西川和久の不定期コラム

ドスパラ「ドスパラタブレットA07I-D15A」

〜7型でAndroid 4.1を搭載した1万円を切るタブレット

 ドスパラは11月26日、20周年記念イベントを行ない、同時に7型デュアルコアでAndroid 4.1を搭載したオリジナルタブレットを発表した。編集部から実機が送られて来たので試用レポートをお届けする。

【2013年2月21日追記】ドスパラより、実際に発売された製品の液晶パネルがIPSではなくTNであったことが発表されました。

7型&デュアルコアでAndroid 4.1を搭載

 昨今、この(約)7型タブレットの市場は、Nexus 7、iPad mini、Kindle Fire(HD)、そのほかAndroidを搭載したタブレットなど激戦区になっている。他国はともかく、国内においては従来の(約)10型タブレットは「片手で持つには大きく重い」、そして「ある程度高価」と言うのが、7型タブレット人気の理由になっているようだ。

 その人気市場にドスパラも7型タブレットを投入した。キーワードは、「7型IPSパネル」、「デュアルコア」、「Android 4.1」、「1万円を切る価格」となるだろうか。主な仕様は以下の通り。

ドスパラ「ドスパラタブレットA07I-D15A」の仕様
CPU Amlogic8726-M6(Cortex-A9デュアルコア/1.5GHz)
GPU Mali-400 MP
メモリ 1GB
ストレージ 8GB
OS Android 4.1
ディスプレイ 7型IPSディスプレイ、1,024×600ドット(169ppi)
ネットワーク IEEE 802.11b/g/n
その他 加速度センサー、Mini USB、Mini HDMI、microSDスロット、内蔵マイク、ヘッドフォン出力、モノラルスピーカー、200万画素フロントカメラ
バッテリ 3,700mAh(最大約6時間動作)
サイズ 120.45×189.3×11.2mm(幅×奥行き×高さ、サイドボタン含まず)
重量 340g
価格 9,980円

【お詫びと訂正】初出時に、Micro USB装備としておりましたが、Mini USBの誤りです。お詫びして訂正させて頂きます。

 プロセッサはAmlogic8726-M6。デュアルコアのCortex-A9でクロックは1.5GHz。メモリは1GB、そしてストレージは8GB搭載する。メモリは1GBと十分。一見ストレージの8GBは少なく見えるものの、microSDカードを使えるので、データなどはこちらやクラウドへ逃がせば十分実用的に運用できる。

 OSはほぼ最新のAndroid 4.1(Jelly Bean)。Androidの最新版は4.2だが、現時点ではNexus 4/7/10のみと対応機種がかなり限定されるため、多くのAndroid機から見れば最新版と言えよう。

 ディスプレイは7型のIPSパネルを搭載。広い視野角が特徴だ。解像度は1,024×600ドット(169ppi)。Nexus 7の1,280×800ドット(216ppi)には劣るが、7型のAndroidタブレットとしては一般的だ。

 ネットワークはIEEE 802.11b/g/n。Bluetoothは非対応。Bluetoohがあれば、ワイヤレススピーカーやキーボード/マウスを接続できるだけに残念なところ。

 そのほかのインターフェイスは、加速度センサー、Mini USB、Mini HDMI、microSDスロット、内蔵マイク、ヘッドフォン出力、モノラルスピーカー、200万画素フロントカメラ。

 Nexus 7にはなかったMini HDMIがあるのは魅力的だ。最大フルHD(1,920×1,080ドット)で液晶TVなどへ出力できる。また「Mini USB→USB(ホスト)ケーブル」が付属し、ここへキーボードやマウスを接続することもできる。GPSは非搭載。バッテリは3,700mAhで、最大約6時間駆動となる。

 サイズは120.45×189.3×11.2mm(幅×奥行き×高さ、サイドボタン含まず)、重量340g。Nexus 7が120×198.5×10.45mm(同)、340gなので、ほぼ同等だ。片手で持つには問題ないサイズ/重量となっている。

 価格は1万円を切る9,980円。ストレージは少ないものの、microSDカードスロットとMini HDMIを備え、IPSパネルを搭載したAndroid 4.1タブレットとしてはコストパフォーマンスが高い。

表面。液晶パネルのフチがブラック、その他はホワイト。IPSパネルなので視野角は広い
裏面。左端のスリットはモノラルスピーカー。右端に各ポートの名称が書かれている
右側面。ホームボタン、音量±ボタン、電源ボタン。左側は何もない。[電源]+[音量-]ボタンの同時押しで画面キャプチャを撮れる
上面。電源入力、Mini HDMI出力、Mini USB、microSDカードスロット、ヘッドフォン端子
ACアダプタ、Mini USB→USB(ホスト)ケーブル、Mini USB→USBケーブル、ヘッドフォン、説明書が付属する。
Nexus 7との比較。同じ7型と言うこともあり、ほとんど同じサイズ

