西川和久の不定期コラム
ASUS「ZenFone Zoom」(ZX551ML-WH128S4)
~まるでコンパクトカメラ! 手ぶれ補正付き3倍ズームレンズ搭載スマートフォン
(2016/2/18 06:00)
ASUSは1月25日、手ぶれ補正付き3倍ズームレンズを搭載したAndroidスマートフォンを発表した。搭載するSoCやストレージ容量、カラーバリエーションによって8種類ある中、最上位モデルが送られてきたので、試用レポートをお届けしたい。
HOYA製手ぶれ補正付き屈折光学系3倍ズームとAtomプロセッサのコンビネーション
冒頭に書いたように、今回発表されたのは、プレミアムレザーブラック/プレミアムレザーホワイトでAtom Z3590/128GB、プレミアムレザーブラック/プレミアムレザーホワイト/スタンダードブラック/スタンダードホワイトでAtom Z3580/64GB、そしてスタンダードブラック/スタンダードホワイトでAtom Z3580/32GBの計8モデル。
基本的にSoCとストレージの容量、カラーバリエーションの違いであり、IPS式5.5型フルHDパネルやメモリ4GBなど、他の仕様は共通だ。価格は49,800円から68,800円と、約2万円の幅がある。
今回手元に届いたのは最上位モデルのAtom Z3590、ストレージ128GB、プレミアムレザーホワイトの「ZX551ML-WH128S4」だ。主な仕様は以下の通り。
【表】ASUS「ZenFone Zoom」(ZX551ML-WH128S4)の仕様 | |
---|---|
SoC | Atom Z3590(4コア4スレッド、クロック 2.5GHz、キャッシュ 2MB) |
メモリ | 4GB(LPDDR3) |
ストレージ | 128GB/eMMC |
OS | Android 5.0(Lollipop) |
グラフィックス | PowerVR G6430 |
ディスプレイ | 5.5型IPS式フルHD(1,920×1,080ドット)、静電容量方式マルチタッチスクリーン、Gorilla Glass 4 |
ネットワーク | IEEE 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.1、NFC |
対応無線規格 | Micro SIM×1 2G:EDGE/GSM:850/900/1,800/1,900MHz 3G:W-CDMA 800(6)/800(19)/850(5)/900(8)/1,900(2)/2,100(1)MHz TD-SCDMA:1,900(39)/2,100(34) 4G:FDD-LTE:2,100(1)/1,900(2)/1,800(3)/850(5)/2,600(7)/900(8)/1,700(9)/800(18)/800(19)/700(28) TD-LTE:2,600(38)/1,900(39)/2,300(40)/2,600(41) |
インターフェイス | Micro USB2.0、microSDカードスロット、音声入出力、フロント500万画素/リア1300万画素カメラ(光学3倍ズームレンズ) |
センサー | GPS、加速度センサ、近接センサ、電子コンパス、光センサ、磁気センサ、ジャイロスコープ |
サイズ/重量 | 78.84×158.9×5~11.95mm(幅×奥行き×高さ)/185g |
バッテリ/駆動時間 | 3,000mAhリチウムポリマーバッテリ/Wi-Fi時約11.1時間、モバイル通信時約10.1時間、LTE連続待ち受け時間は約293.4時間、3G連続通話時間は約1,140分 |
カラーバリエーション | プレミアムレザーブラック、プレミアムレザーホワイト |
価格 | 68,800円 |
SoCはAtom Z3590。4コア4スレッドでクロックは2.5GHz、キャッシュは2MB。下位モデルに採用しているAtom Z3580はクロック2.33GHzとなる。Windows搭載機に使われるAtomとの違いは、内蔵グラフィックスがIntel HD Graphicsではなく、PowerVR G6430になっていること。
