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アイ・オー・データ機器「LCD-RDT241XPB」

〜三菱電機のDNAを受け継ぐマルチメディア向けディスプレイ

LCD-RDT241XPB
液晶サイズ 23.8型
パネル方式 AH-IPS方式
表示解像度 1,920×1,080ドット
アスペクト比 16:9
画素ピッチ 0.2745×0.2745mm
表面処理 アンチグレア
タッチパネル なし
バックライト方式 LED
応答速度 14ms(GTG)、オーバードライブ最大時3.2ms(GTG)
コントラスト比 1,000:1(標準)
視野角 上下/左右178度
輝度 250cd/平方m
表示色 約1,677万色
走査周波数 水平:24.8kHz〜82.3kHz
垂直:56〜76Hz
チルト角度 下5度、上20度
高さ調節 3段階調節(15mm間隔)
スイベル なし
ピボット機能 なし
入力端子 DVI-D×1
HDMI×2(うち1つはMHL対応)
ミニD-Sub15ピン×1
D端子×1
RCAステレオ音声入力端子
ステレオミニジャック
出力端子 ヘッドフォン出力
スピーカー 2W+2W
VESAマウント 対応(100×100mm)
電源 内蔵
消費電力 標準27.1W、最大39W
付属品 DVI-Dケーブル
アナログRGBケーブル
オーディオケーブル
電源ケーブル
リモコン
本体サイズ 540×170×361〜391mm(幅×奥行き×高さ)
重量 約4.8kg

 アイ・オー・データ機器は、液晶ディスプレイの新モデル「LCD-RDT241XPB」を発表した。“GIGA CRYSTA”という新しいシリーズに属する製品で、超解像技術「ギアクリア・エンジンII」を搭載する点が大きな特徴。このシリーズ名や型番の“RDT”、ギガクリア・エンジンIIなどからピンと来る読者も多いと思うが、2013年末にディスプレイ事業を終息させた三菱電機との協力により、三菱電機製ディスプレイで採用されていた技術をふんだんに盛り込んだ製品となっている。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は39,800円前後(税別)。

本体デザイン

 LCD-RDT241XPBの本体デザインは、既存のアイ・オー・データ機器製液晶ディスプレイとはかなり異なり、まさしく三菱電機製ディスプレイそのものという印象を受ける。非常に幅の狭い左右側面および上部のフレーム幅やフレーム部と液晶面との段差がほとんどないフラットな構造、液晶下部のステレオスピーカ、電源やOSD操作用のタッチパネルが下部中央に配置される点などは、2013年5月に発売された「RDT235WX」とほぼ同等となっている。スタンドの形状や3段階の高さ調節が可能な点、入力端子の種類や設置場所なども同様だ。こういった点から、LCD-RDT241XPBはRDT235WXの直系の後継機種と考えて差し支えない。

 ただし、全く同じ仕様ということではない。液晶サイズはRDT235WXの23型に対しLCD-RDT241XPBは23.8型と大型化している。また、左右および上部のフレームから液晶表示部までの幅は、RDT235WXの12mmに対してLCD-RDT241XPBでは6.4mmと半分近くにまで狭くなっている。これによって、マルチディスプレイ時でもフレーム部分の存在がそれほど気にならず、より映像に没頭できるとのこと。こういった部分はアイ・オー・データ機器による開発とのことで、三菱電機からの技術供与のもとにアイ・オー・データ機器が手を加えて進化させたものと言える。

 本体サイズは、540×170×361〜391mm(幅×奥行き×高さ)。左右フレーム幅の狭さもあって、24型クラスの液晶ディスプレイとしてはかなりコンパクトなサイズとなっている。重量は約4.8kg。スタンドは、下5度から上20度の範囲内での角度調節が可能。高さ調節は15mm間隔で3段階に変更できるようになっているが、スタンド部を本体から外して調節する必要があるため、通常は固定での利用が基本となる。高さ調節はもう少し簡単に行なえる仕様であれば、利便性が高まり良かったように思う。電源ボタンや入力切り替え、OSD用の操作ボタンは液晶下部中央に配置。ボタンはタッチセンサーとなっており、操作時にはボタン機能がライトで浮かび上がるようになっている。なお、LCD-RDT241XPBでは各種操作を付属のリモコンで行なえるようになっているため、本体のボタンはほぼ緊急用と言える。

