西川和久の不定期コラム

マウスコンピューター「LuvBook L/LB-L471S」

~タッチ対応14型HD+でCore i7とSSDを搭載して10万円を切るUltrabook

 マウスコンピューターは2月25日、Core i7、SSD、IEEE 802.11acなど全部入りに加え、タッチ対応14型HD+解像度の液晶パネルを搭載したUltabookを発表した。編集部から実機が送られて来たので、試用レポートをお届けする。

タッチ対応14型HD+で全部入りのUltrabook

 同社のサイトによるとこのLuvBook Lは仕様によって、「LB-L471S」、「LB-L471X」、「LB-L471X2」、「LB-L471X3」と4モデルある。1番の違いは搭載しているSSDの容量で、順に128/256/500GB/1TBとなる。価格は99,800円から179,800円。別途Office Personal 2013プリインストールモデルも用意されている。

 本来メモリは「LB-L471S」だけが4GB、ほかは全て8GBだが、現在、期間限定で8GB(8GB×1)に無償アップグレード中のため実質同じだ。今回届いたのは最下位モデルの「LB-L471S」。主な仕様は以下の通り。

マウスコンピューター「LuvBook L/LB-L471S」の仕様
プロセッサCore i7-4500U(2コア/4スレッド、クロック 1.8GHz/Turbo Boost 3.0GHz、キャッシュ4MB、TDP 15W)
メモリ4GB/DDR3L SO-DIMM PC3-12800×1(最大8GB)
ストレージSSD 128GB(mSATA)
OSWindows 8.1 (64bit)
ディスプレイ14型HD+(光沢)、1,600×900ドット、10点タッチ対応
グラフィックスプロセッサ内蔵Intel HD Graphics 4400、HDMI×1
ネットワークGigabit Ethernet、IEEE 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0+LE
その他USB 3.0×2、USB 2.0×1、SDカードリーダ、Webカメラ、音声入出力
バッテリ駆動時間最大11.5時間
サイズ/重量338×233×21.5mm(幅×奥行き×高さ)/約1.81kg
価格99,800円

 プロセッサはCore i7-4500U。2コア4スレッドで、クロックは1.8GHz。Turbo Boost時3.0GHzまで上昇する。キャッシュは4MBでTDPは15W。

 メモリはDDR3L SO-DIMM PC3-12800の4GB。スロットは1つで最大8GBとなる。先に書いたように8GBになっている。OSは64bit版Windows 8.1。ストレージはmSATAタイプの128GB SSDを搭載している。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel HD Graphics 4400。液晶パネルは、10点タッチ14型HD+(1,600×900ドット)を採用。外部出力用としてHDMI出力も装備している。

 ネットワークは、有線LANがGigabit Ethernet、無線LANがIEEE 802.11a/b/g/n/ac。Bluetooth 4.0+LEも搭載。Gigabit Ethernetに加えIEEE 802.11ac対応はポイントが高い。

 そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0×1、SDカードリーダ、Webカメラ、音声入出力。ネットワークに加え、必要なものは全部揃っており使いやすそうだ。

 サイズは338×233×21.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1.81kg。パネルが14型と言うこともあり、少し大きく重いものの、バッテリ駆動時間が最大11.5時間なので、屋外で使われるケースもあるだろう。価格は99,800円。スペックを考慮すると結構安価だ。

 カスタマイズは主にOSなどソフトウェア中心で、ハードウェアは、SSDの128GB SSD 東芝「HG5d」シリーズ/256GB SSD 東芝「HG5d」シリーズ/500GB SSD Samsung「840 EVO」シリーズ/1TB SSD Samsung「840 EVO」シリーズと、マウスなど周辺機器を選べるようになっている。

前面。先端は薄くなっているのが分かる。液晶パネル上中央にWebカメラ
斜め後ろから。写真からは分かりにくいが、薄くて細いラインが入っている。バッテリは内蔵で着脱できない
裏面。大きい1枚パネルで覆われ、メモリなどにアクセスできる小さいパネルは無い。左右のスリットはスピーカー
左側面。電源入力、SDカードリーダ、USB 2.0×1、音声入出力。電源入力の横にLEDがある
キーボードはアイソレーションタイプ。一部ピッチが狭いものもあるが気になる部分は無い
右側面。ロックポート、Gigabit Ethernet、USB 3.0×2、HDMI
重量は実測で1,818g
キーピッチは実測で約19mm
ACアダプタ。サイズは約110×43×20mm/210g。コネクタは眼鏡タイプ

 筐体はホワイトが基調になっており明るい感じだ。Ultrabookに多いアルミ削り出しではないため、質感はそれなりとは言え、特別チープな感じも無い。仕様上は約1.81kgだが、薄いこともあり、持ち上げた時は軽く感じる。

 左側面には、電源入力、SDカードリーダ、USB 2.0×1、音声入出力。電源入力の横にLEDがあり、赤と青のLEDが点等し、充電などの状態が分かるようになっている。右側面は、ロックポート、Gigabit Ethernet、USB 3.0×2、HDMI。液晶パネル正面上にWebカメラがある。

 バッテリは内蔵しており、その分、背面はスッキリしているものの着脱はできない。裏面はメモリなどにアクセスできる小さいパネルは無いが、既に最大のメモリ8GB、そしてSSDを搭載しているので特に開ける必要もないだろう。

