富士通、Oak Trail搭載スレートPC「STYLISTIC Q550/C」
~10.1型液晶、約690g、最大10時間駆動

STYLISTIC Q550/C

2月24日 受注開始
価格:94,290円~



 富士通は、Intelの次世代Atomプロセッサ「Oak Trail」を搭載したスレートPC「STYLISTIC Q550/C」を発表した。OSはWindows 7で、Home PremiumとProfessionalのそれぞれ32bit版が提供される。

 ペンなしモデルと、ペンありモデルの2機種が用意される。ペンなしモデルの価格は94,290円から、出荷時期は4月上旬となる。ペンありモデルは104,790円からで、出荷時期は5月中旬から。

 基本的に企業向けの製品で、指紋認証/スマートカード/セキュリティチップなどのセキュリティ機能がBTOで用意される。顧客のソフトウェア資産とセキュリティ機能の高さから、法人向け端末としては、WindowsとIntel CPUの組み合わせが最適であるとされた。

STYLISTIC Q550/C。ペンありモデルが用意されるのが企業向けらしい法人向け端末としては、WindowsとIntel CPUの組み合わせが最適法人向け端末の条件
タブレットはPCを置き換えるものではなく、操作の簡便性などで補うものと位置づけられているタブレット端末の用途は広い。法人用途では金融/文教/ヘルスケアなどがターゲット今回のモデルはワールドワイドで提供される

 Q550/CのCPUはOak Trailとだけ発表されており、クロック数などは未公開。メモリはDDR2の2GB(最大2GB)。フラッシュメモリドライブは、暗号化機能付きで30GBと62GBが用意される。

 液晶は10.1型1,280×800ドットで、ペンなしモデルは静電容量方式、ぺんありモデルは静電容量+電磁誘導方式のタッチパネルとなっている。ぺんありモデルのペンは専用品が付属する。

 インターフェイスは、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 3.0、USB 2.0×1、HDMI、SDカードスロット、音声入出力を備える。また、オプションで無線WANにも対応する。本体にはクレードルも付属し、充電のほかUSB 2.0×4のインターフェイスを備える。

 本体サイズは275×193×16.2mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約690gから。バッテリはリチウムポリマーで、標準のほか大容量タイプが用意される。大容量タイプ搭載時の重量は約840g。バッテリ駆動時間は標準で約5.5時間、大容量タイプは約10時間。

片手で実機を示しながら機能を説明690gと最大10時間駆動が特徴。無線LANは802.11aにも対応しているセキュリティ用途のハードは充実している
富士通はタブレットPCについて長い歴史を持っている富士通の持つPCビジネスの経験と実績がウリWindows 7が持つWindowsタッチに、らくらくパソコンなどで開発したタッチPCのノウハウを加えている

 発表会場では、日本マイクロソフトとインテル日本法人からのゲストも出席し、WindowsベースのスレートPCへの期待が感じられた。

日本マイクロソフト株式会社 代表執行役 社長 樋口泰行氏インテル株式会社 取締役 副社長 宗像義恵氏「STYLISTIC Q550/C」を手に記念撮影

 質疑応答では、Q550/Cの販売目標について、「日本国内でのWindowsベースタブレットPCの市場はゼロに等しい。富士通では、北米市場を中心にスレートPCを1991年から出荷しており、現在のシェアは2位で、今年は1位を目指している。ワールドワイド市場での使い方をお知らせし、市場が拡大していくように育てたい」と述べた。

 また、企業向けはWindowsベースだが個人向けについても同じ方針かという問いに対し、「お客さまが望むものは用意する。ユーザーエクスペリエンスを重視すると、起動の遅さなどは弱点と認識している。企業市場向けでは運用の容易さやセキュリティが重視されるが、個人市場向けは重点が異なるし、自由度も高いので、最適なシステムを提供したい」と、かならずしもWindowsベースにこだわらない姿勢が示された。

 発表会場で展示されていた実機は、690gという数字よりも軽く感じられた。特にどこかが重いというバランスの悪さがなく、スッと持てる感じだ。ただし、次世代とはいえAtomとWindows 7の組み合わせなので、動作速度はそれなりであまり速くない。また、やはり起動にはかなりの時間がかかる。液晶の視野角はペンの有無を問わず非常に広く、プレゼンテーション用途を重視していることが感じられた。

片手で持って、片手で操作できる軽さぺんありモデル。ペン先を浮かせて操作するホバリングにも対応する本体裏面。大きい四角はバッテリ。全体がラバー塗装されており、すべりにくい
バッテリはリチウムポリマーで、取り外しできる。展示機にはソニー製の5,240mAhのバッテリが装着されていた指紋認証装置はスライド式本体右側面。電源スイッチやワイヤレススイッチなど
別の角度から本体左側面。HDMI端子とUSB端子が見える。スロットは身分確認のスマートカード用こちらも別の角度から。液晶の視野角がとても広いことがわかる

(2011年 2月 24日)

[Reported by 伊達 浩二]