やじうまミニレビュー
通話だけじゃなく、CortanaやSiriの操作にも使えるヘッドセット
~バッファロー「BSHSBE34」
(2016/1/28 06:00)
バッファローの「BSHSBE34」は、Bluetooth接続のヘッドセットで、スマートフォンと組み合わせてハンズフリーで通話するための製品だ。
この手の製品はかなり前から存在するが、BSHSBE34は2015年12月に発売されたばかりの新製品。デュアルマイクを利用したノイズキャンセリングはもちろん、VoLTE向けの「HD Voice」に対応し、VoLTE通話時の高音質をウリにしている点は、最近の製品ならではだろう。
もう1つイマドキの製品の特徴として、本製品は「Google Now」や「Siri」といった音声認識機能向け用途が訴求されている。PC Watchでのレビューということで、その辺りに焦点を当てつつ、紹介したい。
本体の外観は、片耳用として一般的なものだが、iPhoneを意識したと思われるメタリックな塗装が施されており、上品な感じだ。カラーバリエーションはブラック、ゴールド、シルバーがあり、税別定価はいずれも8,400円だが、1月26日時点でのAmazon.co.jpでの実売価格は、順に5,700円前後、4,500円前後、5,000円前後と結構な開きがある。これはブラックについては、品切れになっていることが影響してるようだ。
使うにあたっては、まず組み合わせる端末とペアリングを行なう。Bluetooth機器のペアリングを行なったことがある人ならおなじみの手順だし、説明書にも書かれているが、簡単に紹介すると、スマートフォンやPCでBluetooth機器の検出画面を開いた上で、BSHSBE34の最上部にあるファンクションボタンを5秒以上長押しする。この時、本製品から「ペアリングモード。新しい機器を検索しています」との音声ガイダンスが流れると同時に、内側にあるステータスLEDが赤と青に交互に点滅する。スマートフォンやPCからは「BSHSBE34」の製品名が見えるはずなので、ペアリングをセットする。接続するスマートフォンがNFC対応の場合は、スマートフォンのBluetoothとNFCをオンにした上で、BSHSBE34とスマートフォンを近づければペアリングできる。
ちなみに、接続時、接続の解除時やバッテリ残量なども適宜音声で案内が流れる。また、バッテリ残量について、iOSではステータスバーにBSHSBE34のバッテリ残量がアイコン表示される。
スマートフォンと接続した場合は、デフォルトでスマートフォン側のスピーカーとマイクは無効になり、BSHSBE34のものが使われる。電話の着信があった場合は、ファンクションボタンを押せば、通話ができる。
通話以外の用途としては、先にも挙げたGoogle NowやSiriにも使える。iPhoneの場合は、ファンクションボタン長押しでSiriが起動する。Google Nowについても同様にファンクションボタン長押しで起動するはずなのだが、これは機種によって割り当てが違うとのことで、実際手元の「Xperia GX」と「ZenFone Selfie」ではGoogle Nowではなくボイスダイヤルが起動した。また、「Nexus 7(2013)」では何も起動しなかった。
ただし、多くの場合、Google NowやSiriでは、音声入力した結果を画面で見ることになる、つまり端末を手に持っているということを考えると、本体のマイク/スピーカーで使ってもいいわけで、BSHSBE34を使ったからと言って格段に便利になるわけではない。
それよりも、筆者としては、仕事PCとBSHSBE34との組み合わせがなかなか便利なのではと感じた。
具体例の1つは音楽再生。筆者は原稿執筆の際、なんとなく音楽を聴いていることがある。ただし、周囲から話しかけられることも頻繁にあるので、イヤフォンの片方は外している。そうすると、左右のチャンネルで違う楽器を流している曲の場合、一部の楽器が聞こえなくなるのだが、BSHSBE34では片方の耳にステレオをダウンミックスするので、そういうことがなく、かつ残りの耳で周囲の音も聞くことができる。また、筆者は業務でYouTube映像などを観ることもあるので、そう言った際もPCの置き場に左右されず無線で音声を聞くことができるヘッドセットは便利だ。
音楽用製品ではないので、音質にはあまり期待できないが、なんとなくBGMが聞こえてればいいという場合に向いていると感じた。ただ、構造上、結構音漏れするので、電車内での使用には向かない。
もう1つ、今後さらに役に立ちそうなのが、Windows 10のCortanaでの利用だ。利用環境にもよるが、PCはスマートフォンより離れた場所に置いていることが多いので、マイクが声をうまく拾ってくれないことも多い。そういう場合に、BSHSBE34を使うと、声を張らなくても音声入力ができる。今はまだ日本語版Cortanaの機能は限定的だが、もう少しいろいろな操作ができるようになれば、家のリビングのTVに繋いだスティックPCを操作するのに、マウス/キーボードを使わず、声で操れるようになり、この手の製品の出番が増えるだろう。
なお、PCにオーディオデバイスを追加した場合は、手動でそのデバイスを既定にしないと鳴らない場合がままある。そういう時は、タスクバーのスピーカーのアイコンを右クリックし、再生デバイスを開き、使いたいデバイスを選んで「既定値に設定」を押す。マイクについても同様だ。
日本では通話用にヘッドセットを使う人は少ないが、運転中に通話する機会がある人は、必須のアイテムと言える。それに合わせて、スマートフォンのアプリをカーナビとして使う人は、その音声を聞くのにこのヘッドセットを使うのもありだろう。