Hothotレビュー

追加投入されたCore i7版「Surface Pro 4」。Core i5版との性能の違いを探る

日本マイクロソフト「Surface Pro 4」※タイプカバーは別売り

 2015年10月22日に発表され、当初12月の発売を予定していたCore i7版「Surface Pro 4」がようやく2016年1月22日に発売された。Surfaceシリーズとしては7番目、Surface Proシリーズとしては4番目となる本製品は、「Surface Pro 3」より大画面化・薄型化・軽量化を図りつつ、第6世代のSkylake-Uプロセッサを搭載して高速化を果たしつつ、同梱のデジタイザペン、同時発売のキーボードカバーで使い勝手も大幅に向上させている。Core m3、Core i5搭載版は2015年11月12日に発売されていたが、高性能を求めてCore i7搭載モデルを本命として待ち望んでいた方も多いことだろう。

 かく言う筆者もCore i5搭載モデル(8GBメモリ/256GB SSD)を購入していたのだが、今回Core i7搭載モデル(8GBメモリ/256GB SSD)の「Surface Pro 4 CQ9-00014」を試用する機会を得た。そこで今回は、Surface Pro 4の進化点や新機能をおさらいしつつ、Core i5搭載モデルとCore i7搭載モデルでどのくらい性能に差があるのかを中心にレビューしていきたいと思う。

Surface Pro 4のCore i7は高性能なiGPUを搭載

 Surface Pro 4には、「Core m3-6Y30(900MHz/2.20GHz)」、「Core i5-6300U(2.40/3.00GHz)」、「Core i7-6650U(2.2/3.4GHz)」の3つのプロセッサが用意されている(1月27日現在の構成。今後予告なしに変更される可能性がある)。この3つのプロセッサに4GB/8GB/16GBのメモリ、128GB/256GB/512GBのSSDが組み合わされ、全部で6種類のモデルがラインナップされている。

【表1】Surface Pro 4のラインナップ一覧
Surface Pro 4 SU3-00014 CR5-00014 CR3-00014 CQ9-00014 TH2-00014 TH4-00014
CPU Core m3-6Y30 Core i5-6300U Core i7-6650U
TDP 4.5W 15W
メモリ 4GB 8GB 16GB
ストレージ 128GB SSD 256GB SSD 512GB SSD
GPU HD Graphics 515 HD Graphics 520 Iris Graphics 540
ディスプレイ 12.3型(2,736×1,824ドット、267dpi)
OS Windows 10 Pro
価格 134,784円 150,984円 194,184円 231,984円 258,984円 312,984円

 Core i7-6650U搭載モデルで注目すべきはiGPU(CPU内蔵GPU)として「Intel Iris Graphics 540」を搭載していること。2月4日に発売される「Surface Book」はキーボード部にdGPU(外部GPU)として「NVIDIA Geforce GPU」を搭載しているが、CPUには「Core i7-6600U(2.60/3.40GHz)」が採用されており、そのiGPUはCore i5-6300Uと同じく「Intel HD Graphics 520」だ。Intel Iris Graphics 540はIntel HD Graphics 520の2倍のEU(Execution Unit、実行ユニット)を実装した上で、キャッシュ用のeDRAMを64MB搭載している。

【表2】iGPUの主な違い
  クロック周波数 EU数 eDRAMの有無
Intel HD Graphics 515 300MHz/850MHz 24基 なし
Intel HD Graphics 520 300MHz/1GHz(i7-6600Uは1.05GHz) 24基 なし
Intel Iris Graphics 540 300MHz/1.05GHz 48基 64MB

 つまりCore i7版Surface Pro 4は、Core m3版、Core i5版Surface Pro 4はもちろんのこと、タブレットモードで利用するCore i7版Surface Bookよりもグラフィックス性能が高いことになるわけだ。「Fallout 4」、「Grand Theft Auto V」、「Star Wars バトルフロント」などをプレイしたいのであれば迷わずハイエンドゲーミングPCを購入した方が良いが、比較的ライトな3Dゲームを楽しみたいのであれば、Intel Iris Graphics 540を搭載していることは重要なポイントとなるだろう。

