西川和久の不定期コラム

レノボ・ジャパン「Yoga 2 13」

〜フルHDで360度液晶パネルが回転する「Yoga 2 Pro」の廉価版

「Yoga 2 13」

 レノボ・ジャパンは2月25日、Yogaシリーズの廉価版として「Yoga 2 11」と「Yoga 2 13」を発表。4月上旬から販売を開始する。前者が11.6型/Bay Trail-M、後者が13.3型/Core i5搭載機だ。今回は「Yoga 2 13」が編集部から送られて来たので、試用レポートをお届けする。

フルHDの液晶パネルが360度回転して4つのモードに変形

 冒頭で書いた通り、「Yoga 2 13」は「Yoga 2 Pro」(実売189,800円)の廉価版だ。「Yoga 2 Pro」は、プロセッサがCore i7、ストレージがSSDと、パフォーマンス面の違いもあるが、Yoga 2 13との最も大きな違いはパネルの解像度。上位機は同じ13.3型でも3,200×1,800ドットの超高解像度ディスプレイを採用している。

 ただ用途にもよるだろうが、最近、4Kモニタや8型フルHDなど、ppiの高い環境を試用したところ、現時点ではOS側の対応が遅れており、文字が細か過ぎて読みにくいと言う側面もある。従って、同サイズでフルHD(1,920×1,080ドット)解像度を望んでいたユーザーも多いのではないだろうか。そのニーズに答えて投入されたのがこの「Yoga 2 13」だ。主な仕様は以下の通り。

レノボ・ジャパン「Yoga 2 13」の仕様
プロセッサ Core i5-4200U(2コア/4スレッド、クロック 1.6GHz/Turbo Boost 2.6GHz、キャッシュ3MB、TDP 15W)
メモリ 8GB×1(PC3-12800 DDR3L SDRAM)/最大8GB
ストレージ 500GB+16GB SSHD(5,400rpm)
OS Windows 8.1(64bit)
ディスプレイ 13.3型フルHD/1,920x1,080ドット(光沢)、10点タッチ対応
グラフィックス プロセッサ内蔵Intel HD Graphics 4400、Micro HDMI×1
ネットワーク IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0
その他 USB 3.0×1、USB 2.0×1、SDカードリーダ、Webカメラ、音声入出力
バッテリ駆動時間 最大9.5時間(6セル)
サイズ/重量 330×221.2×17.3mm(幅×奥行き×高さ)/約1.66kg
価格 139,800円前後

 プロセッサはCore i5-4200U。クロック1.6GHz、Turbo Boost時2.6GHzまで上昇する。キャッシュは3MB、TDPは15Wだ。メモリはPC3-12800 DDR3L SDRAM 8GBを1枚。最大8GBで増設はできない。8GBあれば大半の用途で問題ないだろう。

 ストレージはキャッシュ用で16GBのNANDフラッシュを搭載した5,400rpm/500GBのSSHDを採用している。経験上、SSHDはベンチマークテストの結果こそHDDと大差ないものの、体感速度は随分違う。OSは64bit版のWindows 8.1。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵のIntel HD Graphics 4400。Micro HDMI出力を装備している。液晶ディスプレイは、13.3型フルHDで10点タッチに対応だ。360度回転できる独特のヒンジが使われており、ノートブック、タブレット、スタンド、テントの4モードに変形可能だ。

 ネットワークは、無線LANがIEEE 802.11b/g/n。Bluetooth 4.0も搭載。IEEE 802.11acと有線LANがないのは残念なところか。そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×1、USB 2.0×1、SDカードリーダ、Webカメラ、音声入出力。薄型なので、あまり多くのインターフェイスを搭載していない。

 サイズは330×221.2×17.3mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1.66kg。6セルのバッテリを内蔵し、最大駆動時間は9.5時間だ。カラーバリエーションは「ライトシルバー」と「クレメンタインオレンジ」の2種類用意され、価格は139,800円前後となる。

