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総額100万円の3Dプリントデザイン審査「LEVEL∞ AIR VENT HACKデザインコンテスト」の優秀作品が決定

~全144作品から選ばれた珠玉の16作品

新型LEVEL∞ C-Class。コンパクトで高性能なゲーミングPCである

 2016年11月15日、株式会社ユニットコムが開催していた、ケースのカスタムパーツデザインコンテスト「LEVEL∞ AIR VENT HACKデザインコンテスト」の最終審査会が行なわれ、応募作品全144作品の中から、優秀作品16作品が決定した。

 このデザインコンテストは、iiyama PCシリーズのゲーミングPCブランド「LEVEL∞」(レベルインフィニティ)の新型ケース「C-Class」の吸気口部分である「AIR VENT」に取り付け可能なカスタムパーツのデザインを競うものである。これまでのPCはスペックのカスタマイズはできたが、デザインのカスタマイズはできなかったので、それが可能な製品として、新型「C-Class」は設計されたとのことだ。

 審査にあたったのは、インダストリアルデザイナーの横井康秀氏、建築・環境デザイナーおよびBIMコンサルタントの重村珠穂氏、テクニカルライターの高橋敏也氏、MCJ代表取締役社長兼会長の高島勇二氏、Fusion 360エヴァンジェリストの藤村祐爾氏の5名である。

 まず、一次審査としてこの5名が全144作品の中からそれぞれ5作品ずつを選び、23作品(重複があったため)が通過。その23作品をrinkakの3Dプリントサービスを利用し、ポリアミド(ナイロン)で出力、その実物を見ながら最終審査が行なわれた。

 審査では、実際にC-Classの吸気口に作品を装着しての検証も行なわれ、最優秀賞1名、部門賞3名、特別企業賞3名、LEVEL∞賞1名、佳作①3名、佳作②5名の全16作品が優秀作品として選出された。

 どの作品も完成度が高かったが、中でも審査員の評価が高かったのが、最優秀賞に選ばれた「level flow」(sensitiveCube氏作)である。level flowは、かなり大きな作品であるが、ケースデザインとの調和が素晴らしく、装着することでC-Classの印象が大きく変わる。また、プロダクト部門の部門賞を獲得した「Air Vent Star Portal」(djgeenen氏作)は、レンズの絞りのように回転させることで、外観が変形し、開口部の大きさが変わるという、斬新な設計が賞賛されていた。rinkakの3Dプリントサービスの精度が高いこともあるが、ワンパーツとして出力されたものが、そのまま滑かに動く様子には感心した。以下、優秀作品を写真で紹介する。これらの優秀作品は、rinkakマーケットプレイスでの販売が行われる予定であり、C-Classのユーザーは気に入ったものを購入して、ケースをカスタマイズできる。

