インテル株式会社は20日、つくばにあるラボのプレス向けツアーを実施し、研究内容などを公開した。
つくばにあるインテルのラボは、主に日本国内のPCメーカーの製品開発をサポートすることを目的に設立された。同社 技術本部 技術部長の土岐英秋氏は、「日本のPCメーカーとIntelの米国本部とやりとりするのは、距離や言葉の壁がある。日本にラボを設けることで、PCメーカーのエンジニアリングチームを迅速にサポートできる」とした。
ツアーでは4つの部屋を公開した。クライアントのラボでは、デスクトップPCをメインに、PCメーカーをサポートする。主な内容としては、0dB以下という無響音室でのノイズ測定や、恒温槽での耐久性テスト、VRMやヒートシンクの評価などができる。
ノイズ測定では、標準規格に則った、前面からの騒音値測定だけでなく、周囲360度の騒音値評価、人の耳の位置をエミュレーションすることで実際に聞こえるノイズの音質の評価を行なっている。音質の評価までできるラボは国内PCメーカーでも少ないと言い、「PCメーカーから評価を依頼されることも少なくない」という。
恒温槽での耐久性テストでは、温度を摂氏35度に保った状態でPCに負荷をかけてテストを行なうと。なお、PCメーカー独自で摂氏40度まで上げるところもあるという。
VRMのテストでは、実際にCPUの消費電力を自由にエミュレートできる装置で、マザーボードのVRMを評価をできる。一方ヒートシンクのテストでは、CPUの熱を自由にエミュレートできる装置を開発し、放熱を評価している。
無響音室の評価機器 | 恒温槽でのPC耐久性テスト | ヒートシンクの評価などを行なうための機器 |
サーバーのラボでは、リモートでCPUの状態監視や再起動操作ができるだけでなく、ファンの回転速度や消費電力上限などを設定できることを紹介した。
サーバーのラボに置かれているラックマウントサーバー | リモート管理でサーバーの状態をリアルタイムに知ることができる |
ウルトラモバイルのラボでは、Atomを搭載したリファレンスボードによる消費電力/放熱の評価や、各PCメーカーのノートPCの評価テストを行なっていることを紹介。
ウルトラモバイルのラボではAtomのリファレンスボードによる評価を行なっていた |
ネットワークのラボでは、無線LANの周波数や、有線LANカードなどを評価している。
ネットワークのラボで使用されている無線の周波数測定装置 |
(2009年 8月 21日)
[Reported by 劉 尭]