Hothotレビュー

Surface Pro 4を強く意識した2in1「ASUS TransBook 3 T303UA」

ASUS「ASUS TransBook 3 T303UA」
直販価格167,184円~

 ASUSは8月26日に2in1 PC「ASUS TransBook 3 T303UA(以下T303UA)」を発表し、10月中旬より販売を開始した。ASUSは2in1の現行商品としてはASUS Shopで7製品を販売しているが、今回のT303UAは、Microsoftの2in1「Surface Pro 4」を非常に強く意識したモデルに仕上げられている。

 T303UAには、本体カラーがチタニウムグレーで「Microsoft Office Home & Business Premium プラス Office 365サービス」を搭載した「T303UA-512S」、本体カラーがチタニウムグレーで「KINGSOFT Office Standard」を搭載した「T303UA-6200GY」、本体カラーがシャンパンゴールドで「KINGSOFT Office Standard」を搭載した「T303UA-6200GD」の3つのモデルが用意されている。

 今回はシャンパンゴールドカラーのT303UA-6200GDを借用したので、そのレビューをお届けしよう。

Thunderbolt/USB Type-C、フルサイズHDMIなど充実した端子類

 T303UAは、台湾では「ASUS Transformer 3 Pro T303UA」という製品名で販売されているが、日本では前述の通りASUS TransBook 3 T303UAという製品名でリリースされている。また、台湾ではCPUやストレージなどの構成をいくつか選べるが、日本販売モデルのハードウェア構成はCore i5-6200U、8GB SDRAM、512GB SSD(SATA 6Gbps)、Windows 10 Home 64bitの1モデルのみとなっている。

 タブレット時の本体サイズは298.8×210.1×8.35mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約790g、タブレット+キーボードドック時の本体サイズは299.14×225.27×14.35mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1,100g。ディスプレイサイズは12.6型で、12.3型のSurface Pro 4より0.3型大きい分、T303UAの方がフットプリントは大きいが、タブレット時の高さはわずか0.05mmではあるが薄く仕上げられている。

【表1】T303UAとSurface Pro 4のサイズ比較
TransBook 3 T303UATransBook 3 T303UA(キーボードドック装着時)Surface Pro 4Surface Pro 4(Type Cover装着時)
サイズ(幅×奥行き×高さ)298.8×210.1×8.35mm299.14×225.27×14.35mm292.1×201.4×8.4mm295×207.5×13.3mm※奥行きは実測
重量790g1,100g786g1,081g
ディスプレイ12.6型2,880×1,920ドット(275dpi)12.3型2,736×1,824ドット(267dpi)

 本体カラーはチタニウムグレーとシャンパンゴールドの2色。筐体はマグネシウム合金とアルミニウム合金で構成されており剛性感は高い。例えば角を持って団扇のように扇いでみても、わずかなキシミ音は聞こえるものの頼りなさは感じない。あくまでも持ち比べてみた時の印象だが、T303UAはSurface Pro 4と同等の剛性感・堅牢性を実現しているようだ。

 スタイラスペン(ASUS Pen)の実測重量は約21.5g、キーボードカバーの実測重量は約343.5g。Surface Pro 4のスタイラスペン(Surfaceペン)の実測重量は約21g、キーボードカバー(Type Cover)の実測重量は約307.5gなので、T303UAのキーボードカバーの方がやや重い。なお、Surface Pro 4はキーボードカバーが別売りとなっているが、T303UAは標準で同梱されている。もし両者のどちらを買うか悩んでいる場合には、アクセサリも含めた価格で比較して欲しい。

 インターフェイスは、Thunderbolt 3(最大40Gbps)/USB 3.1 Type-C(最大10Gbps)、USB 3.0、HDMI、microSDカードスロット、IEEE 802.11a/b/g/n/ac無線LAN、Bluetooth 4.1、マイク/ヘッドフォン端子、キーボードカバー接続端子を装備している。なおキーボードカバー接続端子はSurface Pro 4などで利用されているSurfaceConnectと接点の数は同じだが、大きさが異なるので互換性はない。