Surface Pro 3より0.7mm薄型化、14g軽量化

 Surface Pro 4のデザインはSurface Pro 3とほとんど変わらない。目立って変更されているのは本体正面のWindowsボタンが廃されたこと、キックスタンド部のSurfaceロゴがWindowsロゴに変更されたこと、左側面にあったボリュームボタンが上面に移動したことぐらいだ。

 しかしシャーシは新規に作り起こされており、ディスプレイサイズが12型→12.3型へと大型化、解像度が2,160×1,440ドット(216dpi)→2,736×1,824ドット(267dpi)へと高精細化されているにもかかわらず、サイズ・重量は292×201.3×9.1mm(幅×奥行き×高さ)/800gから 、292.1×201.4×8.4mm(同)/786gへとわずかに薄型化・軽量化された。余談だがフットプリントがほとんど変更されなかったおかげで、改善された「Surface Pro 4 タイプカバー」はSurface Pro 3でもそのまま利用可能だ。

 Surface Pro 3より0.7mm薄型化、14g軽量化したとは言え、ほかのタブレットと比較するとSurface Pro 4は圧倒的に薄く、軽いわけではない。例えばタブレット時のSurface Bookは高さ7.7mm/重量726gだし、プラットフォームは異なるが「iPad Pro」は高さ6.9mm/重量713gだ。

 とは言えSurface Pro 4には本体のみで自立可能なキックスタンドが組み込まれ、最新のCore i7プロセッサとそれを冷却可能なファンを内蔵できるように設計されている。それを踏まえて考えれば、現時点のコンシューマ製品として限界まで高密度設計がなされていると言えるだろう。

【表3】主要タブレットと比較
  Surface Pro 4 Surface Pro 4(Type Cover装着時) Surface Book(タブレット時) Surface Book
サイズ 292.1×201.4×8.4mm 295×207.5×13.3mm(奥行きは実測) 312.3×220.2×7.7mm 312.3×232.1×22.8mm
重量 786g 1,081g 726g 1,579g(GPU搭載モデル)
ディスプレイ 12.3型2,736×1,824ドット(267dpi) 13.5型3,000×2,000ドット(267dpi)
  Surface Pro 3 Surface 3 iPad Pro iPad Air 2
サイズ 292×201.3×9.1mm 267×187×8.7mm 305.7×220.6×6.9mm 240×169.5×6.1mm
重量 800g 622g(Wi-Fiモデル) 713g(Wi-Fiモデル) 437g(Wi-Fiモデル)
ディスプレイ 12型2,160×1,440ドット(216dpi) 10.8型1,920×1,280ドット(214dpi) 12.9型2732×2048ドット(264dpi) 9.7型2,048×1,536ドット(264dpi)
本体前面。ディスプレイは12.3型2,736×1,824ドット(267dpi)。Surface Pro 3、Surface 3で向かって右に配置されていたWindowsボタンは廃止されている
ちょうど中央にあるのが500万画素の前面カメラ。写真では分かりにくいが、左から赤外線エミッター(放射器)、赤外線カメラ、前面カメラ、プライバシーライト、マイク、環境光センサーが並ぶ
本体背面。Surface Pro 3ではキックスタンド部にSurfaceロゴが刻印されていたが、Surface Pro 4ではSurface 3と同様にWindowsロゴに変更された
本体背面カメラ部アップ。左からバックカメラ(800万画素、オートフォーカス対応)、バックプライバシーライト、バックマイク
キックスタンドを上げると、本体背面下部にマイクロソフトのロゴとシリアル番号が、キックスタンド裏面には技術基準適合証明などの認証マークが刻印されている
本体背面左下にはmicroSDカードスロットを用意。挿入したままキックスタンドを閉じられるので、ストレージとして利用してもいいだろう
本体上面。ディスプレイ面を上に撮影している。右から電源ボタン、ボリュームボタン
本体底面。中央にあるのはカバー用端子
本体右側面。左からSurfaceConnect(充電、Surfaceドック用端子)、USB 3.0端子、Mini DisplayPortが並ぶ
本体左側面。左にあるのはヘッドセットジャック

