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日本エイサー「Predator G1 AG17170-N76G/G」

~外見以上に独自性溢れる内部構成。高付加価値のコンパクトゲーミングPC

Predator G1 AG17170-N76G/G

 日本エイサー株式会社のゲーミングブランド“Predator”より、スリムタイプのデスクトップゲーミングPC「Predator G1 AG17170-N76G/G」が発売された。

 Predatorには本機のほかにノートPCもあるが、さらにディスプレイやタブレットPC、プロジェクタまでラインナップしている。ゆえにゲーミング“PC”ブランドではなく、ゲーミングブランドなのである。

 ゲーミングPCと言うと、ハイスペックなパーツを取り揃えた大型のものが一般的だが、今回紹介する「Predator G1 AG17170-N76G/G」は性能と同時に小型化も追及した製品となる。本体サイズは約115×422×355mm(幅×奥行き×高さ)で、容積にして約16L。PC的に言うと、Mini-ITXクラスのサイズとなる。小型なPCは日本で需要が高く、それだけで注目度が高い1台と言えるだろう。

GeForce GTX 1070、SSD+HDD搭載でマルチユースに耐え得る構成

 「Predator G1 AG17170-N76G/G」のスペックは下記の通り。

【表1】スペック
Predator G1 AG17170-N76G/G
CPUCore i7-6700(3.4GHz)
GPUGeForce GTX 1070
メモリ16GB DDR4-2133(8GB×2)
SSD256GB(LITEON CV1-8B256)
HDD1TB(Seagate ST1000DM003)
光学ドライブDVDスーパーマルチ
OSWindows 10 Home 64bit
税別店頭予想価格255,000円前後

 CPUにCore i7-6700、GPUにGeForce GTX 1070を搭載し、ウルトラハイエンドではないまでも高いスペックを実現している。メインメモリも16GB搭載しており、省スペース優先とは言え、現状ではほぼ不満の出ない構成だろう。

 ストレージも1TB HDDと256GB SSDを搭載。よく遊ぶゲームソフトなどはSSDに、そのほかのソフトやデータなどはHDDにと保存場所を選んで使える。ゲーミングPCだと少しでも価格を抑えるためにSSDのみにする構成もあるが、本機はコンパクトでも妥協しない姿勢だ。加えてDVDスーパーマルチも搭載している。

 サイズのためにあれこれ削るという感じではなく、必要なものは全て入れ込んだ上でサイズを絞り込んだという格好だ。数字の上で気になるところがあるとすれば、やはり価格になるだろう。スペックとだけ見比べると割高感はあるが、そこはレビューの続きの見ての判断としていただきたい。

VRも万全な性能を発揮

 それでは各種ベンチマークソフトのスコアを見ていきたい。利用したのは、「3DMark v2.1.2973」、「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」、「ドラゴンズドグマ オンライン ベンチマーク」、「バイオハザード6 ベンチマーク」、「ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 EPISODE4」、「CINEBENCH R15」、「SteamVR Performance Test」、「CrystalDiskMark 5.1.2」の8つ。

 下表の通り、ベンチマークスコアの結果は、スペックなりの性能がきちんと出ているのが分かる。「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」では、4K・最高品質で「とても快適」の評価となっており、4Kゲーミングも十分可能な性能だ。

【表2】ベンチマークスコア
Predator G1 AG17170-N76G/G
「3DMark v2.1.2973 - Fire Strike」
Score13,733
Graphics score17,148
Physics score11,113
Combined score6,419
「3DMark v2.1.2973 - Sky Diver」
Score31,165
Graphics score55,661
Physics score10,658
Combined score22,032
「3DMark v2.1.2973 - Cloud Gate」
Score28,307
Graphics score101,547
Physics score8,032
「3DMark v2.1.2973 - Ice Storm Extreme」
Score135,746
Graphics score254,919
Physics score51,493
「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」(DirectX 11/最高品質)
3,840×2,160ドット5,316
1,920×1,080ドット14,948
「ドラゴンズドグマ オンライン ベンチマーク」(最高品質)
1,920×1,080ドット10,855
「バイオハザード6 ベンチマーク」
1,920×1,080ドット19,805
「ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 EPISODE4」(簡易設定6)
1,920×1,080ドット44,230
「CINEBENCH R15」
OpenGL107.88fps
CPU688cb
CPU(Single Core)147cb