 なお11.6型HD解像度(1,366×768ドット)でBay Trail-MベースのPentium N3520(2.166GHz)を搭載した下位モデルの「Yoga 2 11」は104,800円前後となっている。このクラスが10万円を切ると売れ行きは一気に拡大すると思うのだが、難しいのだろうか。

前面。中央上にWebカメラ、裏のオレンジ色と、上側の黒い部分のコントラストが独特
斜め後ろから。バッテリを内蔵しているためスッキリしている。ただし着脱には非対応
下面。質感もよいオレンジ色。メモリなどにアクセスできる小さいパネルはない
左側面。電源入力、USB 2.0、音声入出力、SDカードリーダ
キーボード。アイソレーションタイプの88キー。キーボードバックライト搭載している
右側面。USB 3.0、Micro HDMI、音量±ボタン、回転ロック、電源ボタン
スタンドモード。液晶パネルが360度回転するためいろいろな形状で操作できる
タブレットモード。スタンドモードからそのまま液晶パネルを倒すとタブレットモードになる
テントモード。スタンドモードの上下を逆にするとテントモードになる
重量。実測で1,657g
キーピッチ。一部右側のキーピッチは狭くなっているが、主要部分は実測で約19mm。
ACアダプタ。サイズ/重量は105×65×17mm(同)/230g

 天板と裏がオレンジ色、そのほかはマット調のブラックと、一見派手そうなカラーリングだが、実物は派手ながらも落ち着いた感じだ。また全体的な仕上げも上々で所有欲を満たす。

 手前の側面は薄いだけあり何もなく、パネルの下にWindowsボタン、上にWebカメラがある程度だ。左側面は電源入力、USB 2.0、音声入出力、SDカードリーダ、右側面はUSB 3.0、Micro HDMI、音量アップ/ダウンボタン、回転ロック、電源ボタンを配置している。裏はメモリなどにアクセスできる小さいパネルはないが、すでに最大の8GB搭載済みなので開ける必要はないだろう。付属のACアダプタは、サイズ105×65×17mm(同)、重量230gと結構小型だ。

 13.3型の液晶パネルは、明記されていないのでIPSかどうかは不明だが、視野角は結構広く、明るさ/コントラスともに良好。発色も綺麗だ。クオリティの高いディスプレイを採用していると思われる。10点タッチの感度も良好で、Windows 8.1をスムーズに操作できる。

 キーボードはアイソレーションタイプの88キー。たわみもなくノートPCとしてはレベルが高い。Fn+Spaceキーでオン/オフできるキーボードバックライトを搭載しているので暗い場所でも入力しやすい。とは言えオンだと少し明る過ぎるためオンとオフの中間が欲しい。パームレストはフットプリントが広いので十分なスペースを確保できている。タッチパッドは1枚板タイプだ。

 振動やノイズ、発熱に関しては、試用した範囲では十分許容範囲に収まっている。サウンドは出力もあり、抜けが良く、クオリティが高い。音楽や動画も十分楽しめる。

SSHD搭載で体感速度的にバランスが取れた1台

 OSは64bit版のWindows 8.1。メモリを8GB搭載しているので快適に操作可能だ。スタート画面は2画面分、デスクトップは壁紙は変更されているが、左側にごみ箱のみとシンプルに構成されている。また「Baidu IME」が設定済みだ。

 タスクトレイには、通常のIntel系に加え、「Energy Manager」、「Lenovo Transition」、「Yoga Picks」、「Lenovo Smart Voice」など、多くのソフトウェアが常駐している。

 SSHDはWDC製「WD5000M22K-24Z1LT0-SSHD-16GB」が使われ、実質C:ドライブのみの1パーティションで約425GBが割り当てられ空きは397GB。Wi-FiとBluetoothモジュールはIntel製だ。

スタート画面1。Lenovoアプリ以降がプリインストール
スタート画面2。音声認識の「Dragon Assistant」以降がデスクトップアプリ
起動時のデスクトップ。ごみ箱のみとシンプル。Baidu IMEが設定済み
デバイスマネージャ/主要なデバイス。SSHDは「WDC WD5000M22K-24Z1LT0-SSHD-16GB」。Wi-FiとBluetoothモジュールはIntel製
HDDのパーティション。実質C:ドライブのみの1パーティションで約425GBが割り当てられている