電源アダプタ、キーボードカバー、ペン含む総重量は1,325g

 Surface Pro 4の同梱品は、電源アダプタ、電源ケーブル、Surfaceペン、Office Premium Home & Business プラス Office 365 サービス、安全性および保証に関するドキュメント、クイックスタートガイド、「PCリサイクルマーク」シール、Club Microsoftの案内(兼保証書)。Surface 3で省かれたSurfaceペンは標準で同梱されている。

 ちなみに「Office 365 Solo」のサブスクリプション版を契約している場合に、Office Premium Home & Business プラス Office 365サービスのプロダクトキーを入力すると、1カ月間ライセンス(1,274円)を契約しているのであれば、いったん毎月の支払いが中断し、12カ月間無料で利用でき、1年間ライセンス(12,744円)を契約しているのであれば、残り期間に12カ月が加算される。

 標準で同梱される電源アダプタは38.7W仕様。65W仕様の電源アダプタは後日発売される予定だ。どちらの電源アダプタにも充電用のUSBポートが用意されており、Surface Pro 4を充電しながら、スマートフォンや音楽プレーヤーを同時に充電できる。標準同梱の電源アダプタは比較的小型だが、電源ケーブルがかさばるのでサードパーティー製の電源プラグと交換したいところだ。しかし、この電源ケーブルのコネクタ間の幅が実測16.02mmと広いため、実測11.11mm前後の一般的な電源プラグは使用できない。サードパーティーからSurface Pro 4用の電源アダプタに装着できる電源プラグが発売されることに期待したい。

 重量は、本体が実測792g、Surface Pro 4 タイプカバーが実測305g、電源アダプタが実測206.2g、Surfaceペンが実測21.3g。合計すると実測1,325gとなる。重量に対しての許容範囲は個人差あるが、個人的には常に携帯するモバイルPCとして十分合格点を与えられる。

本体以外に、電源ケーブル、電源アダプタ、Surfaceペン、Office Premium Home & Business プラス Office 365 サービス、安全性および保証に関するドキュメント、クイックスタートガイド、「PCリサイクルマーク」シール、Club Microsoftの案内(兼保証書)が同梱
Office 365 Soloのサブスクリプション版を利用中に、Office Premium Home & Business プラス Office 365 サービスのプロダクトキーを入力すると、有効期限が12カ月延長される
同梱される電源アダプタ。電源ケーブルは短めだが、かさばるのが難点
電源アダプタ表面には認証マークがずらりと並ぶ。Surface Pro 4用の出力は12V/2.58A、USB端子用の出力は5V/1A
USB端子の少ないSurface Pro 4にとって、電源アダプタに設けられた充電用USB端子はいざというときに重宝する
電源ケーブルのコネクタ間の幅は実測16.02mm、一般的な電源プラグのコネクタは実測11.11mm。約4.91mm狭いため、サードパーティー製の電源プラグは利用できない
本体の重量は実測792g
Surface Pro 4 タイプカバーの重量は実測305g
電源アダプタの重量は実測206.2g
Surfaceペンの重量は実測21.3g
本体、Surface Pro 4 タイプカバー、電源アダプタ、Surfaceペンを合計すると実測1,325g。クラッチバッグなどに収納して携帯しても、ストレスを感じない重さだ

ペンの書き味やタイピングの感触が大幅に向上、熟成の領域に

 Surface Pro 4最大の売りのキックスタンドは150度まで無段階で角度を調整できる。途中の角度では画面を少し押せば傾いてしまうので、ある程度の筆圧で文字や絵を書くのであれば150度まで完全に開くべきだろう。神経質かもしれないが、キックスタンドの蝶番部分にかなり多めにグリスが塗られていることが気になった。滑らかな角度変更を実現するために必要なのかもしれないが、ホコリが付着して動きが渋くなるのではないかと少々心配だ。