 さらに最近の流行に乗って、VRデバイス向けのベンチマークテストも実施。「3DMark v2.1.2973」に含まれる「VRMark」では、より高負荷な「Scene 2」において、140fps以上のフレームレートが出ている。また「SteamVR Performance Test」では、90fpsを切るフレームは0という完璧な結果となっている。

【VR系ベンチマークテスト】
「SteamVR Performance Test」は文句なしの満点
「VRMark」でも140fpsオーバーのフレームレートが出ている

 ストレージに関しては「CrystalDiskMark」で計測。SSDはLITEON製のM.2(SATA) SSD「CV1-8B256」が、HDDはSeagate製「ST1000DM003」が使われていた。

【CrystalDiskMark】
SSD(LITEON CV1-8B256)
HDD(Seagate ST1000DM003)

最新ゲーム「Battlefield 1」なども快適に動作

最新作「Battlefield 1」を最高画質で実行する

 今回はベンチマークテストに加えて、実際のゲームもテストしてみたい。まずは今年(2016年)のホリデーシーズンの注目作の1つであり、先日発売されたばかりの第1次世界大戦を描いたFPS「Battlefield 1」。DirectX 12にも対応するヘビーな作品で、画質とフレームレートを両立させるラインを探るべくテストを開始した。

 フルHDの環境にて、DirectX 12モードをオン、グラフィックスの品質を最高にして、キャンペーン(ストーリー)モードの序盤プレイしてみた。シーンによって変動はあるものの、概ね80fps付近で推移しており、60fpsから落ちるシーンはほぼなかった。先に進めばより負荷が重いシーンもあるとは思うが、それでも60fpsを大幅に下回ることはないだろう。

 というわけで、これ以上画質をいじる必要もなく、フルHDの最高画質で何の問題もなくプレイ可能という結果だ。いい意味で肩透かしを食らってしまった。なおフレームレート入りの画像を撮影するため、DirectX 12モードをオフにしてプレイしてみたところ、フレームレートはおよそ10%ほど向上した。

 この結果から考えると、もう一回り広いWQHD(2,560×1,440ドット)でも最高画質でのプレイは何とかなりそう。さすがに4Kまで行くと30fpsを割り込みそうなので、画質は下げた方が良さそうだが、画質設定さえ適切にすれば十分にプレイ可能だと思われる。

【Battlefield 1】
最高画質でも60fpsをほとんど割り込むことなく快適に遊べる
こちらはDirextX 12をオフにした状態(左上にフレームレート表示)。1割ほどフレームレートが上がる

 せっかくなのでもう1つ、オンライン海戦アクション「World of Warships」も試してみた。最高画質にすると比較的重いシーンが出てくるタイトルなのだが、どのシーンでも60fpsから落ちることがなく、やはり問題なし。VSYNCオンだとGPUにまだまだ余裕があるようで、プレイ中の騒音の変化はかなり控えめというメリットもある。

【World of Warships】
陸地のある場所や戦闘時にはフレームレートが下がりがちだが、常に60fpsをキープしていた

小型でも存在感のある外見に、こだわりの作り込みが見える内部

正面。キャタピラのような外見が特徴的だ

 続いては実際の使用感についても見ていく。ケースはキャタピラのようなデコボコがあり、電源を入れると各所のLEDが光る。小型ながらゲーミングPCらしい派手さもある。

 外見的に目を引くのは、本体よりもACアダプタを2個使用する点だ。出力19.5V/11.8AのACアダプタを2つ使用することで、最大で400Wを超える電力を供給するようだ。さらに2個のACアダプタを束ねるように固定するACアダプタホルダーも付属。あくまでホルダーなので使用は必須ではないが、まとめておけるので邪魔にはならないし、見た目にも面白い。

 400W程度の電力なら、SFX規格などの小型の電源を内蔵すればいいのにと思うところもある。しかし本体の小型化以外にも、ACアダプタと本体を少し離した位置に設置できるという自由度もあるし、結果的に電源がファンレスになっているという利点もある。ただACアダプタホルダーを取り付けるとATX電源以上の大きさになってしまうので、これはぜひを問うよりは好みと用途次第だろう。

