日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は、デスクトップPCの2012年春モデルを発表した。
今回のモデルチェンジでは、CPUやHDD、メモリなどの基本機能の強化が中心。また、タワー型PCと組み合わされるコンシューマ用液晶ディスプレイはすべてLEDバックライトとなり省電力化が進んだ。
BTOでは選択肢が増えたほか、HDDのパーティション分割が指定可能となった。ただし、3,150円の有料オプションとなる。
また、TVチューナ内蔵モデルでは、超長時間圧縮モードの録画時間が実時間の10倍から15倍になった。2TB HDDで約3,000時間の録画ができるとしている。視聴時や録画時のCPU負荷も最大65%軽くなったという。
ここでは、新筐体および、仕様変更が大きかった製品を紹介する。
●AMD 970チップセットになった「h8」タワー型PCの「Pavilion Desktop h8」は、AMDモデルとIntelモデルが用意される。
直販専用のAMDモデルは、従来のAMD 785Gチップセットから、AMD 970チップセットに変更された。CPUは、FX-6100(3.30GHz、6コア)とFX-8120(3.10GHz、8コア)が用意される。h9と同じチップセットだが、こちらは6コアCPUとの組み合わせもある。
また、h9同様にMicron製の6Gbps対応256GB SSDがBTOで用意される。最小構成価格は59,850円から。
●新筐体の「p6」「Pavilion Desktop p6」(ディスプレイは別売) |
ミニタワーの「p6」は、冬モデルのp7の後継機として位置づけられており、シンプルなデザインの新筐体を採用した。直販モデルの最小構成価格は29,820円。p6はs5とともに一般ユーザー向けの製品として用意されており、ゲームユーザーをはじめとするエキスパート向けのh9/h8とは異なるデザイン指向となっている。
チップセットはIntel H61で、Celeron G440(1.60GHz)から幅広い選択肢が用意される。
量販店モデルは、8万円前後からで、Core i5-2400(3.10GHz)、1TB HDDなど一般的な仕様となっている。
●3Dディスプレイ「2311gt」
専用グラスが2つ付属する「2311gt」 |
「2311gt」は23型の液晶ディスプレイで、偏光フィルム式の3D表示に対応する。専用グラスが2個付属し、複数人での視聴に対応する。直販価格は24,990円。
解像度は1,920×1,080ドット。入力はミニD-Sub15ピン、DVI-D、HDMI(HDCP対応)の3系統。
●1万円を切る20型ディスプレイ「W2072a」
ノングレア液晶の「W2072a」 |
直販価格が1万円を切る20型ディスプレイは、以前から用意されていたが、今回バックライトがLEDとなり、省電力化が進んだ。直販価格は9,870円。
液晶はノングレアタイプで、解像度は1,600×900ドット。ミニD-Sub15ピンとDVI-D端子を備える。スピーカーも内蔵される。
●東京生産になった「TouchSmart 520」
量販店モデルも東京生産になった「TouchSmart 520」 |
TouchSmart 520は、冬モデルでも一部モデルは東京工場で生産されていたが、春モデルからは、量販店モデルも含めて、すべて東京生産となった。
量販店での店頭予想価格は15万円前後から。直販モデルの直販価格は69,930円から。
なお、横方向に仮想デスクトップを拡大するHPオリジナルソフト「マジック・キャンバス」は、液晶一体型全モデルに標準装備されるようになった。
●ノングレア液晶一体型の「Omni」が実用的な仕様に
「Omni PC 120」 ホワイト | ブラック |
液晶一体型では珍しくノングレアタイプの液晶を搭載するOmniは、他社にはない特色のあるシリーズだ。量販店モデルの「Omni PC 120」シリーズは、20型1,600×900ドット液晶を搭載する。店頭予想価格は9万円前後。
従来は、2GBメモリ/500GB HDDと現状では最低限の仕様となっていたが、春モデルからメモリ4GB/1TB HDDに強化され、出荷時の仕様で実用的に使える構成となった。
主な仕様は、Pentium G630(2.70GHz)、Intel H61 Expressチップセット、4GBメモリ、1TB HDD、DVDスーパーマルチドライブ、IEEE 802.11 b/g/n無線LANなど。OSはWindows 7 Home Premium 64bit、OfficeはPersonal 2010 SP1。
(2012年 1月 19日)
[Reported by 伊達 浩二]