メモリはLPDDR3で4GB、ストレージはeMMCとは言え128GBも搭載している。ディスプレイは、IPS式の5.5型フルHD(1,920×1,080ドット/403ppi)で、Gorilla Glass 4を採用。外部出力用のHDMIはなく、HMLは試したところ対応していなかった。
これからも分かるように、安価な8型程度のWindowsマシンより強力な内容だ。はたしてスマートフォンにここまでのハードウェアが必要なのかは疑問だが、下位モデルが約5万円と驚くほど高価でもないので、これはこれでありなのだろう。
ネットワークは、IEEE 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.1、NFC。インターフェイスはMicro USB 2.0、microSDカードスロット、音声入出力、前面500万画素/背面1,300万画素カメラ(光学3倍ズームレンズ)。センサーはGPS、加速度、近接、電子コンパス、光、ジャイロを搭載。十分なスペックであり、不足の物はない。なお、本機最大の売りであるカメラについては中盤に別途記載したので参考にして欲しい。
SIMスロットはMicro SIMが1つ。対応無線規格は表をご覧いただきたい。VoLTEやキャリアアグリゲーションには非対応とは言え、SIMロックフリー機でこれだけ対応していれば上出来だろう。
サイズは158.9×78.84×5~11.95mm(高さ×幅×厚み)、重量185g。カメラに拘っている分、5.5型として少し厚みがあり、少し重い。
バッテリは着脱不可の3,000mAhリチウムポリマーバッテリを搭載し、ASUS BoostMasterによる急速充電で0から約60%まで39分と高速。駆動時間はWi-Fi時約11.1時間、モバイル通信時約10.1時間、LTE連続待ち受け時間は約293.4時間、3G連続通話時間は約1,140分と長めだ。
カラーバリエーションは、プレミアムレザーブラック/プレミアムレザーホワイトと、スタンダードブラック/スタンダードホワイトの4種類。
筐体はiPhone 6(s) Plusユーザーなら気にならないかも知れないが、スマートフォンとしては大きく重い。ただカメラとして考えた場合、あまりコンパクトで軽くてもホールドしにくいので、これはこれで悪くないだろう。
何と言っても背面にある円状のレンズ周辺がド迫力。何も知らない人が見れば、間違いなくカメラと思う。プレミアムレザーホワイトは色も手触りも良く上々。ただ汚れが目立ちそうな雰囲気だ。
前面は上に500万画素カメラ、周囲の白い部分はホワイトのiPhoneとよく似た仕上げだ。下のボタンはハードウェア式。右にズームボタンにもなる音量±ボタン、電源ボタン、録画ボタン、シャッターボタンを配置。上はマイク/ヘッドフォンコンボジャック、下にMicro USB 2.0。また下の左端にはストラップホールがある。左側には何もない。
付属品は、USB式ACアダプタ、USBケーブル、イヤフォン、替えのイヤーピース、ストラップ。ストラップの色も筐体に合わせてある。
IPS式5.5型フルHD液晶パネルは、明るさ、コントラスト、視野角も十分以上。高品質のものが使われている。色温度はsRGBに合わせている感じで青白くなく少し黄色い。好みもあると思うが、Splendidユーティリティで変更することも可能だ。
ノイズや振動はもちろん皆無。発熱も使用した範囲では問題無かった。サウンドはヘッドフォン出力、スピーカー共に最大にすると煩いほど。スピーカー出力は背面にある関係で持ち上げると後ろに音が抜けてしまうが、机の上などで反射させると低音もそれなりに鳴り出す。音色はAudioWizardで、ボリューム/ベース/高音域、5バンドイコライザーなどを使って調整可能と、至れり尽くせり。カメラ以外にもこだわっている部分だ。
初期設定の画面を全て掲載したので参考にして欲しい。Googleアカウント以外にASUSアカウントもあるため、若干ステップが多めとなっている。
まるでコンパクトカメラ並みの背面カメラ