液晶パネル

 1,920×1,080ドット表示対応の23.8型パネルを採用。パネルの方式はAH-IPS方式。上下の視野角は上下/左右とも178度で、視点を移動させても色合いや明るさの変化はほとんど感じられない。パネル表面は非光沢のアンチグレア処理となっている。ゲームプレイ時や映像鑑賞時などに外光の映り込みが気になることはほぼないと言える。もちろん、文字入力作業の多いビジネス用途でも快適に利用できるはずだ。タッチパネルは非搭載。

 バックライトはLEDで、輝度は250cd/平方m。明るさはほぼ標準的と感じる。コントラスト比は標準で1,000:1とIPS方式のパネルとしてこちらも標準的。応答速度は標準では14ms(GTG)となるが、オーバードライブ機能を利用することで最高設定時では3.2ms(GTG)とIPSパネルとしてほぼ最速になる。オーバードライブ機能活用時には、動画再生時やゲームの高速スクロール時でも残像はほぼ感じられなくなる。この点は、RDT235WXからそのまま受け継がれている部分だ。

接続端子

 映像入力端子は、DVI-D×1、HDMI×2、ミニD-Sub15ピン×1、D端子×1の計5系統を用意。2系統あるHDMI端子のうち一方はMHLもサポートする。入力端子数の多さに加えて、D端子が用意される点は大きな特徴で、マルチメディア用途をメインターゲットとする製品らしい部分と言える。PCや家庭用ゲーム機だけでなく、AV・映像機器の接続にも便利に活用できる。もちろんこれらもRDT235WXから受け継がれている部分だ。

 映像端子以外としては、RCAおよびミニジャックのサウンド入力端子とヘッドフォン出力端子を備える。RCAステレオ音声入力はD端子用、ステレオミニジャックの音声入力はDVI-DまたはアナログRGB入力用となる。

 入力端子のうち、DVI-DとミニD-Sub15ピン、ステレオミニジャックの音声入力は背面下部に、HDMI×2とD端子、RCA音声入力は後部左側面に配置されている。家庭用ゲーム機やAV機器などを接続しやすいのは嬉しい。加えて、ヘッドフォン出力が本体前面下部に用意されている点も、利便性に優れる。

 液晶下部には、2W+2Wのステレオスピーカを搭載し、入力された音声を再生できる。音質は液晶ディスプレイ内蔵スピーカとして標準的で、特別高音質ということはないものの、簡易的なサウンド再生用途として申し分なく活用できる。

OSD

 OSDは、UIのデザインや用意されている項目など、三菱電機製ディスプレイに搭載されていたものとほとんど同じとなっている。機能的にはRDT235WXのOSDとほぼ同等で、色合いや明るさ、コントラストなどを細かく調節可能となっている。静止画、動画など、それぞれに細かく設定をプリセットでき、簡単に切り替えられる。ブルーライト低減機能も用意され、5段階に低減率を調整できる点も特徴の1つだ。

 2画面同時表示機能は、2画面を重ねて表示するピクチャー・イン・ピクチャー(PinP)と、2画面を並べて表示するピクチャー・アウト・ピクチャー(PoutP)の2種類を用意。PinPでは子画面のサイズを3段階に変更でき、表示場所も右上、右下、左上、左下の4カ所に切り替え可能。PoutPでは2画面を横に並べるとともに、一方を縦に長いアスペクト比にすることも可能で、PCの画面とスマートフォンの画面を並べて表示する場合に便利だ。