 T303UAのSurface Pro 4に対する最大の優位点が、Thunderbolt 3/USB 3.1 Type-Cと、ディスプレイ出力としてフルサイズHDMIを搭載していること。、Thunderbolt 3/USB 3.1 Type-Cは電源供給にも利用するが、いざという時の高速インターフェイスとして便利に活用できるはずだ。

本体前面
本体前面上部にはカメラ、生体認証用の赤外線カメラ、マイクなどが並ぶ
本体背面
キックスタンドを跳ね上げると、ウィンドウズ、エナジースター、リサイクルのロゴや、ASUSコールセンターの電話番号が記載されたシールが貼られている
本体上面。向かって右にあるのは電源ボタン。スリットが大きく開いているが、排気口は右から1/4程度。残りは吸気口となっている
本体底面
上がSurface Pro 4、下がT303UA。接点の数は同じだが大きさが違うので、キーボードカバーなどに互換性はない
本体右側面。左から、Thunderbolt/USB Type-C、HDMI、USB 3.0。充電はThunderbolt/USB Type-Cで行なう
本体左側面。左から、マイク/ヘッドフォン端子、ボリュームボタン、microSDカードスロット
キックスタンドは最大155度の範囲で無段階に角度を変えられ、画面角度は最大170度まで傾けられる
キックスタンドのヒンジは金属製。いかにも耐久性が高そうだ
本体パッケージ
本体同梱品。左上から本体、スタイラスペン(ASUS Pen)、ACアダプタ、Warranty Card、ユーザーマニュアル、ユーザーガイド、スタイラスペンマニュアル、ちらし「必ず初めにお読みください」
キーボードカバーパッケージ
キーボードカバー
本体実測重量は784g
ACアダプタ実測重量は188g
スタイラスペン実測重量は21.5g
キーボードカバー実測重量は343.5g
上がT303UA、下がSurface Pro 4。T303UAはThunderbolt/USB Type-C経由で充電する。同社の26,800mAhバッテリ「ASUS ZenPower Max」などで充電が可能だ
T303UA同梱のACアダプタはプラグを収納できない

スタイラスペン、キーボードカバーの使い勝手はSurface Pro 4と同等

 T303UAに標準で同梱されているスタイラスペン「ASUS Pen」は、Surfaceペンと同様に1,024段階の筆圧感知性能を備えている。配置は異なるが2ボタン構成で、アプリ側でツールを切り替えなくても、ペン先側のボタンを押しながらペン先を走らせれば消しゴム機能などを利用できる。

 ただし、1つ大きく異なる点がある。それは書き味。ASUS Penの書き味は、Surfaceペンより硬めだ。Surfaceペン用には2H、H、HB、Bと硬さの異なる4種類のペン先が用意された「ペン先キット」が発売されているが、ASUS Penの書き味は2Hに相当すると筆者は感じた。書き味の好みは人それぞれだが、個人的にはSurfaceペンのペン先キットで言えばHBが適度に抵抗感があって、もっとも疲れを感じずに長時間文字などを書ける。

 なお、SurfaceペンはT303UAでも使用可能だった。もしASUS Penの書き味に慣れることができなかったら、Surfaceペンを追加購入してもいいだろう。ただし保証外の組み合わせとなるので、自己責任でご利用いただきたい。

左がASUS Pen、右がSurfaceペン。ASUS Penはグリップ付近に2つのボタンが配置されているが、Surfaceペンはペングリップとペンエンドにそれぞれ1つずつボタンが配置されている
左がASUS Pen、右がSurfaceペン。ASUS Penのペン先はかなり硬め。Surfaceペンのペン先は2H、H、HB、Bが用意されており、標準のペン先としてはHBが装着されている
ASUS Penはペン先近くの1つ目のボタンに消しゴム機能が割り当てられている
SurfaceペンはT303UAでも使用可能。ノックボタンの消しゴム機能も特に設定せずにそのまま利用できる

 T303UAとSurface Pro 4のキーボードカバーの使い勝手はまったく同じと言っていいレベルだ。キーピッチはT303UAが実測約19.5mm、Surface Pro 4が実測約19mmとほぼ同等。本体との接続端子の大きさが異なるので互換性はないが、着脱機構やキーボード面に角度を付ける構造もまったく同一な作りとなっている。もちろん、どちらもLEDバックライトを内蔵している。タッチパッドはT303UAが実測約105×62mm(幅×奥行き)、Surface Pro 4が実測約102×54mm(同)と、T303UAの方が大きいぶん使いやすいぐらいだ。

