山田祥平のWindows 7 ユーザーズ・ワークベンチ

Windowsの言語環境カスタマイズと国際対応



 Windows 7の国際対応と言語ごとの形式カスタマイズに関しては、もはや、これ以上は何が必要なのだろうかと思うほどに充実している。今回は、そのバリエーションについて紹介することにしよう。

●週の始まりはやっぱり月曜日

 週の始まりは日曜日だが、実際の生活の中では、週末の予定は土日で連続するものが少なくない。また、週明けというと、やはり、月曜日というイメージも強い。だから、個人的にはカレンダーは月曜日から始まり、日曜日に終わってほしい。

 世の中、そう考える人が少なくないようで、文具店に行けば、月曜始まりのカレンダーや手帳が並んでいる。でも、多くのカレンダーはそうはなっていない。ちょっと気の利いたデザインの卓上カレンダーをもらったりしても、日曜始まりというだけで、ゴミ箱行きということになってしまう場合もあるのは残念だ。家の中に2つの形式のカレンダーが混在していると、混乱してしまうからだ。

 でも、PCは、ソフトウェアでどうにでもなる。ローカルにインストールするアプリケーションはもちろん、クラウドの予定表ツールまで、ほとんどのものが、週の開始曜日を指定する機能を持っている。

 Windowsにも、OSとして、週の始まりの曜日を指定することができる。これは、Vistaまでにはなかった機能だ。タスクバー右端の日付表示をクリックすると、当月のカレンダーと現在時刻が大きく表示されるが、そのカレンダーの始まる曜日は、デフォルトでは日曜日となっている。その表示の下部にあるコマンドリンク「日付と時刻の設定の変更」をクリックすると、その表示がウィンドウ表示に遷移。ここで、「日付と時刻の変更」ボタンを押せば、その修正ができる。

 ここの「日付と時刻の設定」画面から、コマンドリンク「カレンダーの設定の変更」をクリックすると、コントロールパネルの「地域と言語」が呼び出され、ここで細かい日時表現の形式を指定することができる。

日付と時刻のダイアログ
長い形式、短い形式を日付と時刻の両方に対して指定しておけるほか、週の最初の曜日も指定ができる

 週の最初の曜日は、ここで指定することができる。ほとんどのユーザーは日曜日から始まるカレンダーに慣れ親しんでいるかもしれないが、月曜日から始まるカレンダーはかなり便利だ。また、職業によっては、木曜日を週の始めにしたいなど、別の曜日を指定したいニーズもあるだろう。

 週の始まりの曜日を変更すると、まず、タスクバー右端の現在時刻をクリックしたときのカレンダー表示も連動して変わる。また、ガジェットで表示させる月表示のカレンダーも同様に指定した曜日で始まるようになる。

週の最初の曜日を変更するとガジェットの表示が変わる。すでに追加されているガジェットはいったん終了させてもう一度起動させないと反映されないようだタスクバー右端の日付と時刻をクリックしたときの表示も、月曜始まりに変わった

●任意の形式で日付と時刻を表示する

 「地域と言語」では、日付と時刻の形式を細かく設定できる。Windowsでは、さまざまなところで日付や時刻が表示される。それは、現在時刻に限ったことではなく、たとえば、エクスプローラーでファイル一覧を詳細表示させたような場合もだ。

 日付と時刻の表示には、それぞれ短い形式と長い形式がある。それぞれを自分の好みの形式に指定することができるのだ。

データ形式は、表記記号を組み合わせて自由な形式を作成できる

 指定では、次の略号を使って表記する。

・時間の表記
hまたはhh 時 (hh は先頭に 0 を付けずに時数を表示)
mまたはmm 分 (mm は先頭に 0 を付けずに分数を表示)
sまたはss 秒 (ss は先頭に 0 を付けずに秒数を表示)
tt A.M. または P.M.
h/H 12 または 24 時間表示

・日付の表記
dまたはdd 日(dd は先頭に 0 を付けずに日付を表示)
ddd, dddd 曜日(dddは短く、ddddは長く)
M 月
y 年
gg 元号

表記では、任意の文字列を含むことができるので、スラッシュや括弧などを使って自分好みの表記を作ることもできる。ここで「追加の設定」ボタンをクリックすると、形式のカスタマイズダイアログが表示されるので、時刻タブ、日付タブで、設定すればいい。文字列を使いたい場合にはシングルクォートで囲む。

 たとえば、日付の長い形式を、

2010年9月10日(金)

と、曜日つきにしたいのであれば、

yyyy'年'M'月'd'日''('dddd')'

と記述しておく。日本では、元号表記にしたい場合もあるかもしれない。そのような場合にもきちんと対応しているので、自分でわかりやすいように設定しておこう。ちなみに、タスクバー右端の日付と時刻の表示は、それぞれ短い形式が使われる。デフォルトでは曜日の表示がないが、設定すればきちんと表示されるようになる。

●言語の切替と国際対応

 日付や時刻の表示については、その環境での言語を指定すると、デフォルトの設定がセットで切り変わる。さらに、言語環境そのものを変更することもできる。

 他言語の表示に関しては、ユーザー側で特別な設定をしなくても、ほとんどの言語が正常に表示される。ハングルや中国語、フランス語などのウェブページに行き当たっても、特に困ることはない。

 だが、他の国の言語を入力しなければならないとなると話は別だ。日本語には日本語入力のためのIMEがあるように、Windowsは標準で各国語のIMEを持っていて、任意のものを追加することができる。コントロールパネルの「地域と言語」の「キーボードと言語」タブで「キーボードの変更」をクリックすると、「テキストサービスと入力言語」のダイアログボックスが表示され、日本語以外に各種の入力言語サービスを追加することができる。

 複数の言語を追加することができるので、普段は日本語だが、たまに中国語、ときにはフランス語といった切り替えができる。Windowsでは、アプリケーションごとにIMEを別に使えるので、Excelでは中国語を入力しながら、Wordでは日本語を入力したいというケースにも対応ができる。言語の切り替えはAlt+Shiftでできるし、単一言語で複数のIMEがある場合は、Ctrl+ShiftでIMEが切り替わる。

テキストサービスと入力言語では、任意のIMEを追加することができる。1つの言語に対して複数のIMEの追加も可能だ
地域と言語ではキーボードを変更することで、IMEの変更ができる

 これで、表示と入力に関してはクリアになったが、新たな言語をインストールし、メニュー表示やダイアログの説明に使われる「表示言語」ボタンをクリックし、任意の言語をインストールすることもできる。

 地域の言語ダイアログで「言語のインストールまたはアンインストール」ボタンで設定ができるのだが、Windows 7のUltimateエディションなら、Windows Upadateで言語パックを導入することでインストールすることができる。言語パックは、マイクロソフトがLanguage Interface PacksとしてWebサイトで配布しているのだが、その利用には、UltimateまたはEnterpriseエディションのライセンスが必要なので注意してほしい。

 自分1人が使う限りは、表示言語を変更する必要はなさそうだが、たとえば、海外でPCのトラブルに遭遇したような場合に、日本語のわからない人にサポートを求めるときなどは、環境を他言語に切り替えられると何かと便利だ。

 というわけで、さまざまな国のさまざまな環境で使われるWindowsでは、これでもかというほどのカスタマイズができる。ぜひ、機能を活用してほしい。