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大日本印刷や字游工房のフォントがAdobe Typekitに追加
2017年9月27日 16:05
アドビ システムズ株式会社は27日、同社が展開しているCreative Cloudのサービスの一環であるフォントサービス「Adobe Typekit」に、日本語フォントメーカー4社の計74フォントを追加した。同日よりTypekitで利用可能となっている。
74フォントのうちの半分を占める36フォントは、株式会社視覚デザイン研究所によるもの。「V7明朝」や「V7ゴシック」、「V7丸ゴシック」といったものが利用可能になる。同社のフォントは独創的なデザインのものが多いだけでなく、1つの書体が複数のウェイト(太さ)で用意されているのが特徴で、デザインに合わせた最適なウェイトを選択できる。
有限会社字游工房からは游明朝ファミリから4フォントが提供される。同社のフォントはmacOSやWindowsなどでも採用実績がある。日本の小説家・藤沢周平氏の“威張らない小説”に合わせてデザインされたという游明朝は、小説といったものにとくに適しており、InDesignを使ったDTPに好適としている。
大日本印刷株式会社からは、秀英体20フォントが提供される。大日本印刷の前身である秀英社時代から100年以上続くこのフォントファミリは、時代のニーズとともに変化してきた。特徴は一部のひらがなが“一筆書き”になっている点や、ひとかたまりになっていても可読性を高めた点である。
フォントワークスからは、同社のフラグシップフォントである「筑紫」など14フォントを提供する。比較的新しいフォントであり、文書になったときの読みやすさというよりは、文字本来が持つ美しさや味わいを重視して開発され、クラシカルな見た目も特徴としている。
27日に都内で開かれた記者会見で、アドビで研究開発本部 日本語タイポグラフィ シニア マネージャーの山本太郎氏は、「TypekitはWebフォントとデスクトップフォントに存在する2つの問題を解消させるために開発された。Webフォントでは、PCやスマートフォンでWebサイトを閲覧したときに、クリエイターが意図していないフォントに置き換わってしまうことを解消できる。一方デスクトップフォントは、ほかのデザイナーがデザインしたもののフォントが自分のPCに入っていない場合、フォントを買いに行ったりインストールしたりという煩わしさから解放できる。2015年よりTypekitの日本語対応をしてきたが、今回のさらなる拡充で合計171書体が利用可能となった」と話した。
また、発表会ではアドビ マーケティング本部 デジタルメディア マネージャーを務める岩本崇氏によるデモンストレーションも行なわれ、Webブラウザ上からすでに新しいフォントが閲覧でき、すぐに利用可能になることや、フォント不足時にソフトウェア上から自動でフォントを同期させ利用可能になる様子が示された。