 プリインストール済のソフトウェアは、Windowsストアアプリは、「AccuWeather for Windows 8」、「Evernote Touch」、「Hightail」、「Lenovo Companion」、「Live TV」、「NeroKwik」、「Support」、「Yahoo!オークション」、「Yoga Camera Man」、「Yoga Phone Companion」、「Yoga Photo Touch」、「Yoga Picks」、「Zinio Reader」など。

 Yoga Picksは、ラップトップ/スタンド/テント/タブレット各モードに適しているお勧めWindowsストアアプリを表示するユニークなアプリだ。

 Yoga Phone CompanionはWi-Fiを使ったスマートフォン(Android)連携ソフトウェアで、PCのテキストのやり取り、PCから発信、SMSの共有、PC側でファイルを再生などに対応している。

アプリ画面1
アプリ画面2
アプリ画面3
Yoga Picks/ラップトップ・モード
Yoga Picks/スタンド・モード
Yoga Picks/テント・モード
Yoga Picks/タブレット・モード
Yoga Phone Companion
Lenovo Support

 デスクトップアプリは、「SmartVoiceToast」、「Absolute Data Protect」、「CyberLink PowerDirector 10」、「Dolby Digital Plus」、「Kingsoft Office」、IntelやLenovo系ツール、マカフィーインターネットセキュリティなど。

 Lenovo Transitionは、ラップトップ/スタンド/テント/タブレット各モードに変形したとき自動的にフルスクリーンにするアプリを設定できる。VeriFace ProとMotion Controlは、搭載しているWebカメラを使い、操作や認証をするソフトウェアとなる。

Lenovo Transition
Lenovo Motion Control 2.0
Lenovo VeriFace Pro

 ベンチマークテストは「winsat formal」コマンドと、PCMark 8 バージョン2の結果を見たい。バッテリ駆動時間テストはBBench。またCrystalMarkの結果も掲載した(今回は2コア4スレッドと条件的には問題ない)。

 winsat formalの結果は、総合 5.4。プロセッサ 7.2、メモリ 7.5、グラフィックス 5.9、ゲーム用グラフィックス 5.4、プライマリハードディスク 5.9。PCMark 8 バージョン2は2248。CrystalMarkは、ALU 36741、FPU 36392、MEM 42490、HDD 12685、GDI 14492、D2D n/a、OGL 11839。

 何故かD2Dが動かなかったものの、Core i5搭載機としては平均的なスコアだ。ただ先に書いたように、SSHDは数値にこそ現れないものの、HDDとはあきらかに違うパフォーマンスで、ブートやシャットダウン、アプリの起動などは結構速い。

 BBenchは、省電力、キーボードも含めバックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残5%で25,362秒/7.5時間。最大9.5時間には2時間足らなかったものの、十分長い駆動時間だ。ただしバックライト最小はかなり暗く、実際はもう少し短くなると思われる。

「winsat formal」コマンド結果。総合 5.4。プロセッサ 7.2、メモリ 7.5、グラフィックス 5.9、ゲーム用グラフィックス 5.4、プライマリハードディスク 5.9
PCMark 8 バージョン2の結果。スコアは2248
BBenchの結果とEnergy Manager。バランス、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残5%で25,362秒/7.5時間
CrystalMarkの結果。ALU 36741、FPU 36392、MEM 42490、HDD 12685、GDI 14492、D2D n/a、OGL 11839

 以上のようにレノボ・ジャパンの「Yoga 2 13」は、液晶パネルが360度回転し、通常のノートPCの形状に加え、スタンドモード、タブレットモード、テントモードに変形できるコンバーチブルUltrabookだ。Core i5とSSHDでハイパフォーマンス。全体的な質感も良い。

 このクラスとしては、IEEE 802.11acと有線LANに未対応なのは残念な部分だが、特に欠点らしい欠点も見当たらない。コンバーチブルなUltrabookを探しているユーザーにお勧めの1台と言えよう。

(西川 和久 http://www.iwh12.jp/blog/