クリエイティブメディア「Creative ZiiO 7インチ」
〜Android搭載のエンターテイメントタブレット端末



クリエイティブメディア「Creative ZiiO 7インチ」

発売中
価格:オープンプライス



 クリエイティブメディアから登場したCreative ZiiOシリーズは、OSとしてAndroidを搭載したタブレット端末だ。昨年後半から、サムスンの「Galaxy Tab」やNECビッグローブの「Smartia」、DELLの「Streak」など、この種の端末が各社から登場しており、注目を集めている。

 クリエイティブメディアといえば、古くはサウンドカード「SoundBlaster」シリーズで有名なメーカーであり、ポータブルメディアプレーヤーやスピーカー、ヘッドフォンなど、AV関連製品を得意とする。Creative ZiiOは、同社の製品の中では、Pure Android Audioというカテゴリに分類されており、音質にこだわって設計されていることが特徴だ。

 Creative ZiiOシリーズには、液晶のサイズとメモリ容量の違いによって、全部で4モデルのラインナップが用意されている。液晶サイズは10型と7型の2種類で、それぞれメモリ容量が16GBと8GBの2種類があるが(16GBモデルは直販限定)、今回は、7型液晶/メモリ容量8GBモデルを試用した。

●片手でも持てるサイズと重量

 まずは、外観からチェックしていこう。Creative ZiiO 7インチ(以下ZiiO 7)は、7型液晶を搭載し、サイズは207.4×133×13.7mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約415gだ。同じ7型液晶を搭載したGALAXY Tabのサイズは190×120×12.1〜12.2mm(同)なので、GALAXY Tabに比べるとやや大きいが、大人の男性ならなんとか片手で把持できるサイズだ。ただし、GALAXY Tabに比べると、質感はかなり落ちる。いかにもプラスチックといった触感なのがやや残念だ。

前面のデザインはシンプルである ボディカラーはホワイトだが、質感はやや安っぽい印象だ 「DOS/V POWER REPORT」誌とのサイズ比較。フットプリントは、DOS/V POWER REPORTの約半分だ

●感圧式タッチパネルを採用

 次にハードウェアスペックを見てみよう。CPUとして、ZiiLABS ZMS-08 HDを搭載。クロックは1GHzで、メインメモリは512MBだ。CPUやメモリについては、このクラスのタブレットとしては標準的な仕様だ。OSは、Android 2.1で、Flashをサポートする2.2ではないのが残念。OSアップグレードについては、「検討中」とのことだ。液晶の解像度は、480×800ドットで、Smartiaと同じだ(GALAXY Tabは600×1,024ドット)。タッチパネルは、iPadやGALAXY Tabなどで使われている静電容量式ではなく、感圧式を採用している。感圧式は、指だけでなく、スタイラスなどでも操作できることが特徴だが、軽く触るだけで操作が可能な静電容量式に比べると、やや強めに押す必要がある。また、液晶が抵抗膜でカバーされるため、表示が白っぽくなり、コントラストが低下することや、マルチタッチに対応してないことも欠点だ。外光もやや映り込みやすい。なお、スタイラスが付属するが、本体にスタイラスを収納するスペースは用意されていない。

液晶は7型で、タッチパネルは感圧式を採用 静電容量式タッチパネルを採用した機種に比べるとややコントラストが低い スタイラスが付属する

●Mini HDMI出力を搭載

 液晶上部には、VGA解像度のカメラが搭載されており、静止画や動画の撮影が可能だ。本体の右側面に音量調整用ボリュームボタンが、上面に電源ボタンが用意されており、液晶下部の「検索」や「ホーム」、「メニュー」、「戻る」の役割を果たすボタンは、タッチ式となっている。左側面には、microSDカードスロットが用意されている。

 インターフェイスとしては、miniUSBポートとMini HDMIを備えている。Mini HDMIについては、720pまでの出力が可能だ。また、上面にモノラルマイクを搭載し、底面にはステレオスピーカーが搭載されている。ワイヤレス機能としては、IEEE 802.11b/g対応無線LAN機能とBluetooth 2.1+EDRをサポートするが、3Gには非対応だ。加速度センサーを搭載しており、画面の縦横表示の自動切り替えも可能。GPSには対応していない。Android搭載タブレット端末としては、標準的な仕様といえるだろう。