 さてSurface Pro 4 タイプカバーはシアン、ブラック、ブルー、レッド、ティールグリーンの5色が用意されている。キーピッチは19mmを確保しつつ、上下左右に3mmの幅を空けたアイソレーション型キーボードとなっており、従来製品より打ちやすさは格段に向上した。また、取り付け部にはマグネットが2列仕込まれており、キーボード面を水平状態、またはチルト状態の2スタイルで利用できる。水平状態の方がテーブル面に密着するため剛性感という点では有利だが、Surface Pro 4 タイプカバーはかなり補強が施されているようで、チルト状態でもそれほどたわみを感じることはない。なおバックライトは従来モデルに引き続き搭載されている。

 Surface Pro 4 タイプカバーでもう1つ特筆しておきたいのが、トラックパッドが実測101.45×53.24mm(幅×奥行き)と約40%面積が広くなっていること。薄いながらもしっかりとしたクリック感があり、Windows 10の高精度タッチパッドに対応したジェスチャーを快適に操作できる。

 Surface Pro 4を試用してもっとも驚いたのがSurfaceペンの書き味の良さだ。筆圧検知が256段階から1,024段階になったこと、ペントップに消しゴム機能を搭載したこと、ワンクリックでOneNote起動、ダブルクリックでスクリーンキャプチャ、長押しでCortana起動可能になったこと、Surface Pro 4左側面にマグネットで固定できるようになったことなど数多くの新機能が搭載されているのだが、それらよりも書き味が飛躍的に向上したことに強く衝撃を受けた。主観ではあるが、Surfaceペンはタブレットに採用されているデジタイザペンでもっともアナログの筆記用具に近い書き味を実現していると感じた。また標準のペン先(HB)に加え、2H、H、HB、Bの4種類の「Surfaceペン先キット」がオプションで用意されている点も好感が持てる。デジタイザペンの書き味への飽くなき追求は、ぜひ他メーカーにも追従してもらいたいところだ。

キックスタンドは150度まで傾けられる。この角度はちょうど文字や絵を書くのに適している
蝶番部分にはかなり多めにグリスが塗られている。ホコリなどの付着で動きが渋くなるのが心配だ
キーピッチ19mm、キーの上下左右に3mm幅を設けたSurface Pro 4 タイプカバー
Surface Pro 4 タイプカバーの底面をテーブルに密着させると、どんなに強くタイピングしても当然キーボード面がたわむことはない
キーボード面に角度を付けるとキー全体に無理なく指が届くようになる。Surface Pro 4 タイプカバーは前モデルよりかなり補強されたようで、この状態でタイピングしてもそれほどたわみは感じない
内蔵されているバックライトは任意の明るさに調節可能だ
トラックパッドは約40%面積が広くなっており、Windows 10のジェスチャーを快適に操作できる
標準同梱のSurfaceペン。ペントップは消しゴム機能が割り当てられており、ペントップ側で描線を擦ればボタン操作なしに消すことができる。本体部分の横長の樹脂パーツは右クリックのためのボタン。押しながらタップするとマウスの右クリック操作が行なえる
単6電池1本を使用。少々入手しにくい電池なので予備があると安心だ
2H、H、HB、Bと異なる硬さ・摩擦係数のペン先をセットにした、Surfaceペン先キットが1,512円で用意されている
Surfaceペンは本体左側面に磁力で固定できる。上面、底面、右側面には装着できない
ワンクリックでOneNote起動、ダブルクリックでスクリーンキャプチャ、長押しでCortanaを起動可能。いずれの操作でもスリープ状態から起動するが、スクリーンキャプチャとCortanaの起動はロック解除されていなければ実行されない
適度な抵抗感がアナログの筆記用具を彷彿とさせる。書き味を例えるなら非常に柔らかい鉛筆やペン先の太いサインペンに近い。ただし摩擦係数が高い分ペン先の減りは早そうだ

ディスプレイ解像度は十二分、sRGBの画像を忠実に発色

 本モデルのディスプレイサイズは12.3型、解像度は2,736×1,824ドット(267dpi)。iPad ProとiPad Air 2の264dpiをわずかながら上回るのだから精細感は十二分なレベルだ。クリエイティブ志向をさらに強めたSurface Pro 4にはsRGBを100%カバーするディスプレイが搭載され、出荷時にすべてキャリブレーションが実施されている。