掲載した写真からも分かるように、筐体にはシャッターボタンがあり、半押しでAF/AE/WBのロックができる。音量±ボタンはズーム作動に。これだけでもタッチパネルで操作するスマートフォンとは随分使い勝手が変わり、ほとんどコンパクトカメラを持っている気分だ。とは言え認識(意識)としてはスマートフォンなので、(慣れないと)とっさの時には、ついついタッチしてしまう……。普段の習慣とは怖いものだ。
カメラの設定は非常に豊富。モードだけでもオート/マニュアル撮影/HDR/美人エフェクト/超高解像度/ローライト(3M)/夜景/単焦点/エフェクト撮影/自分撮り/GIFアニメーション/パノラマ/ミニチュア/タイムシフト撮影/スマートリムーブ/オールスマイル/スローモーション/低速度撮影があり、更に美人エフェクトやエフェクト撮影では、いろいろフィルターが入っている。
一番使うであろうオートモードは、内蔵ストロボの自動/強制発光/OFF。マニュアルモードは、フォーカスの調整(マクロから無限遠)/シャッタースピード(32秒から1/16,000秒)/ISO(50から3,200)/露出補正(-2から+2、0.3ステップ)/ホワイトバランス(2500Kから6500K)が調整可能だ。マニュアルモード時、パネル内の各インジケータもマニアックな雰囲気になっている。なお、内蔵ストロボはデュアルカラートーンLEDフラッシュだ。
設定は、カメラ・画像:ホワイトバランス、ISO、明るさ、最適化、カメラ解像度(4M/5M/6M/8M/10M/13M)、手ブレ補正(Auto/OFF)、デジタルズーム(ON/OFF)、画質(スタンダード/ファイン)、タイムスタンプ(ON/OFF)。シューティングモード:タッチシャッター、セルフタイマー、連続撮影。フォーカス&露出:フォーカスモード、測光モード、タッチ自動露出、顔認識。
ビデオ録画・画像:ホワイトバランス、明るさ、動画の解像度(TV/HD/フルHD)、手ブレ補正、デジタルズーム、ビデオ設定。フォーカス&露出:タッチ自動露出。
その他・表示:スマートな明るさ、ガイドライン、情報、レビュー継続時間バーストレビュー、撮影時のシャッター画像。その他:シャッターボタンを押した時の動作、場所サービス、写真の方向修正、ちらつき防止、省電力モード、音量ボタンを押した時の設定、デフォルト設定に戻す。情報:チュートリアル、フィードバック&ヘルプ、問題を報告する、評価にご協力ください、バージョン。
書き出すだけでもかなりの量がある。これだけ実際に使うのかは不明であるが、何かしたいときにないより、あった方が無難といったところか。
レンズは35mm換算で28~84mmの光学3倍ズーム(32段階ステップズーム)。HOYAと協業し、4枚の非球面レンズ、4枚のガラス、2枚のプリズム、光学とデジタルと合わせて12倍ズームの屈折光学系を搭載している。Exifによると実際は4~11mm。絞りはf/2.7~4.8。さすがにテレ端は少し暗くなるようだ。
28mm/56mm/84mm相当で撮影した作例をご覧いただきたいが、デジタルズームではないため、どの画角も非常にシャープに写っているのが分かる。
撮影モードは基本オートで、露出補正が必要なシーンだけマニュアルへ切り替えている。解像度はデフォルトの10M/4,160×2,340ピクセル(16:9)、画質はスタンダード。
AFは最速約0.03秒とうたってるだけあってかなり速い。迷いも無くスパッと合う。いろいろ撮ってて「おー!」と思ったのは、日向の写真。テレ端の84mm相当で撮影したところ、スマートフォン内蔵のカメラとは言え、ちょっと背景がボケいい感じになっている。この絵が撮れるのは本機ならでは。またテレ端の最短撮影距離は30cm。花などは結構アップで写すことが可能だ。
夜景に関しては、銀座を歩きながらサクッと撮っているのであまりシャッタースピードを気にしていなかったが、Exifを見ると15分の1秒。手ぶれ補正機能が無く、あんな撮り方していると確実に手ぶれしていたと思われる。4段相当の光学手ぶれ補正機能はなかなか強力だ。
