デル株式会社は、公共機関/法人市場向けのネットブック「Latitude 2100」の受注を開始した。最小仕様でのBTO価格は56,385円。
教育機関において児童生徒が使用することを想定した製品。デルでは、米国のK12(幼稚園から12歳以下の児童)市場において、2012年には3割がネットブックとなるとみており、米国内の教育機関と協力し、専用の製品を投入した。
学校内ので使用を前提としているため、通常のネットブックとは異なる特徴がある。まず、教師が確認しやすいように、大型のネットワークアクセスランプを液晶背面に配置している。本体背面には、自分の名前を書いた名札を入れる「名前ホルダー」を用意。学校内でラフに使用されることを想定し、外装の一部に傷が付きにくいゴムを採用している。また、盗難防止用のケンジントンロック用のコネクタも2つ用意され、防犯性を高めている。
学校内ではPCが集中管理されることが多いため、ネットワーク経由での起動(Wake on LAN)やシステム管理(AFS、SMS)をサポートする。また、シンクライアントとして使用する事を想定し、ネットワーク速度を確保するため、Gigabit Ethernetを搭載する。無線LANもIEEE 802.11nがBTOで選択できる。
一般市場向け製品と異なり、ライフサイクル管理を考慮しており、1年間モデルチェンジを行なわないほか、新型機と旧型機の受注期間を2カ月間重複させるなどの配慮がされている。これにより、製品評価費用の軽減と安定した調達ができるという。
学生専用の製品に対する需要はある | ネットブックはK12市場でも増加していく | オプションでWebカメラやキャリーハンドルが用意される |
子供が持てる大きさと重さ | 長いライフサイクル、スムーズな移行管理などコンシューマ向けとは異なる特性を持っている | 管理の都合上、シンクライアントシステムが普及しているため、ネットワーク機能は強化されている |
主な仕様は、Intel Atom N270(1.60GHz) CPU、Intel 945GSE Expressチップセット(ビデオ機能内蔵)、1GBメモリ(最大2GB)、16GB SSDまたは最大250GBのHDD、液晶は10.1型1,024×576ドットで、感圧式のタッチパネルも選択できる。
インターフェイスは、USB 2.0×3、ミニD-Sub 15ピン、SDカード/MMCカードリーダ、音声入出力などを備える。
バッテリは3セルまたは6セルで、駆動時間は3時間または6時間。なお、デルは、バッテリ駆動時間についてJEITAではなくモバイルマークの計測値を公開している。
キーボードはカーソルキーも独立しており、穏当な配列 | 青い部分は柔らかめのゴム。本体色はこれ以外に黒と赤がある | 本体背面には名札を入れるスペースが用意される |
本体前面にはSDカード/MMCスロットがある | ネットワークアクセスランプは液晶背面にあり、とても大きい。生徒が不要なネットワークアクセスをしていると、すぐに教師にわかる | 本体底面。こちらもほぼゴムで覆われている |
本体右側面。ネットワーク端子はGigabit Ethernet | 本体左側面。盗難防止用のケンジントンロックは両側にある |
3セルバッテリ搭載時の本体サイズは265×187×22.5~39.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.32kg。ボディカラーは、チョークボードブラック、スクールハウスレッド、ブルーリボンの3色。
OSは通常はWindows XP Home Editionが搭載されるが、教育機関限定でWindows XP Professionalも用意される。また、メモリについては通常1GBだが、2GBに増設して出荷する場合はOSがWindows Vista Home Basicが搭載される。
北アジア地域公共事業マーケティング本部クライアントソリューションマーケティングマネージャ垂見智真氏 |
発表にあたった北アジア地域公共事業マーケティング本部クライアントソリューションマーケティングマネージャの垂見智真氏は、「仕様的にライバルとなるのはHP 2140だが、Latitude 2100は教育機関で使用されることを想定しており方向性が異なる。学校内で使用するネットブックは皆無であり、独自性の高い製品と自負している」と語った。
(2009年 5月 20日)
[Reported by 伊達 浩二]