 実際にsRGBの色域で撮影した写真を鑑賞してみたが、繊細なグラデーションが滑らかに発色されていた。もちろんAdobe RGBの色域をカバーするディスプレイには及ばないだろうが、色が変な転び方をせず、白はあくまでも白く素直に発色するディスプレイは、多くの人にとって好感が持てる絵作りであるはずだ。

 スピーカーは目立たないが、本体前面の左右上部にそれぞれ搭載している。音の傾向はフラットな味付けで、最大音量でもビビリ音はなく、音が割れることもない。ただし最大音量でもそれほど大きな音にはならない。個人的な感覚では6畳の部屋では十分な音量だが、10畳の部屋で音楽を鑑賞するようなシチュエーションではやや物足りなさを感じた。

解像度は2,736×1,824ドット(267dpi)。iPad Pro、iPad Air 2をわずかながら上回る精細感を実現している。なおこの写真では、解像感を確認いただくため、少し暗めに撮影している
sRGBの色域を100%カバーしているだけに、花弁が実に瑞々しく階調豊かに発色されている
スピーカーは本体前面左右上部に実装。音質は素直で好印象だが、音量は少々物足りなく感じた

Core i7版で高負荷時に性能の低下を確認

 今回Core i7版Surface Pro 4の発熱とファン音を確認するため、Core i5版Surface Pro 4を比較対象機種として使用した。発熱を計測するために使ったのは、長波赤外線センサーで最小0.1℃の温度差を計測できる「FLIR ONE」。計測環境に室温計を設置してからエアコンを稼働し、室温22度に安定してからベンチマークアプリ「CINEBENCH R15」を連続5回実行し、その際の表面温度を「FLIR ONE」で計測した。合わせて「Core Temp 1.0 RC6」で、CINEBENCH R15実行中のクロック周波数やプロセッサの温度を確認した。

 結果はCore i7版Surface Pro 4の正面の最大温度が45.9℃、背面の最大温度が49℃、Core i5版Surface Pro 4の正面の最大温度が41.9℃、背面の最大温度が45.2℃であった。どちらの機種でも最大温度となっているのは、正面から見て中央やや右上の箇所なので、タブレットモードで横持ちしているときには触れない場所ではある。ただしタブレットモードで縦持ちする際には、排気口側である本体上面を持つことは避けた方が良さそうだ。

 さて、発熱によりプロセッサのクロック周波数が低下するサーマルスロットリング現象にはSurface Pro 3ユーザーの多くが悩まされていたが、室温22℃でCINEBENCH R15を連続動作させるという条件では“クロック周波数が低下する”現象は確認できなかった。しかしCore i7版Surface Pro 4のプロセッサ最大温度は86〜88℃、Core i5版Surface Pro 4のプロセッサ最大温度は61℃と大きな開きがあり、また前者はCINEBENCH R15を5回実行した時のCPUスコアが340 cbから311 cbへと大幅に低下している。サーマルスロットリングと断定できる現象は確認できなかったが、Core i7版Surface Pro 4が高負荷時にプロセッサの温度が86〜88℃に達すること、そしてなんらかの要因で性能が低下することは間違いないようだ。

 なおファンの音については、Core i7版とCore i5版のSurface Pro 4で明確な音量/音質の差は感じられなかった。両機種のファンの音を比較した動画を作成したので、参考にしてほしい。

両機種の中央に室温計を設置。エアコンで室温が22℃に安定した状態で計測を実施した
長波赤外線センサーで最小0.1℃の温度差を計測できるFLIR ONEを使用。Core i7版Surface Pro 4の正面の表面温度は、最大45.9℃、最小33.7℃、平均40.6℃
Core i5版Surface Pro 4の正面の表面温度は、最大41.9℃、最小32.8℃、平均38.0℃
Core i7版Surface Pro 4の背面の表面温度は、最大49.0℃、最小34.3℃、平均40.4℃
Core i5版Surface Pro 4の背面の表面温度は、最大45.2℃、最小30.4℃、平均38.8℃
Core i7版Surface Pro 4で「CINEBENCH R15」を連続5回実行した際のプロセッサ最大温度は86〜88℃。CPUスコアが340 cbから311 cbへと大幅に低下している
Core i5版Surface Pro 4で「CINEBENCH R15」を連続5回実行した際のプロセッサ最大温度は61℃。CPUスコアが302〜303cbと安定した数値を記録している
Surface Pro 4のCore i7版とCore i5版の冷却ファン音を比較