画質に関しては、掲載していないほかのカットも含め、割と同系色の細かいグラデーションは苦手で、作例の空の色や花の部分を見ても、ワザとらしく塗ったような彩度の高い感じになっている。これは同社のサイトに掲載している作例も同じ傾向で、全体的に立体感が無く平面的な写りだ。とは言え、夜景のレンガなどはかなり細かいところまで描写され、逆にネオンは鮮やか。記憶色重視なのかも知れない。
ダイナミックレンジはズーム倍率の作例を見ると、日向の部分から日陰の部分まで、破たんせずうまく表現できている。ISO感度が低いこともあるだろうが、個人的には合格点だ。また(内部で補正しているかも知れないが)ディストーションも見られず、垂直/水平線がシャキッとしていのも気持ちいい。
カメラがメインのスマートフォンということもあり、最大の13M(4:3)/4,160×3,120ピクセルの作例も掲載したい。ピクセル数から分かるように、10M(16:9)は、短辺を13M(4:3)からトリミングしているだけで、画質的には同じだ。
せっかく大容量のeMMCやmicroSDカードにも対応しているので、JPEGだけでなくDNGにも対応し、RAW現像できればと思うのは筆者だけではないだろう。いずれにしてもカメラ機能でここまで充実したスマートフォンはあまり例がなく「スマートフォンの内蔵カメラはちょっと……」と躊躇されている方には、画質はもちろん、ルックスや機能も含め面白い存在となりそうだ。
ATOKが標準装備などアプリ満載で快適な作動
そのほかの点について見ていこう。初期起動時のホーム画面は3画面。ZenUIと呼ばれる独自のUIを搭載しているので、素のAndroidとは少し違う操作性だが、大きく異なっていないので、特に戸惑う部分はない。
ホーム画面は、1画面目には何もなく、2画面目に」、「Apps4Uフォルダ」、「ASUSフォルダ」、「Googleフォルダ」、「メモリ解放」、「メール」、「Playストア。3画面目は」、「消費電力」、「自動起動マネージャー」、「MyASUS」、「Yahoo!」、「電子書籍」、「SmartToolsフォルダ」。ドックの部分には電話」、「メッセージ」、「ブラウザ」、「カメラ」を配置。
少し気になるのはSmartToolsフォルダにあるアプリと、既にホーム画面に配置しているアプリが一部重複していること。どちらか一方でいいような気がする。
下からスワイプすると、ホーム画面の管理が現れる。「アプリ&ウィジェット」、「ホーム編集」、「壁紙」、「ランチャーのテーマ」、「ZenUIのテーマ」、「アプリをロック」、「ユーザー設定」、「システム設定」、「その他の設定」などがここから行なえる。
逆に上からのスワイプで通知エリアが現れ、更にスワイプするとクイックボタンが引き出される。クイックボタンは、「懐中電灯」、「メモリ解放」、「電卓」、「自動起動マネージャー」、「Wi-Fi」、「自動回転」、「音声」、「片手モード」、「現在地」、「機内モード」、「モバイルデータ」、「ブルーライト低減フィルタ」、「アクセスポイント」、「Bluetooth」、「NFC」、「自動同期」……該当するアプリや設定をクイックに呼び出し可能だ。
片手モードは、iPhoneやWindows 10 Mobileは、画面が下半分になるのに対して、画面全体が縦横比そのまま縮小表示となる。また余った周囲、どの位置にもウィンドウをドラッグして配置可能だ。確かにこの方法であれば、右手持ち、左手持ちにかかわらず、片手で届く範囲にウィンドウを収めることができる。
さて、ここでもメモリ解放や自動起動マネージャーなど、ホーム画面に配置しているアプリと重複している。個人的にはあまりゴテゴテしているのは好みではないので、初期起動時、もう少し整理しても良いと思う。
Androidのバージョンは5.0。現在Intel版は5.1.1(5系の場合)なので若干古い。ストレージの空き領域は112GB。初期設定の画面キャプチャなどを撮影しているので、少し減っていると思われるが、それでも十分な容量だ。
ロック画面は、日付、時刻、天気に加え、通知やステータスなどが表示される。もちろんカスタマイズも可能。
