PC使いこなし塾
Microsoft Office 2016をこれから使うあなたへ【第8回】
~Excel中級編その3。意外に知られていないExcelの隠れた便利機能
2016年6月10日 06:00
Excelというと表を作成するツール、というのが多くの人の認識です。しかし表を作るのは、ほんの一部の機能でしかありません。Excelの本当の実力が発揮されるのは、表を作成した”そのあと”です。今回は、そのあとに使う機能の中で、あまり知られていない「え? こんなこともできるの!」という、隠れた便利機能を紹介します。
次の3つは、簡単な操作ですぐに結果を目に(耳にも)することができます。今すぐ必要なくても使ってみたくなる機能です。
- フラッシュフィル - 自動的に文字列を整えてくれる!
- 条件付き書式 - 目的のデータやセルが一目で分かる!
- セルの読み上げ - セル内容をExcelが読み上げる!
文字列を自動的に整える!ルールに従ってデータを修正する「フラッシュフィル」
一覧表に入力したデータの構成をあとから変更したいということはよくあります。例えば、「氏名」に入力した名前を「姓」と「名」に分けたい、あるいは、「都道府県」と「市区町村番地」に分けて入力したデータを1つにしたい、そんな時に役に立つのが「フラッシュフィル」です。
フラッシュフィルは、ルールに従ってデータを自動的に編集する機能です。方法は、サンプルとしていくつかのデータを編集します。あとはフラッシュフィルを実行するだけです。これで、ほかのデータがサンプルと同じように編集されます。もしフラッシュフィル機能を使わなければ、関数を駆使してデータを作り直す必要がありますが、フラッシュフィルならアッという間です。難しい関数の知識も必要ありません。
フラッシュフィルは、サンプルとして入力したデータから規則を認識し、それに従ってほかのデータを変化させます。複雑な規則の場合は認識しないこともあるので、とりあえず試してみましょう。なお、フラッシュフィルは、Excel 2013、Excel 2016に装備されている比較的新しい機能です。
目的のデータやセルが一目で分かる!自動的に書式が変わる「条件付き書式」
データの中から条件に合うものを探す時、「条件付き書式」なら色ですぐに見つけられます。Excelでデータを探すというと、まず思い浮かぶのは「検索」機能ですが、「検索」は条件に合うセルに移動するのが目的です。「条件付き書式」は、条件に合うデータを目立たせる機能です。
「条件付き書式」は、セルに条件を設定し、その条件が満たされた時、書式(セルや文字の色、罫線など)が変わります。条件は、特定の文字を指定したり、数値なら「~より大きい」や「~から~まで」のような細かい指定も可能です
「条件付き書式」の基本をマスターしたら、さらに応用的な使い方にもチャレンジしてみましょう。条件付き書式は、入力データを目立たせるだけでなく、空白セルを目立たせることもできます。特定のセルが空白の時色が付くように設定しておけば、入力箇所を色で示すことができ、入力漏れを防げます。
このように「条件付き書式」は、工夫次第でいろいろな使い方ができます。[条件付き書式]→[上位/下位ルール]では、トップ10や平均値以上に色を付けるなどのバリエーションもあります。どんな場面に使えるか考えて見てください。
セル内容をExcelが読み上げる!「音声読み上げ機能」
Excelに読み上げ機能があることは、意外に知られていません。というのは、画面上のリボンには読み上げ機能のボタンが存在しないためです。使うにはボタンを「クイックアクセスツールバー」に表示しておくと便利ですす。一度表示しておけば、必要な時すぐに利用できます。セルで「Enter」キーを押すとデータを音声で読み上げてくれる読み上げ機能は、入力データのチェックなどに利用できる実用的な機能です。
「読み上げ機能」は、実はExcelの古いバージョンから存在します。昔はボタンが表示されていたのですが、現在よく使われるExcel 2013や2016では、ボタン表示がなくなったため、本当に隠れた機能になってしまいました。日本語の読み上げ精度はかなりのものです。入力データを目と耳でチェックしたい時に重宝します。
Excel 2016新機能紹介
Excel 2016の新機能「予測シート」は、既存のデータから将来のデータを予測します。月々の売上金額のデータから、今後の売上を予測し、数値とグラフで確認することができます。このような予測は、これまでのExcelでも関数を使えばできましたが、使い慣れない人にとってはハードルの高いものでした。Excel 2016の「予測シート」なら、今あるデータを崩すことなく、別の新しいシートに予測結果が表示されるので、気軽に使うことができます。
予測シートの使い方の詳細はできるネットの記事(Excel 2016の新機能「予測シート」の使い方。ワンクリックで将来の数値をグラフ化!)を参照ください。
製作協力:日本マイクロソフト