 なお、新型LEVEL∞ C-Classについては、本誌でレビューを行なう予定だ。

新型LEVEL∞ C-Classの両側面は、メッシュ仕様になっており、高い通気性を確保している
新型LEVEL∞ C-Classモデルのコンセプト。洗練されたデザインと高い実用性を持ちながら、コンパクトさと高い拡張性は前モデルを踏襲。さらにエアベント(吸気口)部分をカスタマイズ可能
新型LEVEL∞ C-Classモデルのデザインは、カブクの横井氏が担当しており、エレガントかつ力強いデザインとなっている
GeForce GTX 1060を搭載するなど、コンパクトでも高い性能を実現
エアベント部分はラウンド形状となっており、簡単に交換できるように設計されている。また、エアベントの3Dプリンタ用の基本データは、無償で公開されている
カブクが運営するマーケットプレイス「rinkak」から基本データを無償でダウンロードでき、自分がデザインしたものを好みの材質で出力することや他人がデザインしたものを購入することも可能
新型LEVEL∞ C-Classは、秋葉原、名古屋、大阪の「iiyama Store」で展示されているほか、12月上旬からはパソコン工房やグッドウィルでも店頭販売が開始される
AIR VENT HACKデザインコンテストの賞品。最優秀賞1名には賞金50万円が贈られる
審査員の横井康秀氏。株式会社カブクのインダストリアルデザイナーであり、審査会の司会進行も務めた
審査員の重村珠穂氏。建築・環境デザイナーおよびBIMコンサルタントで、アルゴリズムデザインラボの代表取締役社長を務める
審査員の高橋敏也氏。テクニカルライターとして、秋葉原などのイベントでもお馴染み
審査員の高島勇二氏。MCJ代表取締役社長兼会長である
審査員の藤村祐爾氏。オートデスク株式会社のFusion 360エヴァンジェリスト。渡米中とのことで、Skype経由で審査会に参加した
144作品から選ばれた全23作品をナイロン樹脂で出力したものが並んでいた
作品を手に取りながら、審査が行なわれた
また、各作品を実際に新型LEVEL∞ C-Classのエアベントに装着した状態での審査も行なわれた
最優秀賞に選ばれた「level flow」。sensitiveCube氏の作品で、ケースデザインと非常によくマッチする
最優秀賞の「level flow」を、実際に新型LEVEL∞ C-Classの吸気口に装着したところ
プロダクト部門賞に選ばれた「Air Vent Star Portal」。djgeenen氏の作品で、レンズの絞りのように回転させることで、開口部の大きさが変わり、外観も変形することが特徴。こちらは開いた状態
Air Vent Star Portalの開口部を閉じた状態
Air Vent Star Portalの変形の様子。非常に滑らかに回転するが、これが一度の3Dプリンタからの出力でできているのが凄い
Air Vent Star Portalを、実際に新型LEVEL∞ C-Classの吸気口に装着したところ。こちらは開口部を開いた状態
Air Vent Star Portalを、実際に新型LEVEL∞ C-Classの吸気口に装着したところ。開口部を閉じた状態
アート部門賞に選ばれた「ハッチ」。sigma6289氏の作品で、宇宙船のハッチに見立てたデザイン。夢のある作品だ
「ハッチ」を前面の空気口に 装着したところ
2Dグラフィック部門賞に選ばれた「Genghis Art Pattern」。Genghis氏の作品
LEVEL∞賞に選ばれた「Ripple」。UTB氏の作品で、形がないものの一瞬の形をイメージした作品
アート部門の特別企業賞に選ばれた「月・花・虫」。sigma6289氏の作品で、月夜に揺れる花とゾウムシをイメージしている
月・花・虫を、実際に実際に新型LEVEL∞ C-Classの吸気口に装着したところ
プロダクト部門の特別企業賞に選ばれた「香る空気口」。tsune氏の作品で、中にポプリを入れられるようになっており、PCを起動すると部屋にポプリの香りがただようというもの
2Dグラフィック部門の特別企業賞に選ばれた「Kamon」。sigma6289氏の作品で、その名の通り、家紋をデザインしたものだ
佳作①に選ばれた「Tentacle 1」。yzorg氏の作品で、タコの触手をイメージしたデザインである
佳作①に選ばれた「FLUID」。shanga氏の作品で、流体シミュレーションによる気流を立体化したもの
佳作①に選ばれた「Warm Hand」。Koom氏の作品で、手の形をしており、紙コップを持たせることができる
佳作②に選ばれた「BLACK WIDOW」。shanga氏の作品で、アメリカ原産のクモをイメージしている
佳作②に選ばれた「Rinkak kabuku x LEVEL∞ - Yume」。klyde氏の作品で、LEVEL∞のロゴマークにキャラクターを組み合わせたもの
佳作②に選ばれた「組籠」。Toudou氏の作品で、籠を織り組み込んだ形になっている
佳作②に選ばれた「DOUBLESPOTLIGHT」。sakai-k氏の作品で、どんな部屋にも合うシンプルデザインを目指して作られた
佳作②に選ばれた「Chaotic Voronoi」。Genghis氏の作品で、カオスな網目構造が特徴