アプリ画面は3画面。プリンストールのアプリは、「Googleフォルダに」、「Google」、「Chrome」、「Gmail」、「マップ」、「YouTube」、「ドライブ」、「Playミュージック」、「Playムービー&TV」、「ハングアウト」、「フォト」、「Google+」、「Playブックス」、「Playニューススタンド」、「Playゲーム。Apps4Uフォルダに」、「Clean Master」、「Dr. Booster」、「Amazon Kindle」、アプリのバックアップ」、「カメラ」、「カレンダー」、「ギャラリー」、「クイックメモ」、「システム更新」、「テーマ」、「ファイルマネージャー」、「ブラウザ」、「メール」、「メッセージ」、「やることリスト」、「音楽」、「音声レコーダー」、「音声検索」、「懐中電灯」、「時計」、「自動起動マネージャー」、「消費電力設定」、「設定」、「天候」、「電子書籍」、「電卓」、「電話」、「連絡先」、「ASUS Mobile Manager」、「ASUSサポート」、「ATOK」、「AudioWizard」、「FMラジオ」、「Google設定」、「i-フィルター」、「Laser Ruler」、「MiniMovie」、「MyASUS」、「PhotoCollage」、「Playストア」、「Share Link」、「Splendid」、「WebStorage」、「Yahoo!」、「ZenCircle」、「ZenFlash Camera」、「TripAdvisor」、「Zinio」、「Puffin Free」。
Google系のアプリを除いてもかなりの数がプリンストールされている。とは言え、以前ZenFoneを試用した時とあまり構成は変わっていないので、既存ユーザーには分かりやすい。逆に新規ユーザーは、どれで何ができるのか、慣れるまでは少し戸惑うこともありそうだ。
画面キャプチャは、システム的に特徴のあるアプリを主に掲載した。省電力設定のスーパー節約は、電話、SMS、アラームは活かしたままWi-FiはOFF=つまり昔のケータイ。これで230時間待機できるとある。SplendidとAudioWizardは先に説明した通り画面とサウンドを好みに調整可能だ。またZenFoneは以前からATOKを搭載しており、嬉しいユーザーは多いだろう。
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ベンチマークテストはAnTuTu BenchmarkとGoogle Octane 2.0を使用した。AnTuTu Benchmarkは61217で、Google Nexus 6より少し遅いと言ったところ。Google Octane 2.0は7445。Cherry Trail並みだ。試用した範囲では、とにかくサクサク作動する。下手なAtom PCよりも反応は速い。冒頭でスマートフォンにこれだけのスペックが必要なのか……と書いたが、やはり速さは魅力だ。
バッテリ駆動時間は、ローカルのフルHD動画を音量/明るさともに50%で連続再生したところ、約9時間でダウンした。これだけ見ると普通かもしれないが、何もしないでスリープの状態だと数日は充電不要ではと思うほどバッテリが持つ。パワーだけでなく、省電力もしっかりしているのは好感が持てる。
以上のようにASUS「ZenFone Zoom」(ZX551ML-WH128S4)は、5.5型IPS式フルHDパネルや手ぶれ補正付き屈折光学系3倍ズームを搭載したAndroidスマートフォンだ。Atomでメモリ4GB、ストレージ128GBは、8型Windows 10タブレットのエントリーモデルなどよりスペックが高く驚くばかり。ベンチマークテスト上の作動速度は最速ではないものの、十分以上に快適だ。そして何よりカメラがまるでコンパクトカメラ。AFの速さなどももちろんだが、デジタルズームと違い、光学3倍ズームのテレ端の写りはさすがといったところ。
スペックの範囲で特に気になる部分も無く、予算に応じて約2万円の幅があるのも嬉しいポイント。スマートフォンによりカメラを求めるユーザーにお勧めできる1台と言えよう。