 キーボード面に角度を付けると、キーボードカバー全体の微妙なたわみが、タイピング時のショックを吸収してくれる打鍵感まで非常にそっくりだ。打鍵音は微妙に異なるようだが、ブラインドで使い比べてみたらおそらく違いは分からないだろう。ひょっとしたらどちらのキーボードカバーも同じODMが製造していると思えるほど、T303UAとSurface Pro 4のキーボードカバーは高い品質を実現している。

 ただし、キートップの配列や大きさには細かな違いがある。まずT303UAのキーボードカバーはSurface Pro 4よりカーソルキーが小さいが、その代わりカーソルキー左にCtrlキーが設けられている。またF1~F12キーの横に「pause/break」、「prt sc/sysrq」、「insert」キーが独立して配置されている。さらにファンクションキーに、スリープモード、機内モード、画面オフ、タッチパッドオフなどの機能が割り当てられている。キーの数が多い分、ファンクションキーは小さくなっているが、T303UAのキーボードカバーの方が使い勝手が良いと感じる人も多いはずだ。

T303UAとキーボードカバー。キーボードカバーをテーブルに密着させれば、当然キーボード面にたわみはまったく生じない。しかしキーを底打ちするとテーブルを叩いているのと変わらないので、長時間タイピングすると疲れを感じやすい
T303UAのキーボードカバーはSurface Pro 4と同様に傾斜を付けられる。キーボードカバーがテーブルから離れることで、わずかなたわみが生じるが、タイピング時のショックを吸収してくれるので指の疲れが少ない
暗所ではLEDバックライトが自動的に点灯する
これはSurface Pro 4のキーボードカバー
こちらはT303UAのキーボードカバー。カーソルキーのサイズ、Ctrlキー、ファンクションキー、機能キーの数や配置などが異なる

ディスプレイ解像度・発色は申し分なし、最大ボリュームではビビリ音が発生

 T303UAが搭載する12.6型ディスプレイの解像度は3K(2,880×1,920ドット)。画素密度は275dpiとなるので、高倍率ルーペでも使わない限りドットを判別できないほどの精細さを備えている。発色も非常に鮮やかだ。T303UAはsRGB比で121%、NTSC比で85%の色域をカバーしているが、緑系、赤系の発色ともに階調豊かで、不自然な色味の変化は見られない。

 ただし、ディスプレイではアナログTV向けの色域規格であるNTSCよりも、Adobeにより定義されたAdobe RGBや、デジタルシネマ規格であるDCI-P3のカバー率を公表するのが一般的だ。今後クリエイター向けにT303UAを訴求していくのであれば、Adobe RGBとDCI-P3のカバー率を公表していただきたいところだ。

 一方、本製品はサウンド面にも注力されており、オーディオブランド「Harmon Kardon」とのコラボレーションが謳われている。2W+2Wのステレオスピーカーは音量が大きめで、YouTube動画の「PPAP(Pen-Pineapple-Apple-Pen Official)ペンパイナッポーアッポーペン/PIKOTARO(ピコ太郎)」を最大ボリュームで再生したところ、T303UAは90.7dB、Surface Pro 4は80.2dBという結果だった。しかし、タブレットの筐体に90.7dBの音は大きすぎるのか、最大ボリュームではビビリ音が目立った。無理なく音楽を楽しむのであれば80%ぐらいのボリュームに設定するといいだろう。

12.6型ディスプレイの解像度は3K(2,880×1,920ドット)、画素密度は275dpi。細かな文字を見てもディザーが目に付くことはない
sRGB比で121%、NTSC比で85%の色域をカバー。緑系、赤系の発色ともに階調豊かだ
両側面下部に2Wのスピーカーが装備されている。両側面下部は横持ちした時に手でふさぎがちなので、Surface Pro 4のように両側面上部にステレオスピーカーを配置した方が使い勝手が良い