 動作中の音は、ファンの回転音が少し聞こえる程度で、アイドル時でも動いているのは分かる。ベンチマークテストなどの高負荷時には、ファンの音が大きくなるのが分かるが、それほど劇的な変化はない。足元に置いていると、ゲームの音を出していればまったく気にならない程度に収まっている。背面からの排熱も控えめで、コンパクトな割にはうまくまとまっている。

 本体正面にはスリムタイプのDVDスーパーマルチドライブに、SDカードスロット、USB 3.1 Type-CとUSB 3.0が1つずつ、ヘッドフォンおよびマイク端子が用意されている。これも必要なものは一通り揃っている印象だし、USB 3.1 Type-Cが用意されているのは将来的にも安心感がある。

 背面にはUSB 3.0×4とGigabit Ethernet、各種サウンド端子。ビデオカードの出力はHDMI、DVI-D、DisplayPort×3という構成だ。拡張スロットは2スロット分見えるが、ビデオカードで占有されている。他にはACアダプタの端子が2つあるだけで、かなりシンプルな見た目だ。NICはゲーマー向けのKiller NICを採用し、IEEE 802.11ac対応の無線LANも搭載している。

 側面パネルは1枚板かと思いきや、細かい穴のメッシュとなっている。左側面パネルを開けると、メッシュの板の裏にもう1枚スチールの板が貼り合わせてあり、CPUファンの部分だけメッシュが開けられている。右側面パネルはメッシュの板の裏にもう1枚プラスチックの板があり、こちらもビデオカードのファンの部分だけに穴が開けられている。側面はスカスカかと思いきや、エアフローと静音、さらには外見まで考えたリッチなデザインだ。

左側面。全体が細かいメッシュになっている
右側面も同様に全体がメッシュ
背面はかなりシンプルにまとまっている
天面もキャタピラのデザイン
電源ボタンは天面と前面の間辺りに斜めに配置
電源ボタン横にあるのはヘッドセットホルダー。引き出して使う
2つのACアダプタにACアダプタホルダーを取り付けたところ。デザインも面白い
ACアダプタホルダーは簡単に取り外せる。配置的に不要なら使わなくても構わない
左側面パネルを開いたところ。各所に独特な部品が見える

 内部を見ると、さらにこだわりを感じる。CPUは効率的なエアフローのためにファンの上部を囲うようなアタッチメントを装備。その横にはブロワーファンがあり、狭いスペースから排気している。ビデオカードはマザーボードと水平になる形で取り付けられ、内部から吸気して外部に排気する流れになっている。ビデオカードの周囲はプレートで囲われており、内部は見えない。

 HDDとDVDスーパーマルチドライブは本体前方に並ぶように縦置き。その下には2.5インチドライブベイもあり、ケーブルも伸びているが、ドライブは非搭載。いつでも拡張可能になっている。

 コンパクトなサイズにまとめながらも、各所に特徴的なパーツやカバーを使うことで、堅牢かつ静音にこだわって設計されているのが分かる。持ち上げてみると見た目のサイズの割に重い(約8.5kg)のも、中を見てみればなるほどと思う。ハイエンドに近いパーツを使っているので、振動、共振への対策のため、ある程度重さがある方がいいという見方もある。

 コンパクトかつゲーミングPCらしい外見のインパクトが目立つ本機だが、筆者としては中を開けた時の方が強いインパクトがあった。これだけ作り込めば、比較的高価になるのもやむを得ない。最初から万人向けに作っていないのは明白であり、この作り込みに価値を見出せる人が本機を選べばいいのである。

左側面パネルの裏にはスチール製のプレートが貼られている
右側面パネルの裏にはプラスチック製の複雑な形状のプレートが
CPU上部にはアタッチメント。背面の排気にはブロワーファンを使用
ビデオカードはマザーボードと水平に配置。スチール製のプレートで囲われている
3.5インチHDDはDVDスーパーマルチドライブと並んで縦向きに収納されている
電源を入れると本体前面の各所に仕込まれたLEDが色を変えながら光る
色はカスタマイズが可能
プリインストールされる「PradatorSense」。ファンの回転速度を手動設定もできる
LEDのカラーや光り方も自由にカスタマイズが可能