ニュース

マインクラフトの世界でプログラミングを学ぶ子ども向けワークショップが開催

マインクラフトを知っている人に手を挙げてもらったところ、ほとんどの子どもが手を挙げていた

 2016年12月7日、東京都渋谷区の「こども科学センター・ハチラボ」で、小学校3年生から中学生を対象としたワークショップ「マインクラフトでプログラミング入門」が開催された。

 このワークショップは、NPO法人CANVASが日本マイクロソフトの協力のもと開催したもので、全世界で活用されているプログラミング教材「Hour of Code」を用いて行なわれた。Hour of Codeには、さまざまな教材が用意されているが、今回のワークショップで用いられたのは、子どもに大人気のサンドボックスゲーム「マインクラフト」の世界をプログラミングできる「Minecraftデザイナー」である。このワークショップは参加費が無料ということもあり、受付開始後わずか15分で満席になるほどの人気だったとのことだ。

 ワークショップには、小学生から中学生までの約20名が参加したが、最初に講師の方が、「マインクラフトを知ってる人?」と聞いたところ、ほとんどの子どもが手を挙げていた。次に、「では、マインクラフトでプログラミングをしたことがある人?」と聞いたところ、1人だけが手を挙げていた。

 Hour of CodeのMinecraftデザイナーは、実際のマインクラフトそのものをプログラミングによってカスタマイズしていくのではなく、マインクラフトの世界観を利用したプログラミング学習を行なうものであり、用意された課題を順番にこなしていくことで、プログラミングの基本的な考え方を理解できる。Minecraftデザイナーでは、Scratchに似たビジュアルプログラミング言語の「Blockly」を採用しており、ブロックをマウスでドラッグ&ドロップして並べるだけで、プログラミングを行なえる。

 ワークショップでは、CANVASと日本マイクロソフトの方が講師役を務めていたが、子ども達は基本的な操作の仕方の説明を受け、後は自分のペースで課題を進めていた。課題は全部で12種類あるのだが、だんだん難しくなるため、困ったことがあったら講師を呼ぶというスタイルだ。ワークショップの時間は実質1時間強だったが、参加者の大半が最後の課題までクリアして、終了認定証画面まで到達していた。

 最後には、Skypeのビデオチャットを利用して、韓国のソウルロボット高等学校の学生達とのコミュニケーションが行なわれた。ソウルロボット高等学校の学生達は、自分達が作ったさまざまなロボットのデモを見せてくれて、子ども達からは歓声が上がっていた。参加者の1人に話を聞いてみたところ、「プログラミングは初めてだけど、うまく動くととても嬉しい」とコメントしてくれた。

 CANVASは、「すべての子どもたちに、プログラミング教育を」というテーマを掲げており、今後もこうしたワークショップを開催していきたいとのことだ。

今回は「Hour of Code」の「Minecraftデザイナー」を利用してワークショップが行なわれた
上に課題が書かれており、その下のワークスペースでプログラミングを行なうと、その結果が左のマインクラフトのウィンドウ内に反映される
参加者は各自で課題を進めていき、何か分からないことがあったら、講師を呼ぶというスタイルだ
これは8つ目の課題。課題はだんだん難しくなっていく
最後の課題は、自由に自分だけのマインクラフトを作るというものだ
全ての課題をクリアすると、その終了認定証が表示される
最後に、韓国ソウルロボット高等学校の学生達とビデオチャットでのコミュニケーションが行なわれた
ビデオチャットのカメラの前に集まる子供達。積極的に挨拶などをしていた
韓国ソウルロボット高等学校の学生が製作した二足歩行ロボットがダンスを見せてくれた