背面カメラは十分な描写力、前面カメラは少々力不足

 T303UAは、1,258万画素の背面カメラと192万画素の前面カメラを搭載している。両カメラがどの程度の描写力を備えているのか、800万画素の背面カメラと500万画素の前面カメラを搭載しているSurface Pro 4と比較してみた。

T303UA、背面カメラ(f/2.4、1/1,000秒、ISO-49)
Surface Pro 4、背面カメラ(f/2、1/1,953秒、ISO-89)
T303UA、背面カメラ(f/2.4、1/141秒、ISO-49)
Surface Pro 4、背面カメラ(f/2、1/214秒、ISO-88)
T303UA、背面カメラ(f/2.4、1/418秒、ISO-49)
Surface Pro 4、背面カメラ(f/2、1/815秒、ISO-88)
T303UA、前面カメラ(不明)
Surface Pro 4、背面カメラ(f/2、1/1,145秒、ISO-91)

 まず背面カメラの解像感については、T303UAとSurface Pro 4ともに不満はない。少々T303UAはピントが合いづらい傾向があったが、被写体をタッチすれば正確にフォーカスを合わせられる。色の再現性については、建物はT303UA、花と植木はSurface Pro 4の方が自然だが、どちらにしてもWindows 10の「フォト」アプリで十分補正できるレベルだ。

 気になったのは前面カメラの解像感の差。今回撮影した写真では色味はT303UAの方が自然だが、やはり192万画素では解像度が足らないというのが率直な感想だ。12.6型という大きな画面で見るからこそ、もう少し解像度の高い前面カメラを搭載して欲しかったところだ。

必要十分な性能、連続動作時間にはやや不満あり

 最後にT303UAの性能をチェックしてみよう。

 今回使用したベンチマークソフトは、「PCMark 8 v2.7.613」、「PCMark 7 v1.4.0」、「3DMark v2.1.2973」、「CINEBENCH R15」、「Geekbench 3.4.1」、「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」、「CrystalDiskMark 5.1.2」。合わせて実アプリの性能を計測するために「Adobe Photoshop Lightroom」、「Adobe Premiere Pro CC」、連続動作時間を計測するために「BBench」も使用している。

 なお、比較対象モデルとして、Core i5-6200U(2.3~2.8GHz)を搭載するT303UAともっとも性能の近いモデルとして、Core i5-6300U(2.4~3GHz)を搭載する「Surface Pro 4 CR3-00014」を使用している。なお、Surface Pro 4 CR3-00014は10カ月使用しておりバッテリが劣化している可能性があるため、連続動作時間のベンチマークは、「追加投入されたCore i7版「Surface Pro 4」。Core i5版との性能の違いを探る」の結果を流用している。

