使えるといった具合に、アイデア次第で利用シチュエーションはどんどん広がっていく。さきに述べたようにEvernoteは月間転送量の制限があるわけだが、裏を返せば、使い始めるのが早ければ、長い目で見ればそれだけ多くのデータを転送できるということでもある。今回紹介した名刺管理と文書管理の例を参考にしつつ、まずは何かしらのデータをアップして、自分なりの使い方を探すところから始めてみてはいかがだろう。
(2012年 1月 31日)
[Reported by 山口 真弘]