 OSDの操作は、本体正面下部のタッチセンサーボタンでも行なえるが、付属のリモコンで操作するのが基本となる。リモコンでは、本体の電源や入力切り替え、スピーカの音量調節はもちろん、十字に配置された方向ボタンなどを利用して直感的なOSD操作が行なえる。これによって、本体のボタンを利用した操作に比べ、圧倒的に扱いやすいと感じる。また、入力切り替えは全入力端子が独立したボタンで直接切り替えられるとともに、表示モードの変更や2画面表示モードの切り替え用の専用ボタンも用意されるなど、機能は多いが軽快に操作できる点は大きな魅力だ。

画質

 LCD-RDT241XPBはマルチメディア用途をターゲットとした、アイ・オー・データ機器製液晶ディスプレイとしてハイエンドクラスに位置付けられる製品だ。ただ、パネルの表示品質に関しては特に言及されておらず、表示色域なども非公開となっている。実際に、広色域表示に対応する液晶ディスプレイと比べると、全体的に淡くメリハリに欠ける色合いで、やや発色性能には劣る印象を受ける。とはいえ、特に表示品質が低い訳ではなく、液晶ディスプレイとして標準的な品質は十分にクリアしており、大きな不満を感じることはないだろう。

 ところで、LCD-RDT241XPBには、超解像技術「ギガクリア・エンジンII」を搭載しており、コントラスト補正や肌色検出による自然な肌色の再現、ブロックノイズ低減処理、内部10bitガンマ処理によるなめらかな階調表現などによる高画質化処理を実現している。発色はやや淡く感じるものの、まずまず満足のいく表示品質が実現されているのは、このギガクリア・エンジンIIによる画質補正が功を奏していると言えそうだ。

 また、ギガクリア・エンジンIIには3段階の超解像処理も搭載されており、低解像度の画像や映像も解像感を高めて表示できる。現在では、4KやフルHDの映像や画像が増えており、超解像技術を活用する場面は以前に比べて少なくなってきてはいる。それでも、ネット動画ではまだまだ低解像度の動画が多く存在しており、実際にそういった動画を表示する場合に超解像技術を利用すれば、よりクリアな表示が可能になることを確認した。そういった意味で、超解像技術もまだまだ活用できる場面は多いと感じた。

 もう1点、LCD-RDT241XPBには表示遅延を最小限に抑える“スルーモード”機能が用意されている点も特徴。スルーモードではPinP/PoutP、3次元ノイズリダクションがオフになるほか、オーバースキャンはFULL(100%)、画面サイズはアスペクトのみとなり、操作できなくなるが、ギガクリア・エンジンIIやオーバードライブ機能がオンのまま、表示遅延を最小0.1フレームにまで低減できるようになっている。

 例えば、ゴルフゲームなどのようにボタン操作のタイミングがシビアなゲームや、FPSの対戦プレイなどでは、わずかな表示遅延でも大きくプレイに支障を来すことがあるが、本製品のスルーモードなら表示遅延がわずか0.1フレームとほぼ認識できないレベルとなる。実際に家庭用ゲーム機を接続してゲームをプレイしてみたが、スルーモードでは入力に対して画面表示が即座に反応するため、非常に快適なプレイが可能だった。

 LCD-RDT241XPBは、表示品質は広色域表示対応のプロ向け製品には及ばないと感じるものの、個人のマルチメディア用途としては十分なクオリティが実現されている。また、ギガクリア・エンジンIIによるさまざまな映像処理機能の搭載、スルーモードによる表示遅延の低減、リモコンを利用した快適な操作性などもあり、非常に魅力的な製品に仕上がっていると感じる。

 唯一残念なのは、簡単に高さ調節の行なえないスタンド部分で、この点については今後の改善を期待したい。ただ、この点を差し引いても、十分な魅力を備える製品なのは間違いなく、価格的にも非常にお勧めできる製品と言える。何より、三菱電機製ディスプレイを愛用していた人にとって、新たな選択肢が登場したという点は、朗報と言っていいだろう。加えて、今回の製品にとどまらず、4Kパネルや広色域パネルなどに三菱電機製ディスプレイの各種機能を取り込んだ、意欲的な製品の投入にも期待したい。

(平澤 寿康)