ASUS TransBook 3 T303UASurface Pro 4 CR3-00014
CPUCore i5-6200U(2.3~2.8GHz)Core i5-6300U(2.4~3GHz)
GPUIntel HD Graphics 520(300MHz/1GHz、EU24基)Intel HD Graphics 520(300MHz/1GHz、EU24基)
メモリLPDDR3-1866 SDRAM 8GBLPDDR3-1866 SDRAM 8GB
ストレージ512GB(Serial ATA 3.0接続)256GB NVMe SSD(PCI Express 3.0 x2接続)
OSWindows 10 Home 64bitWindows 10 Pro 64bit
PCMark 8 v2.6.512
Home Accelarated 3.027492913
Creative Accelarated 3.034963834
Work 2.035653610
PCMark 7 v1.4.0
PCMark score46964910
3DMark v1.5.915
Fire Strike Ultra200203
Fire Strike Extreme336367
Fire Strike701801
Sky Diver28213416
Cloud Gate49545317
Ice Storm Extreme3216832401
Ice Storm4375942865
CINEBENCH R15
OpenGL35.46 fps39.77 fps
CPU242 cb306 cb
Geekbench 3.3.2 Intel(32-bit)
Single-Core Score28913047
Single-Core Score Integer27872963
Single-Core Score Floating Point27242916
Single-Core Score Memory34353481
Multi-Core Score61136516
Multi-Core Score Integer66527126
Multi-Core Score Floating Point66997261
Multi-Core Score Memory38633808
Geekbench 3.3.2 Intel(64-bit)
Single-Core Score29783147
Single-Core Score Integer29433160
Single-Core Score Floating Point27793036
Single-Core Score Memory34493482
Multi-Core Score62166697
Multi-Core Score Integer70137481
Multi-Core Score Floating Point66637388
Multi-Core Score Memory37303751
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット37283782
SSDをCrystalDiskMark 5.1.2で計測
Q32T1 シーケンシャルリード549.047 MB/s1466.762 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト485.771 MB/s313.621 MB/s
4K Q32TI ランダムリード258.384 MB/s233.910 MB/s
4K Q32TI ランダムライト234.606 MB/s204.627 MB/s
シーケンシャルリード463.465 MB/s772.960 MB/s
シーケンシャルライト422.632 MB/s313.741 MB/s
4K ランダムリード12.771 MB/s37.255 MB/s
4K ランダムライト70.228 MB/s105.555 MB/s
SDカードをCrystalDiskMark 5.1.2で計測(SanDisk Extreme Pro 95MB/s microSDXC UHS-I)
Q32T1 シーケンシャルリード35.625 MB/s82.217 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト31.611 MB/s80.426 MB/s
4K Q32TI ランダムリード4.465 MB/s7.323 MB/s
4K Q32TI ランダムライト2.370 MB/s2.921 MB/s
シーケンシャルリード35.023 MB/s87.447 MB/s
シーケンシャルライト31.670 MB/s82.216 MB/s
4K ランダムリード3.968 MB/s8.243 MB/s
4K ランダムライト2.315 MB/s1.994 MB/s
「Adobe Photoshop Lightroom」で50枚のRAW画像を現像
4,912☓3,264ドット、自動階調3分12秒693分0秒55
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分のフルHD動画を書き出し
1,920×1,080ドット、30fps7分53秒447分0秒94
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ40%)
バッテリ残量5%まで5時間20分28秒7時間23分4秒

 今回のベンチマークにはクロック周波数の差がそのまま順当に表われたが、CPU、GPUの性能については使い勝手が大きく変わるほどの差ではない。また、SSDのシーケンシャルリードの速度差も、T303UAがSATA 6Gbps接続、Surface Pro 4 CR3-00014がPCI Express 3.0 x2接続なので当然の結果だが、ほかの転送速度は極端に開いていないので、体感的に大きな速度差を感じることはないと思われる。

 ベンチマーク実施時に、サーモグラフィーカメラ「FLIR ONE」で温度もチェックしてみた。

T303UA正面、最大温度41.9℃
Surface Pro 4正面、最大温度44.3℃
T303UA背面、最大温度33.5℃
Surface Pro 4、最大温度43.3℃

 23℃と低めの室温ながら、T303UAの背面温度は33.5℃に留まっていた。実はT303UAはベンチマークなどの高負荷時、かなり盛大に冷却ファンが回る。それなりの音量となるのだが、その分冷却性能は高いようだ。

【ASUS TransBook 3 T303UAとSurface Pro 4 CR3-00014の冷却ファンの音量比較】
「3DMark v2.1.2973」でストレステストを実行し、ガンマイクでそれぞれの動作音を記録した

拡張性でSurface Pro 4を超える2in1

 Surface Pro 4より後に発売されただけに、Thunderbolt 3/USB 3.1 Type-Cなどの高速インターフェイス、使い勝手のいいフルサイズHDMIを搭載したT300UAは、拡張性という点では元祖2in1よりも魅力的なモデルだ。連続動作時間が約2時間短い点も、大容量26,800mAhバッテリ「ASUS ZenPower Max」を入手すれば、十分補える。

 スペックの近いSurface Pro 4 CR3-00014がキーボードカバー込みで直販価格190,296円。2016年11月13日まで2万円のキャッシュバックを受けられるとしても、Surface Pro 4 CR3-00014の2倍のストレージ容量を搭載するT300UAはお買い得感が高い。2in1というパッケージングに魅力を感じているのであれば、元祖を超えた拡張性を備えた本製品は有力な選択肢となり得るだろう。