液晶上部にVGA解像度のカメラを搭載する 液晶下部に4つのタッチボタンを備えている。左から、「検索」、「ホーム」、「メニュー」、「戻る」の役割を果たしている 右側面には、音量調整用のボリュームボタンが用意されている
ボリュームボタン部分のアップ 左側面には、microSDカードスロットが用意されている microSDカードスロット部分のアップ
上面には、電源ボタンとモノラルマイク、イヤフォン出力、Mini HDMI出力、Mini-USBの各ポートが用意されている 底面には、ステレオスピーカーと電源端子が用意されている

【動画】加速度センサー搭載で、向きによって表示方向が変わる。画面の表示方向の切り替えも十分高速だ

●apt-Xコーデック対応で高品位なワイヤレス伝送を実現
X-FiオーディオテクノロジーやBluetoothに関する設定が行なえるPure Android Audioアプリケーション

 ZiiO 7は、一般的なタブレット端末とは異なり、音質に妥協を許さない設計になっていることがウリだ。もちろん、それは内蔵スピーカーが高音質という意味ではない。ZiiO 7には、ステレオスピーカーが内蔵されているが、スリムでコンパクトなタブレット端末に内蔵できるスピーカーの音質はたかがしれている。

 ZiiO 7は、クリエイティブが提唱する「Pure Wireless Entertainment」と呼ぶソリューションの中核となる製品の1つだ。Pure Wireless Entertainmentとは、デバイスの種類や設置場所、ワイヤーやケーブル類といったさまざまな条件に縛られていた今までのエンターテイメント体験の制約を取り払い、いつでもどこでもさまざまなコンテンツを縛りのない自由なスタイルで楽しめるというものだ。

 そのためにZiiO 7には、大きく2つの技術が搭載されている。1つは、Creativeの高音質技術である「X-Fiオーディオテクノロジー」で、もう1つはレイテンシが低く、高音質なコーデックである「apt-X」対応のBluetoothオーディオである。apt-X対応のBluetoothヘッドフォンやスピーカーと組み合わせることで、高品位なワイヤレス伝送が可能になる。ZiiO 7のX-Fiオーディオテクノロジーは、CrystalizerとExpandという2種類の機能を利用できる。前者は、圧縮などによって失われた情報を補完し、音の情報量を高めるというものだ。後者は、音の広がりを高める技術だ。ZiiO 7では、X-FiオーディオテクノロジーやBluetoothに関する設定が行なえるPure Android Audioアプリケーションが搭載されている。Pure Android Audioアプリケーションは、ホーム画面にウィジェットとして登録されており、ワンタッチで呼び出せるので便利だ。

●サウンドの再生品位には満足

 ZiiO 7のポータブルメディアプレーヤーとしての主な機能は、音楽、動画、写真の再生だが、それぞれ「ZiiMusic」、「ZiiVideo」、「ZiiPhoto」というアプリケーションを使って行なう。どのソフトも操作はシンプルでわかりやすい。

 再生可能なフォーマットは、音楽がMP3/AAC/WMA9/FLAC/OGG/MIDI/WAV/Audibleで、動画がH.264/MPEG-4/WMV9/MOV/AVI/MKV、写真がJPG/BMP/PNGである。

 今回は、apt-Xに対応したBluetoothヘッドフォン「Creative WP-300」およびBluetoothスピーカー「Creative D200」もあわせて試用した。まず、WP-300と組み合わせて、音楽を聴いてみたが、Bluetoothで伝送していることを感じさせない、高音質なものであった。X-FiのCrystalizerを有効にしてみたところ、確かに音の密度が増し、より豊かな響きになったと感じられた。Creative D200との組み合わせも、満足できるものであった。WP-300とD200は、直販価格で1万円未満という価格帯の製品としては、優秀な製品といえるだろう。

 動画ビューアやフォトビューアとしてみると、やはり液晶が感圧式であるため、ややコントラストが低いことが気になる。画像の表示速度は、超高速とはいえないが、十分満足できるレベルだ。