グラフィックス性能についてはCore i7のiGPUが真価を発揮

 今回ベンチマークの比較対象機種としては、Core i5-6300Uを搭載する「Surface Pro 4 CR3-00014」に加え、「Core i5-4300U」を搭載するSurface Pro 3、「Atom x7-Z8700」を搭載するSurface 3を選んだ。今回はあくまでSkylake-U世代のCore i7とCore i5を搭載するSurface Pro 4を比較するのが主目的だが、旧世代のSurface Pro 3、現行機種だが下位モデルとなるSurface 3とのスコア差が気になる方もいるだろう。

 ベンチマークプログラムには「PCMark 8 v2.6.512」、「PCMark 7 v1.4.0」、「3DMark v1.5.915」、「Geekbench 3.3.2」、「CINEBENCH R15」、「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」、「CrystalDiskMark 5.1.1」を使用した。合わせて、実アプリの性能を計測するために「Adobe Photoshop Lightroom」、「Adobe Premiere Pro CC」、連続動作時間を計測するために「BBench」を使用している。

 なおSurface Pro 3とSurface 3は「Windows 8.1」搭載機であり、PCMark 8、3DMark、CrystalDiskMark、Adobe Photoshop Lightroomについては旧バージョンで計測結果を流用しているため、あくまでも参考値としてご覧いただきたい。

【ベンチマーク結果】
  Surface Pro 4 CQ9-00014 Surface Pro 4 CR3-00014 Surface Pro 3 Surface 3
CPU Core i7-6650U Core i5-6300U Core i5-4300U Atom x7-Z8700
GPU Iris Graphics 540 HD Graphics 520 HD Graphics 4400 HD Graphics
メモリ 8GB 8GB 8GB 4GB
ストレージ 256GB NVMe SSD 256GB NVMe SSD 256GB SSD(mSATA) 128GB eMMC
OS Windows 10 Pro Windows 10 Pro Windows 8.1 Pro Update Windows 8.1 Update
PCMark 8 v2.6.512(Surface Pro 3はv2.0.228、Surface 3はv2.4.304で計測)
Home Accelarated 3.0 3231 2760 2190 1685
Creative Accelarated 3.0 4139 3447 2540 1913
Work 2.0 3910 3604 3282 1269
PCMark 7 v1.4.0
PCMark score 計測不可 4778 4816 2848
3DMark v1.5.915(Surface Pro 3はv1.2.250で計測)
Ice Storm 65334 45709 29479 25107
Graphics Score 74934 48643 32413 27934
Physics Score 45109 37742 22387 18540
Cloud Gate 6852 5483 2791 2459
Graphics Score 9352 6735 3254 2861
Physics Score 3541 3323 1864 1650
Sky Diver 4778 3392 - 1198
Graphics Score 4786 3221 - 1111
Physics Score 4964 4668 - 2220
Combined score 4474 3353 - 1093
Fire Strkle 1190 829 1679 288
Graphics Score 1256 888 1589 310
Physics Score 5269 4741 2672 2359
Combined score 466 304 1478 102
Geekbench 3.3.2 Intel(32-bit)
Single-Core Score 3343 3023 - 936
Single-Core Score Integer 3292 2921 - -
Single-Core Score Floating Point 3270 2877 - -
Single-Core Score Memory 3592 3520 - -
Multi-Core Score 6999 6375 - 3202
Multi-Core Score Integer 7842 7051 - -
Multi-Core Score Floating Point 7769 6998 - -
Multi-Core Score Memory 3776 3779 - -
Geekbench 3.3.2 Intel(64-bit)
Single-Core Score 3487 3150 - 1027
Single-Core Score Integer 3503 3135 - -
Single-Core Score Floating Point 3435 3009 - -
Single-Core Score Memory 3559 3464 - -
Multi-Core Score 7389 6738 - 3471
Multi-Core Score Integer 8352 7533 - -
Multi-Core Score Floating Point 8209 7418 - -
Multi-Core Score Memory 3824 3788 - -
CINEBENCH R15
OpenGL 56.64 fps 40.16 fps - 15.07 fps
CPU 341 cb 306 cb - 142 cb
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット 5985 3884 1316 1753
SSDをCrystalDiskMark 5.1.1で計測(Surface 3は4.0.3で計測)
Q32T1 シーケンシャルリード 1570.013 MB/sec 1561.753 MB/sec - 140.946 MB/sec
Q32T1 シーケンシャルライト 312.059 MB/sec 313.789 MB/sec - 47.003 MB/sec
4K Q32TI ランダムリード 602.134 MB/sec 527.388 MB/sec - 35.379 MB/sec
4K Q32TI ランダムライト 312.823 MB/sec 310.458 MB/sec - 15.204 MB/sec
シーケンシャルリード 893.415 MB/sec 858.872 MB/sec - 114.709 MB/sec
シーケンシャルライト 309.759 MB/sec 311.066 MB/sec - 43.411 MB/sec
4K ランダムリード 44.232 MB/sec 43.802 MB/sec - 16.035 MB/sec
4K ランダムライト 160.058 MB/sec 152.273 MB/sec - 10.025 MB/sec
Adobe Photoshop Lightroomで50枚のRAW画像を現像
4,912×3,264ドット、自動階調 2分26秒90 3分0秒14 - 6分52秒20
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分の4K動画を書き出し
3,840×2,160ドット、30fps 17分52秒09 18分45秒26 - -
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分のフルHD動画を書き出し
1,920×1080ドット、30fps 6分20秒91 6分48秒79 - -
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ40%)
バッテリー残量5%まで 6時間58分31秒 7時間23分4秒 - 7時間54分