 手元にNexus 7があるのでどうしても比較してしまうが、サイズ/重量は先に書いたようにほぼ同じ。パネルのフチの厚みも大差なし。裏側の色や素材が違う程度で、(好みもあるだろうが)物としての質感はあまり差がない。側面が角張っているので人によっては若干持ちにくいかも知れない。重量は実測で335gだった。

 7型IPSパネルの発色は自然で、妙な色被りもなく明るさは十分だ。自動的に輝度を調整する機能はなく、その場の状況に応じて手動で調整する必要がある。文字の細かさについては、Nexus 7の1,280×800ドット(216ppi)と1,024×600ドット(169ppi)の違いは大きく、やはり文字などでドットが見えてしまう。価格相応と割り切るしかないだろう。また、液晶パネルと表面ガラスとの厚みが若干あり、結果、タッチの際に少し位置がズレる傾向にある。ハードウェア的には唯一気になった点だ。

 右上にあるハードウェア的な[ホーム]ボタンは何に使うのか、と思っていた調べたところ、設定で全画面表示オン/オフのチェックがあり、オンにすると、下のステータスバーが非表示になり、画面を広く使うことができるようになる。この場合、[ホーム]や[戻る]などのソフトウェアボタンが表示されなくなり、いったんアプリを起動すると、これらのボタンが利用できないが、[ホーム]ボタンを押せば、ホーム画面に戻ることができるわけだ。

 サウンドに関しては、裏のパネルが共振することもあり、最大出力はNexus 7よりパワー感がある。これ以上必要な時や、ステレオで聞きたい場合は、ヘッドフォン端子からアクティブスピーカーなどへ接続すればいい。

 充電は基本的に付属のACアダプタで行なうが(約3時間でフル充電)、USBからでも可能だ。自宅ではACアダプタを使い、出先ではUSBからと、2通りの方法で行なえるため、充電に関しては困る事はない。

 試しにフルHDの動画をMoviePlayerで再生し続けて(明るさ音量ともに半分程度)で駆動時間をテストしたところ、5時間半ほど動作した。もう少し輝度を下げ、より軽い処理を実行した場合ならスペック通り6時間は行けそうだ。また、この時に、各コネクタなどがある左側面がほんのり暖かくなる程度の発熱はあったが十分許容範囲だ。

ケースの表面。色はダークグレーに近い。実測で109g
ケースの裏面。右上の穴はスピーカー用
ケースに本体を取り付けたところ。各コネクタやボタンはスリットがあり、アクセスできるようになっている
カバーをこのように折りたたむと横置き用のスタンドにもなる

 今回、予約特典の専用ケースも一緒に送られてきた。カラーラインナップはブラックとブラウンで、届いたのはブラックだ。カラー的にはブラックと言うより、濃いダークグレーのように感じる。本体がスッポリ収まるうえに、各コネクタなどはそのままアクセスできるよう、スリットが入っている。実測で重量は109g。本体と合わせても約450gと十分に軽くできている。

 また、カバーの部分は写真のように折りたたむと、横置きスタンド替わりにもなり便利。予約特典のあとの扱いは不明だが、ぜひ一緒に欲しいアイテムだ。

コストパフォーマンス抜群だがPlayストア非対応が惜しい

 起動してすぐに気が付いたのは、スマートフォンUIではなくタブレットUIになっていること。同じ7型を搭載したNexus 7はスマートフォンUIになっている。スマートフォンの画面が単に大きくなっただけと言う批評もあるが、実際使っていると特に不満はない。root化することによってタブレットUIも試せるのだが、特に何もせずそのまま使っているため、7型のタブレットUIは初対面となった。

 大きな違いはタブレットUIに対応したアプリだと左右に別れる2ペインになることだ。一番分かりやすいのは「設定」だろうか。スマートフォンUIだと、項目を選ぶたびに画面が切り替わって深い層の画面が表示されるが、タブレットUIの場合は左側に項目があり、それに応じて右側の内容が変わる。従ってあまり階層が深くなることはない。

 残念ながらAndroidに関しては、iOSほどタブレットUIに対応したアプリはなく、多くのアプリで実質スマートフォンUIを使用することになるため、現時点ではあまりタブレットUIのメリットが感じられない。

 動作自体は動画を掲載したのでご覧いただきたいが、デュアルコアCPUやMali-400 MP、そしてAndroid 4.1から対応した「表示フレームレートの向上(60fps)」によりとてもスムーズに画面が描画され、ストレスフリーで操作できる。試用したところNexus 7と大差ない印象だ。

【動画】スムーズに操作でき、スピードも速い
ホーム画面2ページ目。電源管理ウィジェットのみ
ホーム画面3ページ目。「設定」、「MoviePlayer」、「カメラ」、「音楽」、「マーケット」、「ブラウザ」、「クロックウィジェット」のアイコン
工場出荷時のアプリ。Androidでお馴染みの「Gmail」や「YouTube」、「連絡帳」などはない
ウィジェット1ページ目。「アナログ時計」、「カレンダー」、「フォトギャラリー」、「ブックマーク」、「ミュージック」、「メール」、「音楽」、「検索」のアイコン
ウィジェット2ページ目。「設定」、「電源管理」、「ESタスクマネージャー」のアイコン
ストレージの状態。画面キャプチャしたデータが若干含まれた状態のものだが、約5.7GBの空きがある
タブレット情報。Androidのバージョンは4.1.1
横表示時のホーム画面。タブレットUIでは、ステータスバーが下にくる。また、通知領域に相当する表示が異なる
AnTuTu 安兎兎ベンチマークv3.0.3の結果画面