 ACアダプタは、サイズ約110×43×20mm、重量210g。大き過ぎず、小さ過ぎず、このクラスとしては一般的な大きさだ。

 液晶パネルは光沢ありの14型HD+(1,600×900ドット)で10点タッチ対応。HD解像度ほど荒くなく、フルHDほど細かくなく、14型にはちょうど良い解像度で、タッチを使いスムーズに操作可能だ。やはりWindows 8.1はタッチ対応のパネルで使いたい。IPS式ではないため視野角は広くないが、正面から見る分には、明るさ・コントラスト、発色もクラス相応だと思われる。

 キーボードはアイソレーションタイプの10キー無し。たわみも少なく入力しやすい。フットプリントが大きいため、レイアウトに余裕がある。キーピッチは実測で約19mmを確保している。タッチパッドはボタンが無く、1枚プレートタイプだ。パームレストも広く使いやすい。

 発熱や振動、ノイズに関しては、試用した範囲では十分許容範囲内に収まっていた。サウンドはスピーカーが裏にあり、机などに反射して音が届くタイプだ。ナローレンジだが、最大出力も結構あり、音楽も動画もそれなりに楽しめる。

 実際使った感じでは、特に欠点らしい欠点も無く、価格を考慮すると、うまくまとまっているUltabookと言えよう。

バッテリ駆動で12時間越えに加え全体的にバランスの良い一台

 OSは64bit版のWindows 8.1。メモリが8GBに加えSSDなので、ブートやアプリの起動、パネルを開いた時の復帰も非常にスムーズだ。デスクトップは、同社製の壁紙に変わり、左側に若干のショートカットが並んでいる。

 SSDは「ADATA XM14 128GB」を搭載。パーティションはC:ドライブのみ。約104GBが割り当てられ空きは80.1GB。

 そのほかは、Gigabit EthernetがRealtek製、Wi-FiとBluetoothは、Intel製が使われている。Wi-FiはIEEE 802.11ac対応の「Intel Dual Band Wireless-AC 7260」。Haswell搭載のノートPCとしては標準的な構成だろう。

スタート画面1。Windows 8.1標準
スタート画面2。楽天gateway以降がプリインストール。最後の「ファイナルパソコンデータ引越し9 plus」はデスクトップアプリ
起動時のデスクトップ。同社製の壁紙に変わり、左側に若干のショートカットが並ぶ
デバイスマネージャ/主要なデバイス。SSDは「ADATA XM14 128GB」。Wi-FiとBluetoothは、Intel製
SSDのパーティション。C:ドライブのみの1パーティション。約104GBが割り当てられている

 プリインストール済のソフトウェアは、Windowsストアアプリは、「Hulu」、「NAVITIME」、「R25 for Windows8」、「じゃらん」、「ホットペッパーグルメ」、「ムビチケ」、「楽天gateway」など。ポピュラーなものばかりだ。

アプリ画面1
アプリ画面2
ホットペッパーグルメ

 デスクトップアプリは、「ファイナルパソコンデータ引越し9 plus」と「マカフィーインターネットセキュリティ」、Intelのツール系となる。タッチパッドのドライバには「Elan Smart-Pad」が使われていた。

 Windowsストアアプリ、デスクトップアプリ共に、特に本機固有のソフトウェアはインストールされていない。

ファイナルパソコンデータ引越し9 plus
Elan Smart-Pad
マカフィーインターネットセキュリティ

 ベンチマークテストは「winsat formal」コマンドと、PCMark 8 バージョン2の結果を見たい。バッテリ駆動時間テストはBBench。またCrystalMarkの結果も掲載した(今回は2コア4スレッドと条件的には問題ない)。

 winsat formalの結果は、総合 5.1。プロセッサ 7.4、メモリ 7.4、グラフィックス 5.1、ゲーム用グラフィックス 5.3、プライマリハードディスク 8.1。PCMark 8 バージョン2は2390。CrystalMarkは、ALU 43675、FPU 43352、MEM 29975、HDD 42859、GDI 15242、D2D 6343、OGL 12081。

 グラフィックスがIntel HD Graphics 4400なので全体の足を引っ張っているものの、それ以外はなかなかバランスも良く、実際操作しても快適だ。

 BBenchは、省電力、キーボードも含めバックライト最小、キーストローク出力/ON、Web巡回/ON、Wi-Fi/ON、Bluetooth/ONでの結果だ。バッテリの残5%で48,120秒/13.4時間。

 何と12時間を軽く越えてしまった。ただバックライトの輝度を最小にすると見にくいこともあり、実際はもう少し短くなると思われるが、それでもこれだけ持てば屋外でもかなりの長時間運用できる。

「winsat formal」コマンド結果。総合 5.1。プロセッサ 7.4、メモリ 7.4、グラフィックス 5.1、ゲーム用グラフィックス 5.3、プライマリハードディスク 8.1
PCMark 8 バージョン2。2390
BBench。バランス、バックライト最小、キーストローク出力/ON、Web巡回/ON、Wi-Fi/ON、Bluetooth/ONでの結果だ。バッテリの残5%で48,120秒/13.4時間
CrystalMark。ALU 43675、FPU 43352、MEM 29975、HDD 42859、GDI 15242、D2D 6343、OGL 12081

 以上のようにマウスコンピューター「LuvBook L/LB-L471S」は、Core i7、SSD、IEEE 802.11acなど基本部分を押さえた上で、10点タッチの14型HD+解像度液晶パネルを搭載したUltrabookだ。バッテリ駆動時間もBBenchで13.4時間と十分長い。

 パネルのクオリティはIPS式でないため今一歩とは言え、特に気になる部分も無く、10万円を切る価格を考慮するとなかなかバランスが取れている。

 安価で全部入りのUltrabookを探しているユーザーにお勧めの1台だ。

(西川 和久http://www.iwh12.jp/blog/