 GeekbenchやCINEBENCH R15のCPUスコアは順当な結果と言えるだろう。Geekbenchでは1.096倍、CINEBENCH R15では1.114倍と、ほぼクロック周波数どおりの差が付いている。

 大きな差が出たのがグラフィックス性能。3DMarkでは1.249〜1.435倍、CINEBENCH R15のOpenGLでは1.41倍、モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】では1.54倍ものスコアを記録している。EUを2倍搭載し、64MB eDRAMを搭載したIntel Iris Graphics 540は下馬評通りの性能を発揮したと言えるだろう。

 実アプリケーションの処理時間については、特にAdobe Premiere Pro CCの4K動画書き出しでベンチマークプログラムほどのタイム差とならなかった。極端に重たく、長い処理については、プロセッサの温度が高温に達し、Core i7とCore i5の性能差が縮まっている可能性が高い。

どのモデルを買っても後悔しない最強のWindowsタブレット

 Core i5版とCore i7版のSurface Pro 4を比較した場合、価格差ほどの性能の違いがあるかと言えば微妙だ。もちろんCore i7版にはグラフィックス性能で明らかなアドバンテージがあり、また16GBのメモリ、512GBのストレージという選択肢がある。とは言えCore i5版最上位モデルのSurface Pro 4 CR3-00014は、ネット通販で16万円台に突入しており、値頃感が非常に高い。今からあえてCore i5版を購入するのも堅実な選択と言えるだろう。とにかく絶対性能が欲しいのであれば、Core i7を選ぼう。

 いずれにしてもSurface Proシリーズとして4世代目となる本製品は、性能のみならず、キックスタンドを始めとする細かな部分の作り込み、付属のペン、オプションのキーボードカバーなどが着実に進化しており、現役最強のWindowsタブレットであることは間違いない。予算に合わせてモデルを選択すれば、その投資に見合った満足感をきっと得られるはずだ。

(ジャイアン鈴木)