 初期起動状態でのホーム画面はあっさりとしており2面のみ。2ページ目にはWi-Fi/回転/明るさを調整できる「電源管理」ウィジェットを配置。3ページ目は「設定」、「MoviePlayer」、「カメラ」、「音楽」、「マーケット」、「ブラウザ」、そして「クロック」ウィジェットが配置されている。ちなみにブラウザは、逆に4.1で標準装備になったChromeではなく、4.0と同等のブラウザだ。

 インストール済みのアプリは少なく、「カメラ」、「カレンダー」、「ギャラリー」、「ダウンロード」、「ブラウザ」、「マーケット」、「メール」、「音楽」、「音声レコーダー」、「検索」、「時計」、「設定」、「電卓」、「AppInstaller」、「ESファイルエクスプローラー」、「ESタスクマネージャー」、「FileBrowser」、「Flash Player Setting」、「HDMISwitch」、「MoviePlayer」、「Simeji」程度である。

 初期のウィジェットは、「アナログ時計」、「カレンダー」、「フォトギャラリー」、「ブックマーク」、「ミュージック」、「メール」、「音楽」、「検索」、「設定」、「電源管理」、「ESタスクマネージャー」の2面分となる。

 こうして見ると、Androidでお馴染みの「Gmail」や「YouTube」、「連絡帳」アプリなどがなく、逆に4.1では非対応になったFlash Player関連が入っている格好だ。実際ブラウザで確認したところ、Flash Playerが動作した。

 加えてマーケットは「Playストア」ではなく「Topnow Market」だ。このため「YouTube」アプリやベンチマークテスト用の「MOBILE GPUMARK」、「AnTuTu 安兎兎ベンチマーク」など、Playストアにしかないアプリはダウンロードできない。apkファイルを入手して、手動でインストールは可能だが、ある程度のスキルが必要で、初心者には難しいかも知れない。用途にもよるだろうが、ハードウェアとしての動作速度など特に不満ない分、ソフトウェアの面で唯一気になる点となった。

 参考までにapkファイルからインストールした「AnTuTu 安兎兎ベンチマーク v3.0.3」のテスト結果を掲載した。Nexus 7と比較しても健闘していることがわかる(ちなみにau版XOOMは総合5716と完敗だった)。

AnTuTu 安兎兎ベンチマークv3.0.3の結果

ドスパラタブレットA07I-D15A Nexus 7
総合 8893 12682
CPU 3275 6264
GPU 3282 3696
RAM 1478 1854
I/O 858 868

 なお、「Twonky Beam」(Versionは最新の3.3.1-89)は、同ストアにあったのでダウンロードして試したところ、一般的なH.264/フルHDの動画はスムーズに再生できたものの、nasneに録画した地デジの映像は「再生できませんでした。」と表示され再生できなかった。

Topnow Marketのトップ画面
Topnow Market/アプリ
Topnow Market/Playストアのアプリはダウンロードできない

 余談になるが、最近、入出力デバイスを持たないスティックタイプのAndroid機が出回っている。HDMIで液晶TVへ接続し、マウスやキーボードを加えることによって、PCを扱うようにAndroid機を操作できるデバイスだ。ただAndroid 4.1に対応したものは少なく価格も1万円近い。

 そう考えると、本機の存在は結構面白いポジションであり、ゆったり使う時にはMini HDMI出力やMini USB(ホスト)ケーブルを使い、液晶TVや(できればUSBタイプのワイヤレス型)のキーボード/マウスに接続しPCのように扱え、ごろ寝しながら片手で使う時はタブレットとして……と、2通りの楽しみ方ができ、それでいてスティック型と価格もさほど変わらない。つまり一石二鳥と言うわけだ。

HDMI出力の設定画面。デュアルディスプレイや自動切り替えのオン/オフを設定
「HDMISwitch」では、HDMIからの出力解像度も指定して切り替えられる
付属の「Mini USB→USB(ホスト)ケーブル」でマウスを接続。同様にキーボードも接続可能

 以上のようにドスパラ「ドスパラタブレットA07I-D15A」は、7型のIPSパネルとデュアルコア/1.5HGzのプロセッサを搭載した、1万円を切るAndroid 4.1タブレットだ。ストレージは8GBと少ないものの、microSDカードスロットやMini HDMIなど、Nexus 7にはなかった機能を持っているのは魅力的だ。

 ただし、アプリのダウンロードはPlayストア非対応でTopnow Marketに限定されるため、入手可能なものは限られる。この点さえ気にならなければコストパフォーマンス抜群の1台と言えるだろう。

(西川 和久 http://www.iwh12.jp/blog/