音楽再生ソフトの「ZiiMusic」。画面はシンプルだが、機能は十分だ ZiiOと組み合わせて利用するのに最適な、高音質Bluetoothヘッドフォン「Creative WP-300」。apt-Xに対応している 同社のBluetoothスピーカー「Creative D200」も、ZiiOとの組み合わせに適している。こちらもapt-X対応製品だ
Creative D200の背面。バスポートが設けられており、迫力のサウンドを実現する 写真ビューアの「ZiiPhoto」。サムネイルをタッチすれば、全画面で表示される

ZiiPhotoで写真を閲覧している様子。一度見た画像データはある程度キャッシュされ、高速に表示できるが、新しい画像は最初粗く表示され、その後精細になる

●Androidマーケットは非対応だが、他サイトからアプリのダウンロードが可能

 ZiiO 7は、Android 2.1搭載タブレット端末であり、Android用アプリケーションを導入することで、機能を拡張できることも大きな魅力である。ただし、残念ながらGoogleが提供するAndoroidマーケットには非対応だ(3Gをサポートしていない安価なAndroidタブレット端末では、Androidマーケットに対応していない製品が多い)。

 その代わり、ZiiO 7では、専用ポータルサイトの「ZiiO Space」が用意されており、そこに、AndroAppやandronaviといった、Android用アプリケーションのダウンロードサイトへのリンクが張られている。これらのサイトを利用すれば、各種のアプリケーションをインストールすることが可能だ。例えば、標準状態では、日本語入力IMEは搭載されていないが、フリーのIME「simeji」をインストールすれば、日本語入力が可能になる。

ZiiOのホーム画面。最下段中央の上矢印アイコンにタッチすると、画面が切り替わり、アプリケーションアイコンが表示される アプリケーションアイコン画面。いくつかは標準アプリではなく、筆者がインストールしたものも含まれている ホーム画面にある「ZiiO Space」アイコンにタッチすると、専用ポータルサイトの「ZiiO Space」にアクセスできる。ZiiO Spaceには、ZiiOを活用するためのAndroidアプリのダウンロードサイトへのリンクなどがある
標準では日本語入力IMEはインストールされていないが、フリーのIME「simeji」の導入が可能 simejiでは、フリック入力もサポートしている クックパッドビューアの「PAD長」をインストールしてみた
Webブラウズも十分快適だ。PC Watchの場合、ケータイフルブラウザやスマートフォン用に最適化されたページが表示される

●専用ケースやプロテクターなどオプションも充実

 ZiiO 7は、付属のACアダプタ経由でバッテリを充電することが可能だ。バッテリの取り外しはできず、駆動時間も公開されていないが、他のタブレット端末と比べて特に短いということはなさそうだ。また、オプションとして、専用レザーケースやスクリーンプロテクターなども用意されている。専用ケースは、スタイラスも一緒に収納できるので、スタイラスでの操作を頻繁に行なうのなら、ケースに入れたほうが使いやすいだろう。また、ケースにいれることで、滑りにくくなり、本体を落としてしまう心配がなくなる。

付属のACアダプタ。かなりコンパクトだ CDケース(左)とACアダプタのサイズ比較 オプションの専用レザーケース
専用レザーケースにZiiO 7を収納したところ。この状態で使うことが可能。スタイラスを収納するスペースが用意されている 専用レザーケースを閉じたところ。液晶面がカバーされるので、傷を付けずに持ち歩ける 純正のスクリーンプロテクターも用意されている

●コストパフォーマンスの高いAndroidタブレット端末

 ZiiO 7は、8GBモデルの直販価格が24,800円であり、Android搭載タブレット端末としては安価である。3G非対応で、回線契約が不要なため、月々のランニングコストも不要だ。OSのバージョンが2.1であることと、タッチパネルが感圧式であること、Androidマーケットに対応していないという弱点もあるが、クリエイティブ独自の高音質技術の搭載は魅力だ。

 同社のBluetoothスピーカーやBluetoothヘッドフォンと組み合わせて、ワイヤレスで高品位なサウンド再生を楽しみたいという人はもちろん、Androidタブレット端末の入門機としてもオススメだ。

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(2011年 2月 1日)

[Text by 石井 英男]